海と山に囲まれた古都・鎌倉は、由緒ある社寺巡りやグルメを満喫できる、関東有数の観光地。和菓子のイメージが強いが、実は洋菓子の激戦区だ。選りすぐりの逸品を紹介したい。
倉内正巳オーナーシェフが1996年、西鎌倉の住宅街にオープンしたフランス風創作菓子店「レ・シュー」。看板商品「にしかまプリン」は店頭でしか買えず、「どうしても取り寄せたい！」という声が多く寄せられたので、お取り寄せできるように2年の歳月をかけて「メープルプリン」を開発した。カナダのケベック州産限定シロップと、カナダ政府が認めるオーガニックシュガーを使用した、なめらかなプリンだ。チーズの風味を存分に味わえる、一口サイズのしっとりチーズスフレ「にしかまチーズ」も創業当時からの人気を誇る商品だ。

次にお勧めしたいのは、鶴岡八幡宮への参道・段葛に面した、ジャムと焼き菓子の店「Romi-UnieConfiture」。菓子研究家のいがらしろみさんが、2004年に開店した、食パンに塗るだけでデザートに変身する“お菓子みたいなジャム"がコンセプトの店。ガラス越しに見える工房で手作りした、素材の組み合わせが個性的なジャム約30種が店内の棚にずらりと並ぶ。
「当店のジャムは銅鍋を用いて、強火で一気に炊き上げるので、フルーツ本来のフレッシュな風味を楽しめます」とPR担当の宮岡綾さん。返礼品では、いちごとフランボワーズの「アニヴェルセール」、キャラメルに塩を効かせてヘーゼルナッツを加えた「キャラメル・カマクラ」を含む、季節のジャム計8種を楽しめる。

鎌倉のシェフ御用達の鎌倉野菜直売所「鎌倉市農協連即売所」、通称“レンバイ"に店を構える「鎌倉しふぉん」はシフォンケーキの専門店。主婦だった青井聡子さんが2003年にオープン。
「焼くだけなのでごまかしが効かず、実はケーキの中で一番作るのが難しいのがシフォンケーキ。16年も続いたのは、それだけに専念してきたからかも」と、青井さんは笑う。ベーキングパウダーを使わず、卵の力のみで焼き上げたシフォンケーキは、パサつかず、ふわふわで驚くほどのしっとり感！

最後に紹介したいのが1988年創業の洋菓子店「鎌倉小川軒」。看板商品「レーズンウィッチ」のラムレーズンは、濃厚な甘みで、良質なものを厳選し、8年熟成したラム酒で煮ている。サクサクに焼き上げたサブレに、なめらかなバタークリームを塗り、熟練の職人が長年の勘を頼りに手作業でラムレーズンを載せている。
「完熟バナナの甘み、キャラメルのほろ苦さ、ブランデーの風味を味わえる『ケーク・オ・バナーヌ』も人気。一切れでも十分満足できるほど、濃厚な味わいです」(店長・真藤久美子さん)

同市に寄せられたふるさと寄附金は、市の美しい自然景観、歴史的文化財を守るため、観光客が快適に過ごせるためなど、全20項目で活用。歴史ある鎌倉の文化財保護を応援すると同時に、同市の銘菓も味わってみては。