関東平野のほぼ中央、茨城県の南西部に位置する八千代町は、広大な田園風景が広がる実りの里。

まちの東部には水田が開け、西部には畑地が連なる。平坦な大地と温暖な気候は、同町に恵みをもたらし、さまざまな農作物を育み、まちの特産品となっている。中でも白菜は生産量日本一、メロンや梨も全国有数の生産量を誇る。そんな同町の返礼品には、｢やちよの宝物｣といえる、まち自慢の品々が並ぶ。今号では、同町人気の返礼品を厳選して、ご紹介しよう。

まずは、天然温泉付きのコテージ｢八千代グリーンビレッジ｣の宿泊券からご紹介する。同施設は、広大な敷地の中に、天然温泉｢やちよ乃湯｣や宿泊コテージ、キャンプ場、農産物直売所、グラウンドゴルフ場、芝生広場などを有する複合施設だ。

キッチン、シャワー完備の宿泊コテージには、広々ダイニングと居心地のよい和室があり、自然を感じながら、ゆったりとくつろげる。

チェックイン時に渡される3000円分のお買物券を使えば、直売所で食材を調達することもできる。｢手ぶらでお泊まりいただける宿泊券です。ご家族やご友人たちと、八千代の自然を満喫しながら、地下1500mから湧き出る天然温泉をお楽しみください｣と話してくれたのは、施設スタッフの杉山美佳さん。

東京から約60㎞と、都心からのアクセスもよい八千代グリーンビレッジで、思う存分、八千代の自然を楽しんでみてはいかがだろうか。

鬼怒川が育んだ肥沃な大地で、手間を惜しまず作られたお米は、格別においしい。｢伊藤米穀｣では、八千代町を中心に、茨城県産の質のよい、おいしいお米を仕入れて販売している。同町返礼品でも同店のお米は大人気で、リピーターの申し込みが絶えないようだ。人気の理由は、その年の新米を精米して、すぐに届けてくれることにある。

五つ星お米マイスターの資格を持つ伊藤米穀社長の伊藤光広さんは、｢お米も農作物ですから鮮度が重要。だから申し込みが入ってすぐに精米して、一番おいしい状態で届くように、できるだけ早く発送しています｣と言う。

全国のお米を食べ尽くした伊藤さんは、｢八千代町産米もそうですが、茨城県産のお米は比較的安価なのに、すごくおいしいのが魅力です｣と話す。伊藤さんお墨付きの新米をぜひとも味わっていただきたい。

茨城といえば、全国有数のイチゴの産地だが、八千代町にもイチゴ狩りができる観光農園がいくつかある。中でも人気なのが、｢ファーム八千代｣だ。約550坪という広いハウス農園では、12月中旬から翌5月末まで、5種類のイチゴを収穫して、その場で食べることができる。

｢うちでは、酸味と甘みのバランスがよい『紅ほっぺ』と、果肉が柔らかく甘みが際立つ『章姫』、香りのよい『かおり野』、甘みの強い白イチゴ『エンジェルエイト』、栽培している農園が少なく、希少な『ソフィア』の5品種のイチゴを食べ比べしながら、イチゴ狩りを楽しめます｣と、園主の青木健太さんは言う。

八千代町のふるさと納税でチケットを申し込んで、その味の違いを楽しんでほしい。

1962年創業の｢いばらき食品工業｣では、茨城名物、干納豆を昔ながらの製法で製造している。｢創業当初から、すべて手作業で仕上げている干納豆です。昔ながらの天日干しですから、お天気次第で乾燥具合を調整したりと、手間暇かけて作っています。そのぶん旨みも栄養価も凝縮していて、おいしいですよ｣と言う社長の小谷野貴徳さん。

同社の干納豆は、固干し仕上げのほか、少し柔らかめの半生タイプがあり、のり入り、七味入りと種類が豊富なのもポイントだ。

地元では、おやつやお茶請けとして出されることの多い干納豆だが、小谷野さんがおすすめする、おいしい食べ方があるそうなのでご紹介しよう。｢『固干し仕上げの元祖ほし納豆』と煮干しを電動ミルなどで粉状にして、熱々ごはんにふりかけて、お好みでしょうゆをたらして召し上がってください｣とのこと。納豆の旨みとコクに煮干しの旨みが加わって、ごはんが何杯もいけるそうなので、ぜひともお試しいただきたい。

八千代町の人気返礼品の中には、商品開発や販売を手がける｢I･H‐Suzuran｣が、規格外の農産物を使って、おいしく生まれ変わらせた品がいくつかある。｢冷凍 焼き芋｣も、そのひとつだ。さらに、2023年秋からは、冷凍 焼き芋を進化させた｢濃厚 焼き芋プリン｣が、新たに返礼品に加わることとなった。｢冷凍でお届けしますので、長期保存が可能です。解凍しても、なめらかな口当たりになるように、こだわり抜いて開発したブリンです。焼き芋の濃厚な甘みと香ばしさが際立っています｣と話すのは、専務の生井英雄さん。

「(訳あり)不揃い 無選別 冷凍 フライド さつまいも｣も同様に、規格外のさつまいもをスティック状にして急速冷凍し、調理素材として活用できるようにした。アレンジ次第で、さまざまな料理に使え、500gの小分けなのも、使い勝手がよくていい。冷凍庫に常備しておきたい品だ。

1948年の創業以来、麺作りにこだわりを持って作り続ける｢ヤマダイ｣の｢凄麺(ノンフライカップ麺)セット｣は、八千代町の返礼品の中でも不動の人気を誇る。

ヤマダイ広報室長の森田佳奈さんは、｢特許製法を使用したノンフライ麺です。通常、麺を蒸すことでゆでた食感を再現することが多いのですが、凄麺では、ラーメン専門店と同じように、実際に麺をゆでることで、コシやなめらかさなど、本格的な味わいを出しています｣と話す。毎日食べても飽きない凄麺を同町のふるさと納税で手に入れてほしい。

八千代町のふるさと納税は、寄付額も年々順調に伸び、｢やちよの宝物｣も多くの人たちに知られるようになっている。これからの八千代町に、ますます目が離せなくなりそうだ。