総力取材記事

木都能代が生んだ無類の桶樽、ブランドねぎと牛肉も見逃せない!トンネル貯蔵の日本酒も!
旧料亭金勇から見えてくる、能代市の発展と魅力
秋田県北西部に位置する能代市は、木材産業で栄えた歴史を持ち、明治時代には東洋一の「木都能代」と称された。北は世界遺産白神山地、西は日本海に面し、東は出羽山地の森林地帯。こうした豊かな森林の間を流れる米代川の河口に発達した能代市は、北前船の寄港地となり、大阪や長崎に木材などが運ばれたとされている。



そんな木都能代を象徴する建築物がある。明治23年に創業し、平成10年に国の登録有形文化財に登録された「旧料亭金勇」だ。

平成20年まで営業していたが現在は能代市に寄贈され、多くの見学者が訪れる木都能代の発信基地となっている。特に広さ110畳の大広間は見どころの一つ。日本三大美林の一つとされる天然秋田杉がふんだんに使われ、さらにスギ、クロマツ、エゾマツ、アカマツ、ベイマツ、ヒバ、ケヤキ、カエデ、サクラなどを使用。贅を尽くした使い方ではなく、選木した良材を有効に活用しているところが魅力だ。

「金勇を語れば木都能代の歴史が分かる」といわれるほどの建築物。同様の再建築は不可能とされているので、一度訪れて見学してほしい。木の恵みに溢れた能代市、ふるさと返礼品に木工品が多いのもうなずける。
米、一粒一粒が輝く、伝統工法の秋田杉桶樽

昭和59年度、桶樽として全国で初めて国指定の伝統的工芸品になった「秋田杉桶樽」。その伝統工法が今の世に伝える技術は、想像を遙かに超えた緻密さで、数少ない職人の神業ともいえる。今回ご紹介する「樽冨かまた」では桶樽を「貴いものをしまう箱」というコピーで紹介。


まさに、日々の食を貴いと思えばこそ、桶樽を使う側がその働きを理解し使い込む日常が生まれるのだ。食と丁寧に向き合いたい方に、ぜひ使ってほしい返礼品がある。「おひつ」だ。

販売を手がける取締役の柳谷浩二さんは「おひつはごはんを仕上げるために使うもの。ご飯は炊いた後の水加減も大切で、一手間かけるだけで格段においしくいただけます」と話す。お米を炊き始めると表面からでんぷん質が溶け出す。これに含まれる余分な水分がベタベタの原因なのだが、この水分を飛ばすことででんぷん質が保水膜となり、米一粒一粒に輪郭とつやが生まれるのだ。

秋田杉のおひつは余分な水分をゆったりと吸い、ご飯が乾燥しそうになるとその水分を吐き出す。見えない働きが味に大きな影響を与えている。

樽冨かまたのおひつには大きな特徴がある。「竹たがおひつ」といわれ、美しく加工された竹たがで、桶を締め上げて完成させるのだ。その日の湿度などを感じながら細い竹の表面をなたで削り、まるで太い紐のように厚さをそろえる。この竹で側面を締め上げた後に、底板をはめ込むことで完成するのだが、その調整は職人の経験なくしては難しい。


伝統の技が詰まった一品は、希少な職人たちの手によって一つ一つ作られている。

地元民が愛してやまない、ブランドねぎと鶴形牛
能代市は全国に誇るねぎの産地。なかでも「白神ねぎ」は多くのファンを持つブランドねぎで、年々出荷量を増やしている。


白神山地のミネラルたっぷりな水と日本海から吹く寒風が、ねぎの甘さを一層引き立たせ、ボリュームある白神ねぎを作り出すのだ。


栽培出荷しているのは地元の農業協同組合である「JAあきた」白神ねぎ部会。所属する生産者は170名ほど。

同JA営農部販売課・清水貴智さんは「品質も安定している自慢のねぎ。特に鍋物ではその柔らかさと甘みに満足いただけると思います」と自信満々だ。毎年10月には「白神ねぎまつり」を開催しており、恒例の「ねぎの千本焼き」は看板イベント。焼きたてに味噌をつけて食べると甘さがぎゅっと引き立つ。ぜひご家庭でも試してみてほしい。

もう一つ、地元民が愛してやまない「鶴形牛」をご紹介する。能代市の鶴形地域にある「朝場畜産」で育てられた、黒毛100%の和牛だ。これを地元スーパーマーケット「テラタ」が鶴形牛として販売。希少な牛肉として地元では評判の一品。
能代市産米をブレンドした独自の配合飼料で、一頭一頭を大切に育てているその味はテラタお墨付きだ。

トンネルを貯蔵庫にした酒蔵、唯一無二の日本酒を提供
米どころ秋田県は日本酒の酒蔵が豊富な県でもある。中でも能代市にある「喜久水酒造」は、日本酒をトンネル地下貯蔵庫で保管し品質を高めていることで有名だ。


製造責任者の平澤喜一郎さんは「長年地下貯蔵に注目していた先代がトンネルを購入。冷暗貯蔵がもたらす変化に当時はとても驚いたそうです。新酒の粗さがなくなり一体感が生まれ、まろやかな味わいになっていくのです」と話す。

その類いまれな保管場所は、平成12年に国の登録有形文化財に登録。ふるさと返礼品となる日本酒も、もれなくこの場所で保管されたものである。


今回ご紹介するのはすべて能代産の酒米でつくられた3銘柄。「縄文能代」は酒造好適米「華吹雪」を100%使用して55%精米した、しっかりとした味わいの吟醸酒。「花散里」は酒米「美郷錦」を100%使用した精米歩合48%の香り豊かな大吟醸酒。そして「俺の亀大地」は希少な酒米「亀の尾」でつくられた大吟醸酒で、平成29酒造年度全国新酒鑑評会金賞受賞酒である。

どの日本酒も自分らしく味わい、満喫してほしい。
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