総力取材記事

木都能代が生んだ無類の桶樽、ブランドねぎと牛肉も見逃せない!トンネル貯蔵の日本酒も!

木都能代が生んだ無類の桶樽、ブランドねぎと牛肉も見逃せない!トンネル貯蔵の日本酒も!

旧料亭金勇から見えてくる、能代市の発展と魅力

秋田県北西部に位置する能代市は、木材産業で栄えた歴史を持ち、明治時代には東洋一の「木都能代」と称された。北は世界遺産白神山地、西は日本海に面し、東は出羽山地の森林地帯。こうした豊かな森林の間を流れる米代川の河口に発達した能代市は、北前船の寄港地となり、大阪や長崎に木材などが運ばれたとされている。

緑豊かな能代市。まちの中心を流れる米代川が印象的
七座山は能代市二ツ井町にある7つの山の総称。昭和39年にきみまち阪とともに県立自然公園に指定された
木々の紅葉が美しいきみまち阪公園。明治14年に明治天皇が訪れ、その美しさに感動し「傒后阪(きみまちざか)」の名称をいただいた

そんな木都能代を象徴する建築物がある。明治23年に創業し、平成10年に国の登録有形文化財に登録された「旧料亭金勇」だ。

初代金谷勇助(かねやゆうすけ)が明治23年に創業した料亭金勇は、婚礼や接待に広く使われた。現在の建物は昭和12年に2代目が建築

平成20年まで営業していたが現在は能代市に寄贈され、多くの見学者が訪れる木都能代の発信基地となっている。特に広さ110畳の大広間は見どころの一つ。日本三大美林の一つとされる天然秋田杉がふんだんに使われ、さらにスギ、クロマツ、エゾマツ、アカマツ、ベイマツ、ヒバ、ケヤキ、カエデ、サクラなどを使用。贅を尽くした使い方ではなく、選木した良材を有効に活用しているところが魅力だ。

天井の一枚板が見事な「満月の間」。1本の木から5枚取られた長さ5間(9.1m)の中杢天井板は、木挽き職人が1枚を3日程かけて挽いたもの

「金勇を語れば木都能代の歴史が分かる」といわれるほどの建築物。同様の再建築は不可能とされているので、一度訪れて見学してほしい。木の恵みに溢れた能代市、ふるさと返礼品に木工品が多いのもうなずける。

米、一粒一粒が輝く、伝統工法の秋田杉桶樽

秋田杉の木目が美しいぬか櫃。漆をあしらい糠がくっつくのを防ぐ。冷蔵庫に入るよう高さを抑えている

昭和59年度、桶樽として全国で初めて国指定の伝統的工芸品になった「秋田杉桶樽」。その伝統工法が今の世に伝える技術は、想像を遙かに超えた緻密さで、数少ない職人の神業ともいえる。今回ご紹介する「樽冨かまた」では桶樽を「貴いものをしまう箱」というコピーで紹介。

事務所兼ショールームにはたくさんの作品が並ぶ
かわいらしい秋田杉の香り漂うお弁当

まさに、日々の食を貴いと思えばこそ、桶樽を使う側がその働きを理解し使い込む日常が生まれるのだ。食と丁寧に向き合いたい方に、ぜひ使ってほしい返礼品がある。「おひつ」だ。

おひつが果たしてくれる役目は調湿と熱を穏やかにとること。シンプルながらこの一手間が味に与える影響は大きい

販売を手がける取締役の柳谷浩二さんは「おひつはごはんを仕上げるために使うもの。ご飯は炊いた後の水加減も大切で、一手間かけるだけで格段においしくいただけます」と話す。お米を炊き始めると表面からでんぷん質が溶け出す。これに含まれる余分な水分がベタベタの原因なのだが、この水分を飛ばすことででんぷん質が保水膜となり、米一粒一粒に輪郭とつやが生まれるのだ。

長く愛用できるよう、複数回の削り直しに耐えうる厚みがある。おひつの厚みは4分(12㎜)でご飯の水分をためておける幅を保つ

秋田杉のおひつは余分な水分をゆったりと吸い、ご飯が乾燥しそうになるとその水分を吐き出す。見えない働きが味に大きな影響を与えている。

日々のお手入れはしっかり洗って、ちゃんと乾かすだけ

樽冨かまたのおひつには大きな特徴がある。「竹たがおひつ」といわれ、美しく加工された竹たがで、桶を締め上げて完成させるのだ。その日の湿度などを感じながら細い竹の表面をなたで削り、まるで太い紐のように厚さをそろえる。この竹で側面を締め上げた後に、底板をはめ込むことで完成するのだが、その調整は職人の経験なくしては難しい。

