ふるさと納税の仕組みがばっちりわかる!今さら聞けない「ふるさと納税って何?」

ふるさと納税の仕組みや手続きなどを詳しく解説します!
ふるさと納税の由来や制度の詳細、税金の控除について、魅力と条件など、ここをみればふるさと納税についてばっちり理解できます。
想像しているよりもずっと簡単でメリットのたくさんある制度なので、ぜひご利用ください。

目次

ふるさと納税の由来

ふるさと納税とは、寄付金税制のひとつです。
「地方の人口減や東京一極集中を解消し、地方を活性化する」という地方創生を主な目的として、2008年(平成20年)にスタートしました。

地方で生まれた人は、地元の自治体からさまざまな行政サービスを受けて育ちます。しかし、納税する年齢になると都市部へ働きに出てしまい、地元から離れた場所で生活するケースが多く存在します。
税金は「現在住んでいる自治体」に納めるため、「ふるさと」と呼べる生まれ育った地域では「人口減少に伴う税収の減少」「都市部と地方の地域格差」が生まれ、問題になりました。

これらを解消するための方策として、現在の居住地以外に寄付ができる仕組み「ふるさと納税」が創設されたのです。

ふるさと納税の仕組みとは?どんな制度?

ふるさと納税は、「納税」と名が付いていますが、実際には「寄付」です。

「寄付」とは、「個人や団体に対して金銭や財産などを無償で提供する」こと。
「税金は居住地域に納めなければいけない。でも、少しでも自分のふるさとや別の自治体に納税したい」
そんな思いを実現するために、「寄付」の形をとっているのです。

ふるさと納税は寄付にあたるため、寄付金控除が適用され、所得税・住民税から税額控除を受けられます。
控除額は、原則として「ふるさと納税を行った合計金額-2,000円」です。
さらに、寄付をした自治体からお礼として、その地域の特産品などが贈られます。
そのため、「自己負担額2,000円で税金が控除され、返礼品を受け取れる魅力的な制度」と言われているのです。

ふるさと納税をしなかった場合

ふるさと納税をしなかった場合

ふるさと納税をした場合

ふるさと納税をした場合

ふるさと納税を行った時のお金の流れ

ふるさと納税を行った時のお金の流れ

任意の自治体に50,000円分ふるさと納税すると、控除額は以下のようになります。

寄付金額50,000円-自己負担額2,000円=控除額48,000円

48,000円分の税金が控除され、さらに居住地以外の自治体に寄付をした場合は返礼品が受け取れます。
返礼品の金額は「寄付金額の3割以内」と定められているため、この場合は15,000円相当以下のものになります。
つまり、「自己負担額2,000円で最大15,000円相当の返礼品が受け取れる」のです。

ココに注意!ふるさと納税は節税ではない

ふるさと納税を行うと税金から控除・還付が受けられるため、節税対策として利用できると考える方がいるかもしれません。
しかし、ふるさと納税をしても本来支払うべき税金の額は変わらないため、納めるべき税金の額を減らす「節税」にはならないのです。

税金から控除・還付される金額+2,000円を前年度に払って(寄付して)いるので、「税金の前払い」という言い方もできるでしょう。

ふるさと納税して税金が控除されるってどういうこと?

ふるさと納税をして控除を受けるための手続きの方法は2つあります。確定申告を行う方法とワンストップ特例制度を利用する方法です。
手続き方法によって控除のされ方は以下の通り異なりますが、控除される全体の額はほぼ同額です。

【確定申告を行う】所得税から還付金+住民税から税額控除
【ワンストップ特例制度を利用する】全額が住民税から税額控除

確定申告をした場合のふるさと納税の控除は、以下のタイミングで行われます。

ふるさと納税の控除の流れ 確定申告をした場合

ワンストップ特例制度を利用した場合は、全額が翌年の住民税から控除されます。

具体的な控除の割合は、以下の図をご覧ください。

ふるさと納税の控除の割合 確定申告をした場合

なお、「多額のふるさと納税を行えば全額が控除される」わけではなく、収入や家族構成によってその上限額は決められています。
ご自身の寄付上限金額を確認するには、こちらの早見表が便利です。

詳しい金額が知りたい場合は、お近くの税理士さんへのご相談や自治体へ直接ご相談ください。

控除額の計算式は、以下の通りです。

所得税からの控除額

所得税の控除(還付)額は、以下の計算式で決まります。
所得税からの控除額=(ふるさと納税額-2,000円)×「所得税率(0~45%)」
※所得税率は、実際には令和19年まで復興特別所得税として所得税率×1.021で計算されます。

