総力取材記事

地元で愛されるお菓子やうどん、社会や環境にやさしい活動が生み出す、健康とおいしさにも注目!

地元で愛されるお菓子やうどん、社会や環境にやさしい活動が生み出す、健康とおいしさにも注目!

700もの多様な製造業が集積する、ものづくりのまち

門真市は大阪府の北東部、北河内地域に位置するものづくりのまち。企業城下町として成長を遂げてきた背景から卓越した技術を持つ中小企業が多く、高度経済成長期には家電産業を推進力に産業都市として発展していった。現在、700を超える製造業が集積するなか、同市ではポータルサイト「ものづくりタウンかどま」を開設し、企業同士のマッチングビジネスの促進をはじめ、ものづくり企業の魅力を広く発信して地域活性化に注力する。

そんな門真市の人気の返礼品といえば、家電製品が上位にランクインするが、自慢の逸品はそれだけではない。今回は「食」を中心に地元の人しか知らない隠れた門真の名産品にスポットを当てて紹介してみよう。

50年試行錯誤を繰り返したバナナカステラは、本物の味

最初に紹介する「リマ」は、日常のおやつとして親しまれるバナナカステラをつくるメーカー。大阪で誕生して50年以上の歴史を誇る商品として「大阪産」にも指定されている。

焼き上がったカステラを冷却したのち、一つひとつ丁寧に検品。1日に約10万本を生産する

同社では先代の社長のもと、昭和30年代後半から生産を開始したが、当時使用していたのはバナナの香料。「バナナカステラにバナナは入っていますよね?」という問い合わせをきっかけに試行錯誤が始まった。その経緯について品質管理部の秋月美穂さんにお聞きした。「最初に生のバナナを蒸してあんに入れてみましたが失敗。そこでバナナピューレを輸入してあんに加えました」

鉄板に生地を流し込み、180℃の高温で加熱。焼き上がってからは勢いよく鉄板から外して空気を抜くと、時間が経ってもカステラが凹まずにふんわりと仕上がる
バナナ入りあんは、毎日自社工場でインゲン豆を炊いてつくる。あんや生地づくりから完成まで人の手を介さずに自動化で衛生的なものづくりを実現

より多くのバナナを入れるために世界中から情報を収集しながら研究を続け、「50年もの年月をかけて、ようやく納得のいくものが完成しました。バナナ入りの自社炊きあんは、最高の自信作です」と語る。

夏の暑い日も冬の寒い日も毎日カステラづくりに取り組み、全国においしさをお届けするスタッフのみなさん

健康志向が高まるなか、2022年2月には「沖縄・奄美のきびオリゴ」入りの商品にリニューアル。さらに独自製法により、賞味期限を60日から90日に延長し、SDGsの観点から食品ロス削減にも取り組んでいる。進化し続ける本物の味をぜひご賞味いただきたい。

バナナの香りと優しい甘さ、ふんわりしっとり食感が美味。2022年2月には沖縄・奄美のきびオリゴ入り商品にリニューアル。新しい製法により賞味期限を90日に延ばした

コシのあるもちもち食感が特徴の「門真れんこんうどん」

低湿地が多い門真市では、昔かられんこんの栽培が盛んに行われてきた。粘土質の土で育った「門真れんこん」は、もっちりとした食感と甘みの強さが特徴。この希少な特産品を使ったうどんを手がけているのが、1967年創業の「若狭や製麺所」だ。二代目当主の窪田俊之さんと妻の佳奈子さんにお話をうかがった。

