北海道西部、積丹半島の付け根に位置する岩内町。日本海に面したこの港町は、スケトウダラ延縄漁業発祥の地であり、かつては100艘以上の漁船が並ぶ光景も見られたという。現在は1艘にまで減少したが、鮮度を重視する一本釣りの漁法は今も受け継がれている。

三代続く「カクイチ佐々木商店」では、良質なスケトウダラの卵を用いて、昔ながらの製法でたらこを製造している。腹を割いて卵を取り出す作業はすべて手作業。選別された卵は、20分おきに半回転させる漬け込み機に入れ、半日かけて丁寧に調味される。

鮮度が高ければ高いほど、調味液を吸いすぎることなく粒が立ち、なめらかな食感に仕上がる。ふるさと納税では、上質なたらこに加え、若い世代にも手に取ってもらいたいという想いから開発された、チューブ型の「ちょこんとたらこ」もお礼の品として展開。

ゆずや山わさび、醤油南蛮など個性豊かな6種がそろい、風味の違いを楽しめる。ご飯にのせるのはもちろん、パスタやピザ、たこ焼きにも使え、手軽にアレンジできるのもうれしい。

スケトウダラ漁が盛んになる以前、岩内町ではニシン漁が盛んだった。そうした歴史を背景に、水産加工会社「カリフッド」は、全国の大手量販店にむけて塩数の子、味つけ数の子を製造、出荷している道内でも有数の企業だ。

同社は今年から味つけ数の子に力を入れている。原材料には厳選したニシンの卵を使用。肉厚で歯ごたえのよい数の子をかつおの一番だしを使ったたれにつけている。甘すぎず、塩からすぎず家庭で作るような自然な味わい、おいしさを再現している。実際に製造にあたる女性社員さんが自信をもってすすめる商品だ。

数の子はプリン体が少なく、EPAやDHAといったオメガ3脂肪酸を多く含んでおり、健康的な食品としても注目されている。

「『まちを応援したい』という気持ちで、ふるさと納税をしてくれる寄付者に、妥協のない商品を届けたい」と井出敬也社長。おいしさを追求しながら、地域の資源を活かし、岩内町の魅力を全国へと届ける挑戦はこれからも続く。

岩内町では、海洋深層水の取水・活用も行われている。清浄で低温、安定した水質をもつ岩内の海洋深層水は、スキンケアブランド「meeth」の化粧水の原料にも採用されている。「スキンケアは、水。直接肌にふれるものだからこそ、世界一きれいだと信じられる水を使いたい」。そんな朴社長の想いから日本中の水を探し歩き、たどり着いたのが岩内の海洋深層水だったとか。水深320mからくみ上げられるこの水は、㏗6.5の弱酸性。肌に近い性質を持ち、浸透力や保水力にもすぐれていることから、肌本来の力を引き出す水として選ばれた。岩内町の自然が育んだ、確かな品質の品々。その魅力をぜひ手に取って確かめてみてほしい。