所得税率は課税所得金額によって割合が決まっており、課税所得金額が多いほど税率も高くなります。
課税所得とは、収入から必要経費や各種所得控除を引いた金額のことです。
また、対象となるふるさと納税の寄付金額は、総所得金額の40%が上限と決められています。

例えば、ふるさと納税を6万円分行った方で所得税率が10%の場合、計算式と控除額は以下のようになります。
計算式:(6万円-2,000円)×10%×1.021=5,921円
控除額:5,921円

住民税からの控除額

住民税からの控除額は、基本分と特例分の2種類があり、その合計額です。
また、控除の対象となるふるさと納税額は、総所得金額等の30%が上限と決められています。

基本分

住民税からの控除(基本分)=(ふるさと納税額-2,000円)×10%

ふるさと納税を6万円分行った人の場合、計算式と基本分控除額は以下のようになります。
計算式:(60,000円-2,000円)×10%=5,800円
基本分控除額:5,800円

特例分

特例分は、計算結果によって2つのケースに分けられます。

【計算式①】

住民税からの控除(特例分)=(ふるさと納税額-2,000円)×(100%-10%(基本分)-所得税率)

計算式内の「所得税率」は所得税の控除額を計算する際にも使われますが、それとは数値が異なる場合があります。
また所得税率は、実際には令和19年まで復興特別所得税として所得税率×1.021で計算されます。

基本分同様、ふるさと納税を6万円分行った人の場合、計算式と特例分控除額は以下のようになります。
計算式:(60,000円-2,000円)×(100%-10%-10%×1.021)=46,278円
控除額:46,278円

上記計算式①の計算結果が住民税所得割額の2割を超える場合は、次の計算式②が適用されます。

【計算式②】

住民税からの控除(特例分)=(住民税所得割額)×20%

住民税所得割額とは、所得に応じて住民税に課税される金額のことで、目安は「課税所得×10%」です。

ココに注意!控除には限度額がある

ふるさと納税で行った寄付に対して全額寄付金控除を受けるには、限度額を超えないように注意する必要があります。

ふるさと納税の控除限度額

控除限度額はサイトによって「控除上限額」「年間上限」とも言われています。

限度額は収入や家族構成などによって異なります。また、控除される税金にも上限が定められています。

【所得税からの控除】総所得金額等の40%
【住民税からの控除】総所得金額等の30%

控除限度額を超えた分は自己負担になるため、ふるさと納税を行う前に自分の控除限度額をしっかり確認しましょう。

当サイトでは、こちらから控除限度額(上限額)のシミュレーションや、限度額の一覧を確認できます。

なお、控除限度額の計算に必要な収入は、ふるさと納税を行う年と同じ年のものです。
今年の収入見込みが不明の場合、確実に得られる収入を元にシミュレーションやふるさと納税を行ってください。
詳しい金額が知りたい場合は、お近くの税理士さんへのご相談や自治体へ直接ご相談ください。

年収や家族構成ごとに、限度額と返礼品について3つのケースをご紹介します。

年収500万円:独身

控除限度額(目安):58,000円
返礼品例:
 ・鍛高譚の梅酒1800ml【2本セット】:14,000円
 ・土佐あかうしハンバーグ5個:6,000円
 ・旅ベーグル(冷凍便)12個セット:11,000円
 ・自社農園産小麦(はるゆたか)のパスタ&うどんセット:15,000円
 ・うなぎの蒲焼き2尾セット:12,000円

年収800万円:夫婦(共働き)

控除限度額(目安):127,000円
返礼品例:
 ・ステーキ磐梯2号店ペア食事券:48,000円
 ・おたる特選ワインセット(白/ロゼ):19,000円
 ・生ずわいがにのしゃぶしゃぶセット:20,000円
 ・【3ヶ月定期便】北海道南るもい産ゆめぴりか(白米)5kg:30,000円
 ・缶deボローニャ6缶セット:10,000円

年収1500万円:夫婦+子供1人(高校生)

控除限度額(目安):359,000円
返礼品例:
 ・パラグライダー遊覧飛行体験コース 3名様:76,000円
 ・近江牛ロースステーキ150g×3枚:35,000円
 ・謹製水たき&博多和牛サーロインのすき焼き 満喫セット:40,000円  ・南国土佐のフルーツ定期便【年5回】:50,000円
 ・【お刺身OK】ズワイガニ ポーション むき爪 カニむき身セット 2kg:64,000円  ・宇治田原玉露と宇治煎茶のお詰合せ ~最高茶師~:40,000円
 ・大穀のうなぎ蒲焼6袋、うなぎの骨唐揚げ2パックセット:36,000円
 ・比内地鶏 きりたんぽ鍋 セット 3人用:18,000円