地元のお客様への販売をはじめ、飲食店やスーパーなどにも提供。多くの人に親しまれる老舗店

「当社は創業時から麺一筋。原料は100%国産の小麦粉と水、塩のみです。機械には頼らず、少量生産で安全安心、おいしい麺をお届けしています」

「手間暇かけてつくった自慢の麺は一味も二味も違います」と語る窪田さん夫婦

その日の天候や温度、湿度に合わせて原料を混ぜ合わせ、生地を何度もローラーにかけて熟成させることで、煮くずれせずにコシの強い、しっとりした麺ができるそうだ。

ローラーで何度も生地に圧力をかけて延ばすことで、密度の高い引き締まった麺ができる

門真れんこんうどんは、門真れんこんのフリーズドライ無添加パウダーを練り込んだもの。

5分で茹で上がる細麺うどん。自家製のだし付き
れんこんパウダーが練り込まれたうどんは、栄養価満点。のど越しがよく、もちもちした食感が美味

「材料の配合や麺の太さなどを研究し、2年かけてもっちりつるりとした食感とコシを出すことができました」。温かいうどんや鍋はもちろん、茹で汁で作るお粥など、体の芯まで温まる料理をぜひとも堪能してほしい。

うどんの茹で汁は捨てずにお粥や雑炊にしていただける
ほうとう風に生のうどんをそのまま鍋に入れると、とろりとした甘みのある味わいに

さらに「平うちめんを使った沖縄そばも人気ですよ」と笑顔ですすめてくれた。

沖縄好きな佳奈子さんが麺づくりを学び、手がけた沖縄そば。平うちめんは同店オリジナルの人気麺

原産国の発展に役立ちたい、創業時からの想いを貫く店

みなさんはダイレクトトレードという言葉をご存知だろうか。これは中間業者を介さず、生産者から直接買い付ける仕組み。「SUGIHARA COFFEE ROSAR」は〝生産者が見える豆〞をモットーに、原産国の農園からコーヒー豆を仕入れ、コーヒー文化や地域の発展を目指す。

代表である杉原大輔さんは約8年間、コーヒー店で焙煎技術を習得し、パティシエの妻と2人で2019年に1号店をオープン。

「自分の利益ではなく、利他的な考えのもとお店を経営。ルワンダだけでなく、他国にも活動の輪を広げ、より多くの国の人たちの役に立ちたいですね」と杉原さん

自家焙煎コーヒーと手作りの焼菓子が評判を呼び、現在は2店舗を経営する。お店で使うコーヒー豆の一部は、アフリカのルワンダから直接輸入しているが、何度も農園に足を運び、生産者と意見交換をしながら豆づくりにも関わっているそうだ。

「ルワンダは、農村地域を中心に貧困の連鎖が社会問題になっている発展途上国。コーヒー豆の産地としての知名度は低いですが、ポテンシャルは高く、一緒に肥料づくりや土壌改善に取り組んでいます。単にコーヒー豆を購入するだけでなく、品質の高い豆づくりや収穫量のアップに挑戦しています」
ルワンダの生産者が貧困から脱出できるように、1杯500円のコーヒーからそれ以上の価値を生み出したい。そんな想いを力強く語ってくれた。

毎日飲んでも飽きない、まるい味わいのコーヒー

コーヒー焙煎士である杉原さんは、焙煎技術を競う大会で全国2位、さらにコーヒーの風味や違いを判別する大会でも全国入賞を果たした実力派。Qグレーダーというテイスティングの国際資格を保有し、コーヒー競技会の審査員も務める。優れた焙煎技術と味覚を併せ持つ杉原さんは、ドイツの老舗メーカー・プロバット社製の焙煎機を愛用する。

世界最古といわれるドイツのプロバット社製の焙煎機は「車でいうベンツです」と杉原さん。豆の状態をみながら温度や時間を調整する目は真剣そのもの

「高い熱伝導率により焙煎機の温度を均一に保つので、ムラや焦げを防ぎ、豆本来の味を引き出すことができます」
酸味や苦み、香りなどそれぞれの豆の個性を把握して活かすのは、料理人でもある焙煎士の腕次第。その一方で、杉原さんは「まるみ」にこだわるという。「濃過ぎず、薄過ぎず、角張っていない。毎日飲んでも飽きない、バランスのいいコーヒーを目指しています」
返礼品は、杉原さんがその時に最も旬な4種類の銘柄を厳選したセット。そして手軽に本格的なコーヒーが味わえる50個入りのドリップバッグも用意。コーヒーでつながる社会貢献は、あなたの心を豊かにしてくれるはずだ。

