総力取材記事

腸内フローラ検査に興味津々。個性派スピーカーに食の逸品「ちょうどいい」。まちは名品ぞろい

腸内フローラ検査に興味津々。個性派スピーカーに食の逸品「ちょうどいい」。まちは名品ぞろい

大阪と京都のど真ん中。程よい都会と自然のまち

枚方市内を南北に流れる淀川。淀川の歴史や流域について学べる観光船も運行されている

大阪府北東部、大阪と京都のど真ん中に位置する枚方市は、「ちょうどいい」暮らしが楽しめるまちだ。ベッドタウンとして発展し、人口は約40万人。中心部の京阪電車・枚方市駅前は高層ビルや商業施設が集まる。「ひらかたパーク」は継続して営業している遊園地では日本最古。同市出身の俳優、岡田准一さんがイメージキャラクター「超ひらパー兄さん」を務め、多くの人でにぎわっている。
その一方で、枚方市駅を西に進むと東海道の延長部「枚方宿」の町並みが広がる。南北には雄大な淀川が流れ、東部には「にほんの里100選」に選ばれた穂谷地区がある。都市と自然のバランスが程よく取れたまちなのだ。教育環境も充実しているため、移り住んでくる子育て世代も多い

継続して営業している遊園地では日本最古のひらかたパーク
東海道の延長部として整備された枚方宿。街道沿いには町家を改装したカフェや雑貨店などが点在する

腸内フローラは何タイプ? 生活習慣を見直すきっかけに

腸内フローラの検査は、摂南大学枚方キャンパス内にあるフローラディスカバリーで行われている

そんな「ちょうどいい」まちには5つの大学がある。腸内フローラ検査サービス「FloraScan(フローラスキャン)」は、産学連携の研究活動から生まれた珍しいお礼の品だ。
フローラスキャンは、腸の中にいる腸内細菌の集合体「腸内細菌叢」(腸内フローラ)の様子から、腸内環境を調べるサービスだ。枚方市内にある摂南大学と京都府立医科大学、予防医療関連サービスなどを提供する「プリメディカ」が共同研究を行い開発した。
摂南大学農学部教授で、検査を担当する同大発のベンチャー企業「フローラディスカバリー」の学術顧問を務める井上亮さんによると、腸内フローラは脂肪の蓄積や病原体の感染予防、免疫系の調節など、体のさまざまなことに関わっている。近年では、腸内細菌のバランスが崩れると体の不調や大腸がん、肝臓がん、糖尿病などの病気の原因になることがわかってきた。
欧米では、腸内細菌の状態を4タイプに分けるのが主流だが、井上さんらは、日本人1803人の腸内フローラデータベースをもとにAからEの5タイプに分類。例えば、タンパク質や脂肪の摂取が多い人はAタイプ、タンパク質や脂肪、糖質などをバランスよく食べている人はBタイプとなる。
検査の流れはこうだ。自宅に送られてくる採便キットを使って採便し、検体を郵送すると、6週間後をめどにインターネット上で結果を確認できる。検査結果には、自分の腸内フローラタイプや食事のアドバイスなどが書かれている。管理栄養士から食事のアドバイスを受けることも可能だ。
「腸内フローラは食事や運動などの生活習慣次第で良くも悪くもなる」と井上さん。定期的に検査を受ける人もいる。プリメディカFloraScan事業部部長でフローラディスカバリー社長の小川健太さんは「自分の生活習慣を腸内環境から知り、見直すきっかけにしてもらいたい」と話す。
美容に関心のある人には、「銀座高須クリニック」院長、高須英津子医師が開発したスキンケアブランド「ジュランツ」の「ステムナリッシュセット」がお勧め。担当者は「エクソソームが豊富に含まれたヒト幹細胞培養液と、3%高濃度セラミドを配合した美容液とクリームのセットです」とPRする。
体を動かしたい人は、ストレッチ用ポール「アクシスフォーマー」はいかがだろうか。枚方市に本社がある「共和ゴム」が開発した。トップアスリートも使っていて、手軽にエクササイズやストレッチができる。長時間使ってもへたらないのもうれしい。

