総力取材記事

北海道の「鮭の聖地」へようこそ!新巻鮭にイクラ、伝統製法の鮭節自然を楽しむ体験プログラムも

北海道の「鮭の聖地」へようこそ!新巻鮭にイクラ、伝統製法の鮭節自然を楽しむ体験プログラムも

日本遺産に認定された、鮭をめぐる人々の歴史

強い沿岸流が運ぶ砂礫の堆積が生み出した日本最大の砂嘴(さし)「野付半島」

北海道の東側、根室海峡沿岸の中部に位置する標津町は、日本有数の鮭の出荷量を誇る漁業のまちである。この地では1万年も昔から鮭漁が営まれ、人々の暮らしを支えてきた。町内を流れるポー川の流域では4400を超える竪穴住居跡が残されており、その遺跡からは多量の鮭の骨が見つかっている。この発掘結果は1万年以上前から17世紀に至るまで、毎年秋になると鮭を求めて人々がこの地に集まり生活していたことを示している。さらに江戸時代には和人によって鮭漁の漁場が拓かれ、全国へ出荷されるようになった。鮭をめぐるこれらの歴史物語は「『鮭の聖地』の物語〜根室海峡一万年の道程〜」として2020年の6月、「日本遺産」に認定されている。

標津町を訪れた際にぜひ立ち寄ってもらいたいのが、前述の竪穴式住居跡「伊茶仁カリカリウス遺跡」がある「ポー川史跡自然公園」だ。天然記念物に指定された標津湿原を1時間半ほど歩くと、ミズナラの木が生い茂る森の中にひっそりと遺跡が佇む。一部に復元された住居もあり、まるで古代にタイムスリップしたかのような気分を味わえる。敷地内の歴史民俗資料館には貴重な歴史的資料や道具類、剥製などが展示されており、見応え満載。

7~12月にかけて産卵のために沿岸に戻ってきた秋鮭の水揚げの様子
緑深い森の中に佇む「伊茶仁カリカリウス遺跡」の復元住居。まだ埋まったままの遺跡も多いのだとか
ポー川史跡自然公園内の歴史民俗資料館。
遺跡に関する資料や幕末の標津の様子を描いた屏風絵など、見応えのある資料が展示されている

新鮮でおいしい鮭・イクラ高級料亭で使われる鮭節

標津町が「鮭の聖地」と言われる所以を知ってもらったところで、いよいよ特産品としての鮭を紹介したい。標津町近海で水揚げされた魚介類の加工・販売を手がける「北海永徳」の「新巻鮭」は、新鮮で脂がのっていておいしい。輸入もののサーモンと比較すると、脂がしつこくなくて上品な味わいだ。また、秋鮭よりも早い時期に獲れる「時鮭」は、さらに脂のりがよく身はふわっとやわらかでおいしい。返礼品の「時鮭半身切身」は、品質と鮮度を保つために魚が生きているうちに血液を抜く「活締め」を行っているので、旨みが逃げず鮮度も大変よい。そのため冷凍した鮭を凍ったまま食べる北海道の郷土料理「ルイベ」などでも楽しめる。ホイル焼きやムニエル、炊き込みご飯もおすすめだ。間違いなく鮭のイメージが大きく変わる逸品をぜひご賞味いただきたい。

時鮭半身切身(約1kg)
「最新の冷凍技術で瞬間冷凍した新鮮&大粒のホタテや、獲れたての秋鮭から作ったイクラの醤油漬けもぜひご賞味ください」(北海永徳代表永田雄司さん)
新鮮な鮭の卵を自家製醤油ダレに漬け込んだイクラの醤油漬け
町内の郷土料理「武田」の看板商品「しべつ鮭三代漬け丼」は、鮭・イクラ・鮭節・ホタテがのった豪華な丼

逸品といえば、料理好きや美食家の間でよく知られる「鮭節」もまちが誇る名産品だ。「知床標津マルワ食品」の「手火山造り鮭ぶし華ふぶき」は、昔ながらの伝統的な製法「手火山造り」によって作られる。3枚おろしにした鮭を直火で燻煙→休ませる→また燻す……という工程を1ヵ月間繰り返し、さらに1ヵ月かけて熟成させる大変な手間と時間がかかる製法で、現在この方法で削り節を作っている工場は数えるほどしかない。また、自然の恵みを無駄なく大切に使いたいという思いから、原料には以前は廃棄処分になってしまっていた鮭「ホッチャレ」を有効活用している。

「手火山造りにこだわった理由は、本物を追求したかったから。それに、伝統的な製法を絶やしてはいけないと思ったんです。手間がかかる方法だから人手が必要になり、地域の雇用も創出できる。地域に雇用を生み出して、人口減少に歯止めをかけたいという思いがありました」(代表取締役田村正範さん)。

鮭節の味は驚くほど品がよく優しい。鰹節と比べて魚の味の主張は控えめに、素材を活かす旨みと甘みはたっぷりで香りもよい。繊細な和食によく合うため、京都の高級料亭でも使用されているとか。返礼品では鮭節の他、鮭節しょうゆと便利な出汁パック、標津産の蕎麦、鮭節つゆがセットになっている。贈答品にもおすすめだ。