その時に最も旬なブレンドコーヒー2種とシングルオリジン(1つの農園で生産された豆)2種を厳選してセットでお届け
浅煎りでフルーティな味わいの「さっぱリスるブレンド」、日本人好みの中煎り「まったリスるブレンド」、心地いい苦みとコクの深煎り「ほっこリスるブレンド」の3種セット

人と同じ基準でつくられる、安全安心なペットフード

健康に配慮した安全安心な食への関心が高まる現代。それは人だけでなく、大切な家族の一員であるペットにも通じることだ。「ビィ・ナチュラル」では、食品の安全性において世界トップクラスを誇るオーストラリア産の最高品質の原材料を厳選。「原材料は私が実際に口にし、安全やおいしさを確認しています」と代表取締役の藤原博文さんは、自信を持って語る。

「栄養価の高い食用の原材料を使い、自社工場は食品と同じ基準で生産。人が食べてもおいしいですよ」と語る代表の藤原さん

「海外のフードは、大型犬中心の広い飼育環境に適した栄養バランスなので日本のワンちゃんには栄養過多になりがち。当社では、日本の小型犬中心の室内飼育を考慮して、私自らが栄養設計しています」。オーストラリアの工場で生産されたフードは、HACCP(衛生管理の国際基準)とISO9001の認証を取得した国内の自社工場で徹底した品質管理のもと検品から出荷を行う。

HACCP・GMP(適正製造規範)認証を取得したオーストラリアの工場で生産

同社の代表的なブランドといえば、ナチュラルドックフード「ルート・ゴート」。野生のカンガルーとヤギを組み合わせていることが特徴だ。「低アレルゲンの多種類のタンパク質源を配合しているのでアレルギーを起こす可能性が低く、野生の食肉ジビエの活用が環境保全にも役立っています」
また、酸化防止策として、加熱調理の工程後に余分な油脂の吹き付けは行わず、パッケージの素材にも配慮。涙やけ・よだれやけが改善したというリピーターも多いそうだ。

カンガルーとヤギを使用した低アレルゲンの「ルート・ゴート」。愛犬の体格に合わせて小粒・中粒、ダイエット用などを用意

天然の鮭を使った新商品は、地方産業の活性化にも貢献

2022年3月には、エシカルペットフード「鮭でドッグ(キャット)フードをつくりました」を新発売した。

SDGsやエシカル消費をテーマに開発した新商品。女性デザイナーを起用し、可愛らしいイラスト入りの優しい色合いのパッケージに仕上げた

これは栄養価があるにもかかわらず、使い切れていない未利用の資源を活用する試み。「鮭の産地・新潟県村上市の三面川で獲れた天然の鮭を使用しています。採卵後の雌鮭は、味が少し落ちるため、その身の利用法は限られていましたが、地元の漁業協同組合との連携により商品化が実現。栄養バランスとおいしさを追求した商品です」

新潟から届いた鮭をミンチにし、おからやエゴマ粕などの原材料と混ぜ合わせる

商品はすべて自社工場で一貫生産し、パッケージのデザインにもこだわった。発売以来、お客様から「食いつきが違う」と喜びの声が届き、同社のファン層はさらに拡大しているという。地方産業の活性化から食品ロスの減少など、ペットや社会、地球にもやさしい取り組みは、ふるさと納税を通じて多くの人に応援してほしい。

加熱、成形、乾燥を経た商品はランダムで抜き取り、実際に食べて品質を確認
門真市にある本社工場で働くスタッフのみなさん

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自治体情報

大阪府門真市(かどまし)

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