香川県の中央に位置する高松市。北は多島美を誇る穏やかな瀬戸内海に面し、南には雄大な讃岐山脈を望む風光明媚なまちだ。まち自慢の特産品といえば「讃岐うどん」は欠かせない。とりわけ「うどん県」香川の中でも高松市は、店舗数・うどん用小麦粉使用量・支出金額が日本一だ（「香川県統計情報データベース」参照）。
今回ご紹介するのは「山田家特製冷凍讃岐うどん個食鍋」。製粉メーカーと共同開発した特製小麦粉を使用し、古来より伝わる足踏み・手打ち・包丁切りで仕上げた麺は、しなやかでありながらもっちりとした弾力が特徴。厳選した昆布やカツオなどでとったまろやかな出汁と相まって、至極の味わいを醸す。多い日で1日4000人が行列を作る讃岐うどんの老舗「山田家」の味を、ご家庭でぜひ。

高松グルメは、うどんだけにとどまらない。小豆島の特産であるオリーブの絞りかすを飼料として与え、育て上げた「オリーブ牛」もその一つ。正式には讃岐牛といい、オリーブに豊富に含まれるオレイン酸により、一般的なブランド牛と比べて旨み成分が多く、コクがあるのにさっぱりとした味わいと、やわらかい肉質が評判だ。一口含めばジュワーっと肉汁が溢れ出し、豊かな風味が口の中いっぱいに広がっていく。ここは、素材そのものの味わいが楽しめるステーキで堪能したい。
「さぬきひめいちご」は、2005（平成17）年に開発された香川県のオリジナル品種。大正期より続く、いちご栽培の歴史から培った、同県の技術の賜物だ。キラキラと鮮やかな紅色をした大粒の果肉は柔らかく、ジューシーで甘みが強い。まるっとした愛らしい形で、幅広い世代から愛されている。

最後にご紹介したいのが、同市北東部庵治地方にだけ産出される「庵治石」だ。キメの細かさや光沢、重厚感に優れ「花崗岩のダイヤモンド」とも呼ばれる最高級石材。石を構成する鉱物の結晶が極めて小さいため硬度が高く、細やかな細工も可能にする。「スケールモデルカー」は、そんな庵治石の魅力を存分に楽しめる返礼品だ。細工を施すのは、石工職人の岡田昌臣さん。1級石材施工技能士であり、市内で三代続く石材加工会社の代表。技能五輪全国大会及び技能グランプリの石工部門で優勝した経験を持つ、知る人ぞ知る石材界のホープである。
「一つの石から手作業で切り出して、お好きな車種を再現します。石工の技術上、左右対称に加工することは難しいことですが、岡田さんはその技術を持つ数少ない職人の一人です」（高松市牟礼庵治商工会・平田展さん）。岡田さんも参加し、庵治石の新たな魅力を発信している石の生活雑貨プロダクト「AJI PROJECT」では、アクセサリー置きなども展開。ひんやりと心地よい温度や質感を、実際に手で触れて感じてみてほしい。世界に誇る銘石たるゆえんが分かるだろう。