※こちらに掲載している返礼品は寄付当時のものです。寄付金額が変更されている可能性がありますので予めご了承ください。
※いずれのケースも目安です。詳しい金額を知りたい場合は、お近くの税理士さんや自治体へ直接ご相談ください。

ふるさと納税の魅力

返礼品が受け取れる

ふるさと納税では、寄付を行った自治体から「寄付のお礼」として豪華な返礼品がもらえます。
返礼品の種類は肉や魚介、果物などの食品以外にも、工芸品や宿泊券、観光施設の体験チケットなど、地域の趣向を凝らしたさまざまなものがあります。
寄付金額は数千円からあるので、いろいろな種類の返礼品を楽しむこともできます。

なお、返礼品は義務ではないため、復興支援や災害支援などを目的として返礼品がないものもあります。
また、現居住地に寄付した場合は返礼品がありません。

還元率に関する法改正

2019年6月の法改正で「寄付金額に対する返礼品の金額は3割以下、かつ地場産品」と決められました。
この割合は、「還元率」や「返礼率」と呼ばれています。
「3割」は仕入れ値を基準にしているため、市場価格で計算するともっと還元率の高い返礼品もあります。

税金が控除(還付)される

前項で解説した通り、ふるさと納税を行うと所得税からは還付金が、住民税からは税額控除が受けられます。
ただ税金を払うのではなく、寄付をすることで税金が控除され、さらに返礼品が受け取れるメリットがあります。

寄付をする自治体を選べる

ふるさと納税は、居住地を問わず全国どこの自治体でも寄付ができます。
寄付の理由が問われることはなく、自分のふるさとや被災地など、応援したい自治体を自分で選べます。

寄付金の使い道を指定できる

ふるさと納税では、自分が寄付したお金を何に使ってほしいか指定できます。
各自治体によって、医療や子育て環境の整備、高齢者・障害者支援などの使い方が提示されており、自治体に任せたい場合には、「市長に一任する」方法を選べることが多いです。

ふるさと納税を行う条件

ふるさと納税は誰でもできるわけではなく、以下の条件を満たす必要があります。

所得税や住民税の支払いがある

ふるさと納税では寄付金控除を受けられます。
控除は所得税や住民税から行われるため、これらを支払っていることが条件です。
寄付自体はいくらでもできますが、年収が低いなどの理由で所得税や住民税を支払っていない場合は控除が受けられません。
また、収入や家族構成によって控除を受けられる寄付金の上限が決められています。
上限を超えた分は自己負担となるので、控除を満額受けるためには自分の控除限度額をしっかり確認しましょう。

当サイトでは、こちらから控除限度(上限)額がいくらになるのかシミュレーションできます。

※詳しい金額を知りたい場合は、お近くの税理士さんや自治体へ直接ご相談ください。

寄付金控除を受ける本人の名義で寄付(決済)を行う

寄付をした方と、寄付金控除を申請する方が同一でないと、寄付金控除は受けられません。
申請に必要な寄附金受領証明書などの書類には、寄付を行った人の名前が記載されます。
「妻が行ったふるさと納税の寄附金受領証明書を、夫が確定申告時に提出する」などはできないため、必ず同じ名義で行いましょう。

なお、クレジットカードで寄付金を支払う場合、以下のケースでは家族カードを利用できます。

■寄付申込者:本人名義
■クレジットカード:家族名義
■支払い口座:本人名義

ただし、ふるさと納税のサイトによっては寄付申込者とクレジットカードの名義が異なると決済できないこともあります
基本的には申し込みから支払い・申請まで、同一の名義で行いましょう。

税金の控除を受けるための申請を行う

寄付をすると、その自治体から返礼品とは別に「寄附金受領証明書」が届きます。
この証明書を受け取っただけでは税金の控除は受けられません
確定申告やワンストップ特例制度を利用して申請する必要があります。
当ページ最後に手続き方法について解説していますので、そちらをご確認ください。

ふるさと納税の流れ

ふるさと納税は、たった3ステップでできます!

