柔らかい甘さが特徴の赤いとうもろこし
山梨県東部に位置する都留市は、平成の名水百選に選ばれた清らかな水、十日市場・夏狩湧水郡と、新・花の百名山に選ばれた三ツ峠山、二十六夜山などの個性豊かな山々がある、自然環境に恵まれたまちだ。
とうもろこしといえば黄色い実を思い浮かべる人が多いと思うが、2022年に奈良県で開発された「大和ルージュ®」は赤い実をつけるとうもろこしだ。
見た目のインパクトもあり、注目を集めている。山梨県初の大和ルージュ®を栽培した「浅田農園」の代表・浅田一男さんは、以前は観光バスの運転手をしていた。ひざにケガを負ったことで退職してリハビリ生活を送っていたが、その時期に奥さんの実家の畑を手伝ったのが、農業の楽しさに気づいたきっかけだったという。
「義父が病気を患って、畑の世話ができなくなってしまったんです。畑を見て寂しそうにしている姿を見て、私が義父の代わりに世話をすることにしました。収穫した野菜がうまかったと言われたのは、うれしかったです」
その後、農業を始めることを思い立った浅田さんは、農園の売りになる作物を探していた。そうして見つけたのが、赤いとうもろこし大和ルージュ®だ。ポリフェノールの一種アントシアニンを多く含み、その量はいちごの約2.5倍。アンチエイジング効果も期待されている。また、柔らかな甘みとモチっとした食感が特徴だ。
大和ルージュ®のおいしい食べ方について、浅田さんに聞いた。
「アントシアニンは水溶性なのでその特性を活かし、とうもろこしの粒と芯をお米に入れて炊くと、ほんのり赤い色がついた炊き込みご飯になります。また、赤い色のコーンスープもおすすめです。そのまま食べたいときは、薄皮を2〜3枚残して食品用ラップでとうもろこしを巻いて電子レンジ600Wで3分加熱すると旨みが逃げません。ゆでると赤い色が溶け出してしまうので、必ず電子レンジで加熱してください」とのこと。富士山の湧水で育てた、注目の赤いとうもろこし大和ルージュ®を、ぜひ味わっていただきたい。
有機肥料を使用!栽培法にこだわった桃3種
都留市ではまちの新たな特産品づくりを目指して、果樹の栽培に力を入れている。「あんだーそん農園」代表・鈴木 誠さんも、都留市からの誘いで桃の栽培を始めた一人だ。
鈴木さんは桃の他にもシャインマスカットやピオーネ、米などの栽培を行っているが、当初は桃の栽培に戸惑いもあったという。
「同じ果樹でも種類が違えば育て方も変わってくるので、栽培がうまくいかないこともありました。一年目は木を害虫や病気から守るための予防のタイミングがずれて、後手後手にまわってしまいました。二年目、三年目と経験を積み、今では臨機応変な対応ができるようになってきています。でも、自分だけでは解決できないことが出てきたときは、市内の農家さんや農務事務所からアドバイスをいただいています」
鈴木さんは、桃の味や大きさ、収穫時期などのバランスを考えて、白鳳、夢みずき、幸茜の3品種を栽培している。桃のおいしさを引き出すため、米の栽培経験も活かしているそうだ。
「うちでは米を有機栽培していて、収穫した米のおいしさが格別なんです。そこで、桃の肥料も有機質のものを使うことにしました。有機肥料を使うと、桃本来の味が引き出されておいしく育ちます。また、富士山の湧水も取り入れています。農作物の栽培においての水の重要性は、米栽培の経験からも重々承知しています。現在、桃畑3ヵ所のうちの1ヵ所で、湧水を使った栽培を行っています。まだ桃の味の変化は感じられませんが、続けることで良い変化が表れればうれしいですね」
桃は冷蔵庫で1時間ほど冷やして食べるのがおいしいとのこと。また、果実が柔らかくなったら、ジャムにするのがおすすめだ。有機肥料使用のこだわりの桃を、ご賞味いただきたい。
SDGsで注目!リユース羽毛を使用した布団
みなさんは、リユース羽毛をご存じだろうか。使わなくなった羽毛をリサイクルして再生した羽毛のことだ。「REREX」社長・佐藤俊邦さんは、世界的な羽毛の原料不足を危惧し、2017年に会社を設立。羽毛の再生とリユース羽毛を使った布団の生産に取り組んでいる。紹介する返礼品は、「リユース羽毛の掛け布団」と「リユース羽毛こたつ布団」だ。
二品のうちこちらの掛け布団は、チャリティ募金の対象品で、途上国の子どもたちのワクチン接種に役立てられている。
羽毛の寿命は50年とも100年ともいわれているが、日本ではこれまで、使わなくなった羽毛は焼却されることがほとんどだった。
「使わなくなった羽毛であっても、リユースすればまだまだ使えます。羽毛の安定した供給には、リユースが重要なのです。そこで、わが社では羽毛を回収、選別、洗浄を行い、リユース羽毛としてリサイクルしています。衛生面についてですが、わが社では汲み上げた地下水で丁寧に羽毛を磨いているので、安心してご使用いただけます」
リユース羽毛を使用した寝具は日本ではあまり知られていないが、海外の認知度は高いと佐藤さんは言う。
「ヨーロッパでは、リユース羽毛の寝具を使うことは社会貢献と考えられています。そのため、かなりのシェアがあります。それに対して日本は、羽毛を100%輸入に頼っているにもかかわらず、使い捨て、焼却するのが当たり前で、リユース羽毛への認知度が低いのが現状です」。返礼品をきっかけに、保温性が高く環境にも優しいリユース羽毛に、興味を持ってほしい。
心身のリフレッシュに最適!人気の温泉&宿泊施設
都留市を訪れたら、ぜひ寄ってほしい施設がある。「山梨泊まれる温泉 より道の湯」だ。2018年に開業したこの施設は、全国の温泉を対象としたランキングの北陸・甲信越地区で1位を獲得したこともある、注目の温泉&宿泊施設だ。お楽しみのお風呂は、天然温泉の源泉かけ流し。高濃度の炭酸ガスが溶け込んだ、より道の炭酸泉、ジェット噴流、地下から汲み上げた冷水と温泉を混ぜ合わせた温泉水風呂、寝転んで体を休める寝る湯、岩盤浴3種もある。
また、サウナ施設も充実していて、人気のロウリュも楽しめる。
支配人・渡辺和哉さんは、全国各地の温泉施設を徹底的にリサーチし、施設の運営に活かしている。
「これまでに全国100ヵ所以上の温泉施設に足を運びました。参考にできるところは、積極的に取り入れています。施設のコンセプトは、地元や旅行者のみなさんへのサードプレイスの提供です。おかげさまでたくさんの方に足を運んでいただき、良い評価を得ることができています」
お客さまの満足度を得るために、より道の湯では、二つのことを徹底しているのだとか。
「温泉やレストラン、リラクゼーション施設、宿泊施設などのハード面は、うちよりも充実しているところもあると思います。ですから、それ以外のところ、〝清潔〞と〝接客〞、この二つをとにかく徹底しています。お客様に気持ち良く過ごしてもらうのが一番大事なことなので、スタッフにはこの二つを常に心がけるように伝えています」と渡辺さん。
より道の湯の多種多様な温泉とくつろぎの宿泊施設で、のんびり癒しの時間を堪能してほしい。