北海道の東側にある北見市は、オホーツク圏最大の都市。北見・端野・常呂・留辺蘂と、個性あふれる四つのエリアからなり、広大な土地を活かした農業が盛んで、生産量全国一位を誇る玉ネギで有名だ。

また人口一人当たりの焼肉店の数が北海道内で一番多いことから「焼肉のまち」としても知られ、例年2月上旬の夜、寒空の下に七輪を並べ、極寒の中で大勢が焼肉を楽しむ「北見厳寒の焼き肉まつり」がメディアで取り上げられたのをきっかけに全国的にも知られるところとなった。始まりは昭和20年代半ば、屠畜場がある地域柄、新鮮な肉が手に入りやすかったことから安価な豚ホルモンなど内臓肉を食べる文化が根付き、当時の国鉄職員や地域で働く人々に愛され、今へと続いている。

果物や玉ネギなどを使用した加熱処理をしていない「生ダレ」を付けて食べるのが北見流。深夜まで営業している店も多いので、ぜひ一度お試しいただきたい。北見市では現地でふるさと納税をすることで電子クーポンがもらえる「旅先納税」も好評。独自の文化に触れながら地域の応援をするのはいかがだろうか。

常呂エリアは「ホタテ王国」と称されるほどに生産量・品質ともに国内トップクラスのホタテの産地。その背景にはホタテ養殖発祥の地として「ホタテを育てて守る」ことを大切にしてきた歴史がある。1933年より漁業者の試行錯誤が始まり、約40年の時間をかけ、安定した漁獲量を確保できるようになった。サロマ湖内でホタテの稚貝を1年間育てた後、オホーツク海に地まき放流する。豊富なプランクトンを餌にしながら3年以上かけて成長し、より自然に近い厳しい環境で育むことにより身は引き締まり、独特の食感と強い旨み、甘みが生まれる。「常呂漁業協同組合」では漁場を四つの区画に分け、稚貝を1年ごとに海区をずらしながら放流。水揚げのタイミングをずらすことで小さなホタテの乱獲を防ぎ、資源管理を徹底している。水揚げされたホタテは新鮮なうちに水産加工施設へと運ばれ、貝殻を外して急速冷凍されるため、解凍しても鮮度そのままのプリッとした口当たりを楽しめる。

北海道各地の新鮮な海産物を仕入れて加工・販売する「海鵬フーズ」はカニの仕入れからスタートした会社だ。自身が実食してみて本当においしいものだけを仕入れ、豊かな経験と妥協のない品質管理で地域でも愛され続けている。特に人気なのが「生冷本ズワイガニ」。身入りのよいズワイガニはカット済みで殻むきの手間もなく、付属の昆布で出汁をとって好みの野菜と煮込むだけでカニ鍋が完成する。贅沢に天ぷらやバター焼きでもおいしくいただける。「生でも食べられるほど新鮮なカニなので、むき身の甘さをダイレクトに楽しめる、しゃぶしゃぶもおすすめです」と代表の紺野幸浩さん。

半日冷蔵庫で解凍するだけで手間をかけずに味わえる「贅沢海鮮丼」も好評。彩りも鮮やかな海鮮パックは、炊きたてのごはんを用意するだけで楽しめるとあって忙しい人にもおすすめだ。

また同社の「北海道産開きほっけ」はシンプルに塩で味を付け、脂の乗りやサイズによって塩の加減を調整している。「あえて干さずに仕上げることで、焼いたときのふっくら感やジューシーさがよりお楽しみいただけます。

身がしっとりしているので、北海道の郷土料理、ちゃんちゃん焼きにして食べるというスタッフもいます。返礼品に対して温かいお手紙をいただくこともあり、スタッフ一同、とても励みになっています」（紺野さん）

玉ネギは寒さに強い作物で、北見特有の昼夜の寒暖差が品質のよいものを育むことから、現在も多くの農家が栽培している。その一つが「中村農産」だ。

機械で畑から根を切り離し、玉ネギをそのまま天日で乾燥させた後、専用コンテナでしっかり乾燥させる。そうすることで日持ちや食感がよくなり、旨みも濃縮するのだという。収穫後は畑に堆肥や牛糞、灰にした玉ネギの葉などをすき込んで翌年に備える。返礼品は玉ネギのほか、ジャガイモとのセットもあり、北見の風土を自宅でも楽しめる。

「オホーツクビール」は1994年に日本で初めてビール製造免許を取得した、クラフトビールの先駆け。市内には醸造所に併設されたレストランもあり、地域の人に親しまれている。製造したビールの約9割が地元で消費されているというから驚きだ。

麦芽100%のオールモルトの本格生ビールで力強さを感じさせながらも、飲みやすいのが魅力だ。また品質を最重視していることから、あえて大量生産は行っていない。今回は新しくノンアルコールビールも返礼品として登場し、こちらも副原料や炭酸以外の添加物を一切使用せずに造ったこだわりの味。雑味のないスッキリ感で、健康志向の人にもおすすめだ。

酪農も盛んな北見エリアでは、川へ流出する牛の尿が長く問題とされてきた。それに価値を見出したのが「環境大善」だ。牛の尿を微生物の力で発酵させることにより無害化し、さらに消臭効果があることを発見し、消臭液や土壌改良材へとアップサイクルさせることで循環型の製品を誕生させた。

製品はすべてのニオイを消すわけではなく、「嫌なニオイ」にだけ作用し、消臭してくれるのが大きなポイント。

ペットや子どもがいる家庭、介護の現場など安全性の高い消臭はあらゆる場面で必要不可欠。特に夏の湿度が高い地域ではニオイに対して問題を抱えていることが多い。災害時避難所や仮設トイレへの消臭液としても活用されている。

もう一社、注文住宅などを建設している「やの組」が、そのノウハウを活かして、2023年より本格的に家具の製造を始動した。

これまで活用のしづらさなどから見過ごされてきた節のある木材などを使い、個々の素材が持つ魅力に光を当ててヴィンテージになりうるクオリティを追求した。

すべての家具にナンバリングしているのは同じモデルであっても使用する木材により、同一のものが存在しないためだ。返礼品ではダイニングテーブルとチェアをセットにし、リペアしながら長く愛せる逸品を届けてくれる。