「FloraScan」の検査キット一式
共和ゴムが提供するアクシスフォーマー。姿勢改善や骨盤矯正に取り組みたい人にもお勧め
銀座高須クリニック院長、高須英津子医師が開発したスキンケアブランド、ジュランツのステムナリッシュセット
腸内フローラの研究を進める摂南大学の井上教授(中央)と検査を担当する小田真知(おだまち)さん(右)、吉田和(よしだやわら)さん

拡声器専門メーカーが贈る癒やしのスピーカー

ノボル電機の社内には、業務用のメガホンや拡声器がずらりと並ぶ

金属製ホーンスピーカーも個性的なお礼の品の一つだ。子どもの頃、学校の校庭や海水浴場で聞いたようなノスタルジックな音が楽しめる。枚方市に本社があるメガホンや船舶拡声器の専門メーカー「ノボル電機」が一般消費者向けの新ブランド「ノボル電機製作所」の製品として開発した。
同社は1945年に創業。拡声器ひと筋で事業を展開してきたが、業界が衰退する中、公益財団法人大阪産業局などの支援を得て、一般消費者向けの商品開発に着手した。当初は高性能なスピーカーを開発しようと考えたが、周囲のアドバイスを受けて、創業以来取り組んできた拡声器の音に振り切ることに。2021年にスマートフォンを差し込んで使う拡声器型の無電源スピーカーを開発したところ、「レトロな感じの音が面白い」と話題になった。反響を受けて23年に世に出したのが、金属製ホーンスピーカーだ。
コンテナ船などで使われている船舶用ホーンスピーカーをベースに、業務用の振動板(振動して音を発生させる部品)を採用した。Bluetoothを内蔵した別売りのアンプとセットで使うことで、温かみのある、懐かしい音を聞くことができる。「落ち着く、癒やされるという感想が多いです」と同社広報の桜井喬道さん。アンプはモバイルバッテリーと接続できるため、いつでもどこでも使える。リラックスしたいときや、寝る前に聞くのもお勧めだ。シンプルなデザインなため、インテリアとしてもかわいい。

懐かしい音が魅力の金属製ホーンスピーカー(左端)。別売りのアンプ(中央)と接続して使う。右端は金属製ボックススピーカー
スピーカーは、一つ一つ手作業で組み立てられる
広報の桜井さん。「内部の音の反響をなくした無響室で、スピーカーの性能をチェックします」

「昆布屋のプライド」をかけたフレッシュな昆布製品

ふるさと納税に提供している岩吉シリーズは3セット。中央の黒毛和牛昆布巻、その下の牛しぐれ、左のちりめん山椒の組み合わせ以外に、右上の梅かつお昆布が入ったセットもある

創意工夫に満ちた食品にも注目したい。「塩こんぶ」や「だし昆布」などで知られる1921年創業の老舗食品メーカー「くらこん」は、同社の創業者、傳寶岩吉の名前を冠した「岩いわきち吉」シリーズを提供する。
「昆布屋のプライド」をかけてとことん品質と味を追求した。注文が入ってから火を入れ、職人が一つ一つ手作りする。人気は牛しぐれと黒毛和牛昆布巻き、ちりめん山椒のセット。昆布巻きは三重県の松阪牛にもっちりとした食感の日高昆布を、牛しぐれは国産牛に肉厚で上品な旨みが特徴の真昆布を組み合わせた。ちりめん山椒は、瀬戸内海産のちりめんを国産の実山椒と炊きあげた。
同社マーケティング部担当者は「作り置きを一切せず、注文をいただいてから作り始めるので、本当にフレッシュな佃煮や昆布巻きを味わえます」と胸を張る。牛しぐれはご飯に載せて、昆布巻きは好みの大きさに切ってそのまま食べるのがお勧めだ。
お礼の品では、同社の特製熟成室で3年以上熟成させただし昆布も人気だ。「寝かせることでより一層だしの深みが増します」と同社研究開発部担当者。長年昆布の旨みを追求してきた同社だからこそ出せる味わいを堪能してほしい。
お礼の品には、昆布製品と合わせるのにちょうどいい米もある。「JA北河内」が提供する「しあわせのれんげっ娘」は、JAと枚方市が連携して取り組むレンゲを天然の有機肥料として活用する「れんげ農法」で育てたヒノヒカリだ。農薬や化学肥料を極力使わずに栽培した、自然の米を味わいたい。