同社では鮭節だけでなく、蕎麦づくりも行っている。セットの蕎麦つゆにはもちろん鮭節を使用。鮭節は蕎麦にもよく合うのだ
「うちの鮭節は出汁を取っても、そのまま食べても味がいい。冷奴にのせてもいいし、おにぎりにしたらおいしくて何個でも食べられるよ!」(マルワ食品代表田村正範さん)

1万年前に思いを馳せて、カヌーでポー川を下ろう

木々の間をくぐってカヌーを漕ぎ進む。現地のベテランガイドが乗り方を丁寧に教えてくれるので、初心者でも安心。忠類川でのサーモンフィッシングではシロザケやカラフトマスを釣り上げる

「日本で最も美しい村」連合に加盟する標津町は、海・山・川・大平原という北海道らしい風景がそろった自然の宝庫。この大自然をめいっぱい楽しめるアクティビティがたくさん用意されている。「原始河川ポー川カヌー体験」は、ポー川の上流からカヌーで川下りをする体験プログラム。かつてここの遺跡を残した人々もポー川で丸木舟を使って移動していたと考えられている。遠い昔に思いを馳せながら、雄大な自然風景を堪能しよう。返礼品で申し込むことができる「貸し切りクルーズ体験」は、船1隻を貸し切ってクルーズを楽しめるプログラム。ホエールウォッチングや海釣り、「北方領土(国後島)を見たい」など要望に合わせて船を出してもらえる。他にも「忠類川サーモンフィッシング」やイワナやヤマメが釣れる「渓流釣り」、忠類川に鮭が遡上する様子を見られる「秋鮭の遡上ウォッチング」といったアウトドア系の体験に加え、「いくらづくり」や「新巻鮭づくり」など様々なプログラムが用意されている。ぜひ標津町を訪れて参加してもらいたい。

「今後も新たな体験プログラムを追加していく予定です。アクティビティを楽しみながら、地元ガイドとの交流も楽しんでもらいたいですね」(エコ・ツーリズム交流推進協議会会長井南進さん)
家族や会社でクルーズ船を貸し切って、大海原を開放的な気分でクルージングしよう。船上で釣りを楽しみたい人のために、貸し出し用の釣り竿も用意されている

「鮭の聖地」を知る上でもう一ヵ所重要な施設がある。鮭の水族館・博物館であり、研究施設としての役割も担う「標津サーモン科学館」だ。館内の水槽に18種30種類以上の鮭科魚類を展示。また、標津川とつながる魚道水槽も設置しており、9〜10月には鮭の遡上を、11月には貴重な産卵シーンを間近で見られる。

標津観光のための宿泊施設も紹介しておこう。素材の味を活かした海鮮料理と源泉かけ流しの天然温泉が魅力の「ホテル川畑」は、大正時代から続く歴史ある宿で、平成3年に温泉を掘って以降は、観光客のほか日帰り入浴を楽しむ地元の人で賑わっている。温泉は湯量が豊富なことに加え、弱アルカリ性の泉質でお肌がツルツルになると評判。料理は鮭、ホタテ、エビ、カニなどの海鮮や町内で生産された「標津牛」など、その時期に一番おいしい地元の食材を使用。鮭の珍味「氷頭生酢(鼻柱軟骨)」「めふん(腎臓塩辛)」「ちゅう(胃袋)」も鮭の聖地ならではの郷土料理だ。返礼品の一泊二食付き宿泊券を利用して、ゆっくり温泉につかり、標津グルメを堪能しよう。

標津や道東近海で獲れる魚介類をメインに、郷土料理の数々が提供される
女湯、男湯それぞれに趣豊かな露天風呂がある(写真は女湯)
静かでゆっくりとした時間を過ごせる客室

結着剤・保存料未使用100%ポークの豚肉加工品

最後に紹介するのは、昔ながらの製法で作られた「知床興農ファーム」のハム&ソーセージ。一般的にハムやソーセージを製造する際は、形状を保ち食感をよくするために結着剤という添加物を加えるのだが、知床興農ファームではこれを一切使用せず、香辛料のみで仕上げている。肉になってから加工するまでの時間を短縮し、まだ肉の温度が高いうちに練り込むことで肉自体の粘りをうまく引き出せるのだとか。この製造方法は、ドイツのマイスター直伝。原料となる豚は広い敷地で放牧飼育し、餌料にはほぼ100%国産の原料を使用している。

「味はいくらでも添加物でごまかせるけど、品質は絶対にごまかせないんですよね。その点、うちのハム・ソーセージは品質に絶対の自信があります。結着剤や保存料などの添加物を一切使用していないので、化学物質アレルギーの方にも安心して食べていただけますし、添加物の濃い味付けではなく、肉そのもののおいしさをストレートに感じられます」(知床興農ファーム伊藤茂敏さん)。

返礼品では北海道を代表する山菜・行者にんにく入りなど数種類のソーセージとロースハム、ベーコンブロック、骨付きフランクが詰め合わせになっている。もちろん、すべての加工品が無添加・無着色。噛むほどに旨みを感じられるハム・ソーセージをご家庭でじっくり味わってほしい。

本場ドイツの味を継承した、安心・安全なハム・ソーセージ。贈答品にもおすすめ
広い放牧地でノンストレスでのびのびと育つ豚
保存料や発色剤などの添加物は一切使用せず、香辛料や他の材料は有機栽培にこだわっている

標津町のお礼の品のクチコミ

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自治体情報

北海道標津町(しべつちょう)

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