複数枚の板でつくられた曲線が美しいおひつ。丸太の状態から乾燥を含めて1年の歳月がかかる
組編みという仕上げの作業は繊細で技の光るところ

伝統の技が詰まった一品は、希少な職人たちの手によって一つ一つ作られている。

25年のキャリアを持つ伝統工芸士、福島輝久さん

地元民が愛してやまない、ブランドねぎと鶴形牛

能代市は全国に誇るねぎの産地。なかでも「白神ねぎ」は多くのファンを持つブランドねぎで、年々出荷量を増やしている。

平成18年に「白神ねぎ」を商標登録。甘くジューシーな白神ねぎはおつまみにも最適
6年ほど前に誕生した白神ねぎラー油。隠し味にフライドガーリックを使用。炊きたてのご飯や、焼肉のタレなどに

白神山地のミネラルたっぷりな水と日本海から吹く寒風が、ねぎの甘さを一層引き立たせ、ボリュームある白神ねぎを作り出すのだ。

白神山地の恩恵を受けて育つ白神ねぎは絶品。ブランドねぎの産地として生産量も年々増加している
農薬肥料マニュアルをクリアしたねぎ以外は出荷しないという厳しい出荷基準を設けている

栽培出荷しているのは地元の農業協同組合である「JAあきた」白神ねぎ部会。所属する生産者は170名ほど。

JA あきた白神園芸メガ団地代表 高橋裕(ゆたか)さんと息子の洋介さん。「ねぎの産地に成長できたのも品質向上に努めたからこそ」と裕さん

同JA営農部販売課・清水貴智さんは「品質も安定している自慢のねぎ。特に鍋物ではその柔らかさと甘みに満足いただけると思います」と自信満々だ。毎年10月には「白神ねぎまつり」を開催しており、恒例の「ねぎの千本焼き」は看板イベント。焼きたてに味噌をつけて食べると甘さがぎゅっと引き立つ。ぜひご家庭でも試してみてほしい。

白神ねぎ関連商品とセットになった返礼品。ブランドねぎの違いを一度ご賞味あれ

もう一つ、地元民が愛してやまない「鶴形牛」をご紹介する。能代市の鶴形地域にある「朝場畜産」で育てられた、黒毛100%の和牛だ。これを地元スーパーマーケット「テラタ」が鶴形牛として販売。希少な牛肉として地元では評判の一品。

能代市産米をブレンドした独自の配合飼料で、一頭一頭を大切に育てているその味はテラタお墨付きだ。

テラタ バイパス店 店長 鈴木雄亮さん。「テラタでは厳選した肉質、A4またはA5の最上級品質のものだけをお届けしています」。霜降りが美しい鶴形牛。能代市の希少な牛肉をこの機会に

トンネルを貯蔵庫にした酒蔵、唯一無二の日本酒を提供

米どころ秋田県は日本酒の酒蔵が豊富な県でもある。中でも能代市にある「喜久水酒造」は、日本酒をトンネル地下貯蔵庫で保管し品質を高めていることで有名だ。

「喜久水酒造地下貯蔵研究所」は見学も可。旧奥羽本線の鶴形トンネルを平成8年にJRから購入した。一年中自然に11℃を保つ地球に優しい冷蔵庫
全長約100m、高さ4.6m、幅3.7m。約100坪の広さに酒蔵で瓶詰めされたすべての特定名称酒が一度ここに収められる

製造責任者の平澤喜一郎さんは「長年地下貯蔵に注目していた先代がトンネルを購入。冷暗貯蔵がもたらす変化に当時はとても驚いたそうです。新酒の粗さがなくなり一体感が生まれ、まろやかな味わいになっていくのです」と話す。

喜久水酒造製造 責任者の平澤喜一郎さん。「日本酒は温度によって表情が変わるので、冷やしたもの~常温~ぬる燗と1本のお酒を3倍楽しんでみてほしいです。きっと新しい発見がありますよ」

その類いまれな保管場所は、平成12年に国の登録有形文化財に登録。ふるさと返礼品となる日本酒も、もれなくこの場所で保管されたものである。

明治8年に創業した喜久水酒造酒蔵。白神山系の伏流水を使用、県内3本指に入る硬水で酒造りに適している
トンネルに眠る古酒。11℃に保たれたトンネルでそのときを待つ

今回ご紹介するのはすべて能代産の酒米でつくられた3銘柄。「縄文能代」は酒造好適米「華吹雪」を100%使用して55%精米した、しっかりとした味わいの吟醸酒。「花散里」は酒米「美郷錦」を100%使用した精米歩合48%の香り豊かな大吟醸酒。そして「俺の亀大地」は希少な酒米「亀の尾」でつくられた大吟醸酒で、平成29酒造年度全国新酒鑑評会金賞受賞酒である。

どの日本酒も自分らしく味わい、満喫してほしい。

能代市のお礼の品のクチコミ

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自治体情報

秋田県能代市(のしろし)

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