レンゲを天然の有機肥料として活用する「れんげ農法」で育てたヒノヒカリ「しあわせのれんげっ娘」
くらこん研究開発部担当者。「『岩吉』シリーズは、職人がこだわりを持って作っています。そのまま味わっていただきたいです」

熱烈なファンも多いみそは甘み強めでみそ汁に最適

北村みそ本家は、枚方宿の街道沿いに店舗を構えている

日々の食事を支えるみそにもこだわりたいという人は、熱烈なファンも多い「北村みそ本家」の看板商品「菊人形みそ」はいかがだろうか。
北村みそ本家は1883年に大阪・天満で創業。1921年に枚方に工場を建て、戦後、拠点を枚方に移した。五代目の北村晋也さんは、冬に国産の材料を使ってみそを仕込み、翌年の秋までじっくりと熟成させる。「手間暇の『ひま』、待つという時間をしっかり取ることで、おいしいみそができると考えています」(北村さん)
みそは、米こうじと蒸した大豆、塩を混ぜ合わせて発酵、熟成させて作る。菊人形みそは、大豆よりも米こうじを多く使っているため、甘みが強いのが特徴だ。北村さんは「こうじが多いほど味が広がりやすいので、少ない量でも味が出やすいです」と話す。みそ汁で使うのがお勧めだ。まろやかで独特のコクがあり、具材の味を引き立てる。炒め物やみそ鍋に使うのも好評だ。
「今後は作る量を増やすというよりは、作り方や使い方を教える方向にシフトしたい」と北村さん。定期的に開催する「発酵ラボ」では、参加者と一緒に発酵食品について研究する。お礼の品で提供しているみそ作り体験も、参加者が増えてきている。
個性的なサービスや製品、日々の食事を楽しくする逸品など、幅広いお礼の品がそろう枚方市。好みの品を見つけて自分用に、お世話になった人へのプレゼント用にと活用してほしい。

枚方名物「菊人形」にちなんで名前をつけた菊人形みそ。まろやかで独特のコクがある
140年以上続く北村みそ本家の五代目、北村晋也さん。「最近は地元の高校生との商品開発にも取り組んでいます」

ミニコラム

乳液にプロのバレーボール体験バラエティーに富むお礼の品々

ふるさと納税事業を担当する広報プロモーション課主任の中尾さん(左)と堀谷拓輝(ほりたにひろき)さん

枚方市のお礼の品はバラエティーに富んでいる。市内の工場で製造されている乳液「トゥヴェールナノエマルジョン」は、寄付件数ではトップ。同市を拠点とする男子バレーボールクラブ「大阪ブルテオン」(旧パナソニックパンサーズ)の選手のアタックをレシーブできる権利などもある。「うまい棒」のメーカー、やおきんが公認する専用ケースも話題だ。現在のお礼の品のラインアップは約300種類。担当する広報プロモーション課主任、中尾奈穂さんは「ふるさと納税を通して市内の魅力ある商品を知ってもらいたい」とPRする。

お礼の品の詳細

枚方市のお礼の品のクチコミ

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自治体情報

大阪府枚方市(ひらかたし)

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