ラベンダー観光発祥の地として全国的に知られる北海道中富良野町。豊かな自然を活かした「クリーン農業」を展開しており、減農薬・減化学肥料を基本として、安全で良質な農畜産物の生産を行っている。お米、メロン、玉ねぎ、スイートコーン、じゃがいもなどの農作物の他、特別な飼育方法で飼育した「ふらの大地和牛」など、お礼の品もバラエティに富む。

この時期真っ先に紹介したいのは、中富良野産「ななつぼし」の新米。つや・粘り・甘みすべてが一級品で、冷めてもおいしく食べられるのが特徴。前述の通り、化学肥料や化学合成農薬を最小限に抑えて生産された安心・安全なお米だ。最もおいしいこの季節にぜひご賞味いただきたい。

10年前から農業を営む「フラノフィールド」は、有機JAS認定を取得し、農薬・化学肥料を一切使わない野菜の栽培を行っている。代表取締役 相内恭平さんに話をうかがった。

「26年前、幼い頃にアトピー性皮膚炎を患っていた私に『体にいいものを食べさせてあげたい』と両親が一念発起して、東京から北海道に移住して有機農業を始めました。子どもの頃にうちの畑で採れた野菜を食べて、衝撃を受けたことを覚えています。野菜ってこんなにおいしいんだ！って。家業を継いで改めて有機栽培の大変さを実感しています。農薬を使わないから、雑草も全部手作業で除草するんです。苦労は多いけれど、おいしくて体に優しい野菜を作っている、と自信を持って言えますよ」（相内さん）。

十勝岳連峰の麓、「星に手の届く丘キャンプ場」に併設されたレストラン「ひつじの丘」。羊肉の中でも最高ランクのサフォーク羊やミルクラムのジンギスカンを提供しており、過去にはミシュランガイドに2度掲載された実績を持つ。平日でも絶え間なくお客さんが来店、週末やラベンダーのシーズンは2時間待ちも珍しくない。

「最高品質のサフォーク肉の中でも、鮮度が高く臭みのないものだけを厳選して提供しています。仕入れた肉の中で、少しでも臭みのあるものは焼いて食べたときに味に出てしまうから、絶対にお店で出しません。出す肉は鮮度がいいもの、味がいいものだけ。お礼の品では、できるだけドリップが出ないように、新鮮な状態で急速冷凍をかけて発送します」（ひつじの丘 前川泰揮さん）

秋からは、北海道産サウスダウン種のジンギスカンもお礼の品に登場。通常はラムステーキとして使われる羊肉で、大変希少なものだとか。「お礼の品も間違いなくおいしいですが、お店で食べる味は格別です。北海道旅行の際にはぜひご来店ください」（前川さん）。

 広大な畑の中に佇む一軒の民家。ここに小さなバウムクーヘン工房「バウムクーヘンのHASEGAWA」がある。店主は元「バウムクーヘンオーブンの製造職人」だというから驚きだ。

「長年バウムクーヘンの機械を製造しているうちに、自分でも焼きたくなっちゃって。大好きな北海道に移住して、バウムクーヘン作りをはじめました。原材料はできるだけ北海道産、生地は昔ながらの配合で乳化剤やショートニングは使用せず、1本ずつ丁寧に手掛けして焼いていきます。とても手間がかかるやり方で、量産はできませんが『おいしいな』『また食べたいな』と言ってもらえるバウムクーヘン作りを心がけています」と「バウムクーヘンのHASEGAWA」の長谷川明男さん。

しっとりとした食感、丁寧に重なった年輪、ほっとするちょうどよい甘さ。長谷川さんの素敵な人柄がそのまま表現されたような味わいのバウムクーヘンを、たくさんの人に知ってもらいたい。