鳥取県のほぼ中央にある琴浦町は美食のまちだ。北は日本海、南は秀峰大山に面した豊かな自然環境の下、農産物や畜産物、水産物が育まれている。

宝島社発行の『田舎暮らしの本』の特集記事｢2023年版 第11回 住みたい田舎ベストランキング｣において、人口1万人以上2万人未満の自治体の中で総合1位に選ばれた。

同町で、優れた肥育技術と愛情をたっぷりかけて育てられたのが希少な黒毛和牛種｢東伯和牛｣だ。その肉質の評価は高く、品評会の受賞歴も多い。｢とうはく畜産｣は常時1600頭弱の東伯和牛を肥育し、ふるさと納税のお礼の品として提供している。社長の山下 毅さんによる肥育のポイントは｢ストレスをかけないこと｣。日々牛舎の環境を整備し、牛の体調に目を光らせる。

こうして育てた東伯和牛は、味が濃く、肉の旨みを堪能できる。｢焼いて塩をちょっとつけるだけで、肉の甘みを感じられます｣と山下さん。お礼の品には、ホルモンもある。味噌ベースの特製だれの味つけは、少し食べるだけでやみつきになってしまいそうだ。

一年中新鮮な状態で楽しめる｢とっとり琴浦グランサーモン｣も注目だ。｢鳥取林養魚場｣は、大山からの地下水を利用した陸上養殖施設で育てたトラウトサーモンを、とっとり琴浦グランサーモンとして出荷している。施設では独自の循環式陸上養殖システムを導入。常に水温をトラウトサーモンの飼育に適した温度に保ち、天候に左右されずに育てられるため、1年を通して出荷できる。卵から成魚まで薬を使うことなく、陸上施設で育てるので、寄生虫の心配がないのも安心だ。

2023年は10万尾以上出荷する予定。水揚げ直後に一尾ずつ活〆、血抜きし、真空パックで冷凍せずに発送するため鮮度は抜群。臭みがなく、あっさりとした味わいで食べやすい。

｢刺身やマリネなど鮮度を活かした食べ方がお勧め。和食から洋食まで幅広く楽しめます｣と同社養魚部の小泉総司さん。普段はもちろん、人が多く集まる年末年始の集まりにも喜ばれそうだ。

主食のお米も忘れてはいけない。秀峰大山の伏流水、肥沃な土壌に恵まれた同町では、おいしいお米が育つ。その中でも厳選したお米をお礼の品として提供しているのが米穀店｢おき｣だ。代表取締役の｢おきさん｣こと隠岐聡美さんは、日本米穀商連合会が認定する｢五ツ星お米マイスター｣。宮中行事｢新嘗祭｣への献上米も育てた町内の契約農家などから玄米を仕入れ、精米している。

お礼の品のお勧めは、おきさんが監修した食べ比べセット。コシヒカリ、縁結び、ひとめぼれ、マイスターブレンドの4銘柄を精米後、すぐに真空パックにした。おきさんが季節に合わせて配合を変えたブレンド米が毎月届く定期便も試してみてほしい。

最後に取りあげるのは｢パティスリーモンテ｣のチーズケーキ｢テリーヌ･フロマージュ｣。同店は、オーナーパティシエの飛川貴寛さんが2019年に開店。地元産のフルーツや素材にこだわり、見た目も個性的でかわいらしいケーキや洋菓子を販売している。

テリーヌ･フロマージュは、飛川さんがお礼の品として開発した。｢大山乳業｣のクリームチーズとバター、丈夫で健康に育ったニワトリの卵、｢岸田牧場｣の牛乳といった、地域が誇る素材を使用。口当たりはなめらか、さっぱりとした味わいの中にもチーズのコクがある。

他にも松葉ガニや二十世紀梨、大山乳業の牛乳、日本酒とお勧めの品ばかり。お気に入りの品を探してほしい。