日本のほぼ中央にある四日市市。三重県北部に位置し、石油化学コンビナートや半導体製造工場などを有する中京工業地帯の一翼を担う産業都市だ。最先端の技術が集積する一方で、人々の間で長く息づく歴史も残っている。例えば「四日市あすなろう鉄道」。JRや大手私鉄などよりも狭い線路幅762㎜のナローゲージの鉄道で、日本では3社4路線しか残っていない。小さな鉄道だが「あすなろう」という名称には、市民とともに将来にわたって(明日を)育てていく思いが込められている。

四日市市には受け継がれた技術を生かした返礼品もある。その一つが伝統工芸の「萬古焼」を用いた「ベストポット」だ。

萬古焼は江戸時代から300年の伝統を持つ耐熱性と蓄熱性に優れた陶器。ベストポットはガスの高火力にも対応する萬古焼の土鍋と金属のふたで蓄熱・無水調理を可能にした。ベストポットを手にしたらまずはご飯を炊いてほしい。約7～8分強火にかけ、沸騰したら15～20分蒸らすだけ。火加減いらずでお米の甘みを引き出したご飯が炊ける。萬古焼の蓄熱性でゆっくり時間をかけて鍋内の温度を上げ、火を消してからも高温状態を維持できるからだ。

また鍋にピッタリはまる金属のふたは、食材の旨みを含んだ蒸気を逃さず循環させる。この効果を出すため、金属のふたと鍋の隙間を極限までなくすように丁寧に成形して鍋の口元を真円に近づけ、誤差0.001㎜を保証する切削加工で整えている。

「九鬼産業」のごま油やごま食品にも、明治19年の創業からの伝統的な製法が生かされている。

薬品類を一切使わず、圧搾法というごまをすりつぶす伝統的な製法で油を搾り出しているのだ。その後、和紙や布でろ過を繰り返し、透き通るようなごま油に仕上がるまでに約1ヵ月半もかかる。それでも「安全性にこだわり、ごまの香りを最大限に生かす」という基本を守り続けるために手間ひまは惜しまない。

返礼品にはごま油の種類や本数など、詰め合わせ内容によって4セットが用意されている。「胡麻セット(C)」は5種類の風味が楽しめ、「どのごま油もおいしい」とリピーターも続出だ。

四日市市の豊かな自然の恵みいっぱいの返礼品も紹介しよう。市の西に位置する鈴鹿山脈の標高300mにある山間部には牧場や茶畑があり、緑あふれる景色が広がっている。

この自然の恵みをグビッと一杯楽しめるのが「かぶせ茶」と「キンミヤ焼酎」と四日市萬古焼の焼酎カップをひとまとめにした「かぶせ茶ハイセット」だ。

かぶせ茶はこの地域での生産量が全国第1位の緑茶で、新芽に黒い覆いをかぶせて日光を遮断して製造する。甘みを多く含み渋みは少なく、鮮やかな水色が特徴だ。キンミヤ焼酎は超軟水の鈴鹿山系の伏流水を仕込み水に使っている。他の素材とブレンドするとおいしさがぐっと引き立つ甲類焼酎だ。キンミヤ焼酎をかぶせ茶で割って、四日市萬古焼の焼酎カップで楽しんでほしい。

肉好きの人や子どものいる家庭には「伊勢水沢牛ハンバーグ5個セット」がおすすめ。伊勢水沢牛は保水性がありやわらかくジューシーな牛肉だ。肉質を良くするために、清潔で快適に牛舎を保ち、消化の良い自家製飼料を与え、スタッフがこまめに世話をして、牛のストレスを和らげている。仕上げの時期には地元の水沢茶葉を与え、茶葉のカテキンとビタミンEで肉質をさらに高めている。返礼品のハンバーグの肉は伊勢水沢牛100%で旨みたっぷり。肉汁まで味わいたい。

四日市市には他にもさまざまな返礼品があるので、ウェブなどで探してみてほしい。