①返礼品を選ぶ

返礼品は、当サイトのようなふるさと納税ポータルサイトや各自治体のふるさと納税サイトから選べます。
返礼品は寄付金額によって決まっており、「希望の返礼品を選び、指定されている金額を寄付する」形なので、通販サイトに近いですね。
なお、現居住地に寄付をする場合、原則返礼品は受け取れません。

寄付を行う時は、自分の控除限度額を超えないように注意してください。
当サイトでは、こちらから控除限度(上限)額がいくらになるのかシミュレーションできます。

②寄付を申し込む

ふるさと納税はあくまで寄付のため、「寄付を申し込む」「寄付金を納める」という表現になりますが、通販サイトでの「購入」と同じことです。
寄付を申し込んだら、返礼品が届くのを楽しみに待ちましょう。
自治体や返礼品によって返礼品の届く時期は異なり、場合によって1〜2か月かかるものもあります。
なお、控除の手続きに必要な寄附金受領証明書などの書類は返礼品とは別に届くことが多いです。こちらは大切に保管してください。

③税額控除の手続きをする

ふるさと納税による税額控除を受けるためには、自分で申請する必要があります。
寄付をしただけで自動的に控除されるわけではないので、忘れずに申請しましょう。

ふるさと納税の手続き方法

ふるさと納税による寄付金控除を受けるためには、「確定申告」と「ワンストップ特例制度」の2つの手続き方法があります。
どちらでも控除される合計金額は同じですが、対象者や手続きの時期、控除される税金の種類が異なります。
また、ワンストップ特例制度は利用できる対象者が限定されています。
自分が利用できるかどうか、こちらから確認してみましょう。

ワンストップ特例制度を利用する

ワンストップ特例制度を利用すると、確定申告をせずに控除を受けられます。
対象者が限定されますが、この条件を満たせば確定申告よりも手続きは簡単です。
確定申告をしない給与所得者におすすめです。

対象者 ・確定申告や住民税申告をする必要のない、給与所得者等
・年間の寄付先が5自治体以内
※同じ自治体に複数寄付しても1自治体として数えます
手続きの時期 ふるさと納税を行った翌年の1月10日自治体必着で書類を郵送
控除される税金 住民税

【手続き方法】

①ワンストップ特例制度を利用する意思表示

ふるさと納税を申し込む際、サイトの申し込みページで「ワンストップ特例制度を利用する」にチェックを入れます。
これによって、ワンストップ特例制度の申請に必要な書類が送付されます。

②「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」を郵送する

寄付をした自治体から、返礼品とは別に「寄附金受領証明書」「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」が送られます。 このうち、「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」に必要事項を記入し、本人確認書類とともに寄付をした自治体へ郵送します。

なお、一緒に送られる「寄附金受領証明書」は不要ですが、後に確定申告することになった場合は必要になるため、大切に保管してください。 「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」は、寄付をするたびに自治体へ郵送します。

ワンストップ特例制度について、詳しくはこちらをご覧ください。

確定申告をする

寄付をした自治体が多い方や医療費控除などほかの控除を受ける方、個人事業主などは、確定申告を行いましょう。

対象者 ・ふるさと納税以外の確定申告が必要な方
(医療費控除や住宅ローン控除初年分、個人事業主など)
・年間の寄付先が6自治体以上の方
手続きの時期 ふるさと納税を行った翌年の2月16日~3月15日
※ふるさと納税のみで確定申告を行う場合は1月1日から申告可能
控除される税金 所得税・住民税

【手続き方法】

①必要書類を用意する

ふるさと納税を行うと、寄付をした自治体から「寄附金受領証明書」が送られます。
寄付をした回数分、すべての証明書を用意しましょう。

なお、ふるさと納税ニッポンから寄付をすると、当サイトからダウンロードできる「寄附金控除に関する証明書」1枚で済みます。
全寄付分の寄附金受領証明書を用意する手間が省け、とても簡単ですね!

「寄附金控除に関する証明書」について、詳しくはこちらをご覧ください。

そのほか、以下の書類を準備します。

  • 対象期間の源泉徴収票
  • マイナンバー
  • 本人確認書類
②確定申告書を作成する

確定申告の時期が近くなると、国税庁のサイトに「確定申告特集」というページが公開されます。
この特集の「確定申告書等作成コーナー」から簡単に作成できます。

③居住地の税務署に提出する

作成した申告書をプリントアウトし、源泉徴収票、本人確認書類とともに税務署に提出します。
e-tax(電子申告)を利用する場合、プリントアウトは不要です。

確定申告について、詳しくはこちらをご覧ください。

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