福岡県北東部に位置し、南に英彦山、北に福智連山、東に香春岳と三方を山々に囲まれた田川盆地の中央にある田川市。古くから「炭都」と呼ばれる同市は、国内最大の出炭量を誇った筑豊炭田を有し、石炭産業によって発展してきた歴史をもつ。「月が出た出た♪」で馴染みのある『炭坑節』発祥の地であり、二本煙突や伊田堅坑櫓、ユネスコ主催の世界記憶遺産に日本で初めて登録された「山本作兵衛翁の炭坑記録画及び記録文書」など、有形無形問わず多くの炭鉱遺産が残る。

1800年代後半、石炭産業が隆盛を極めていた頃、当時の田川郡には多くの料亭が軒を連ね、各地から選りすぐりの料理人が集まっていた。そこで生まれたのが「筑豊懐石」だ。全国から訪れる皇族や要人に振る舞われ、富の象徴として語り継がれてきた、この筑豊懐石を「料亭あおぎり」では継承している。料理長が心と技を尽くし、一折一折手作りする「筑豊懐石おせち」は、厳選した旬の食材を贅沢に用いた、見た目も華やか、豪華絢爛な逸品だ。

国産最高級のボラの卵を使用し、塩に数日漬けた後に、日数をかけて酒で何度も丁寧に塩抜きをした、濃厚な味わいの「本からすみ」。福岡県嘉麻市のブランド牛・嘉穂牛を低温でじっくり焼いた後、強火でこんがりとローストし、本来の深い旨みと甘みを活かした「ローストビーフ」。丹波の黒豆を、独自の製法で風味よく炊き上げたモチモチ食感の「金箔黒豆」など、料亭あおぎりでしか味わえない一品が揃い、ボリュームもたっぷり。

最高級のおせちで、新年の集いが何倍も楽しくなること間違いなしだ。

正月に欠かせない「筑豊懐石雑煮」、その特徴はなんといっても出汁のおいしさにある。濃厚な鶏出汁をベースに鮪、鰹、昆布、椎茸だしを絶妙なバランスでブレンドし、やさしくもコクのある味わいを醸す。黄金色の美しいつゆに、車海老や寒鰤、紅白市松蒲鉾、梅花人参などが入る、具沢山のまさに〝雑煮〞。それぞれには、素材を活かした味付けがなされており、ひと口含めばつゆと調和した、深い味わいが口いっぱいに広がる。

全国から厳選した蕎麦粉を使用し、料理長自らが手打ちした「筑豊懐石十割蕎麦」も人気だ。

蕎麦を手繰って、つゆを一口。風味豊かで香り高く、程よいコシの蕎麦と、旨みと香りがしっかり感じられる鶏出汁ベースのつゆが口の中で一体となり、滑るように喉を通っていく。上品でありながら味わい深い蕎麦は筑豊懐石ならでは。年越し用にもおすすめだ。

創業71年、筑豊懐石の粋を求め続ける料亭あおぎり。

「旬の食材で味わう季節感、名人作陶による名器と調和する雅な味、そして国登録有形文化財という特別な空間の中で、お客様にかけがえのないひと時をお過ごしいただけるよう、おもてなしの心をスタッフ一同大切にしています」（料亭あおぎり・マルボシ酢会長・星野宗弘さん）。

ふるさと納税を通して、田川市のおいしい魅力が全国へと広がってほしい。