楽しい×珍しい×美しい、てっぺんのまちは魅力三昧
日本最北端に位置する稚内市。東はオホーツク海、西は日本海に面した国境のまちで、市の北東部に位置する宗谷岬が日本本土のてっぺんにあたる。
日本のてっぺんに位置する宗谷岬。岬の突端に日本最北端の地の碑が立つ。日本最北端到達証明書は周辺の土産店だけで購入可能。てっぺん制覇の記念日時をスタンプしてもらえる
海の向こうわずか43㎞先にはサハリンがあり、天候に恵まれればその島影を望める。宗谷岬のすぐ南は小高い宗谷丘陵で、地球が丸く見えるビュースポットだ。独特の波打つような美しい自然景観は、氷河時代に土が凍結と融解を繰り返すことで生まれた周氷河地形で、北海道遺産に選定されている。この丘陵のゆるやかな起伏を歩きながら、風車群や白い道を巡るフットパス・ウォーキングも大人気だ。
市内には、線路、水族館、日本夜景遺産など、日本のてっぺんがオンパレード。
日本最北端の線路は、なんと駅を突き抜けている。その理由は、駅舎を改築する前の終点場所だから。当時の記憶を残すモニュメントとして設置されている
最北の水族館、ノシャップ寒流水族館わっかりうむ。フウセンウオ、ゴマフアザラシ、ハダカカメガイ(通称クリオネ)など、北の海にすむ生き物が勢ぞろい
しかもそれぞれ最北というに留まらない、楽しいエピソードや珍しいヒストリー、美しいストーリーを有しているのが大きな魅力。他にも、野鳥などの自然観察、建造物や博物館での歴史文化探訪など、多彩な楽しみ方ができるのも稚内だからこそ。
稚内副港市場の2階にある稚内市樺太記念館。貴重な資料をもとに、明治以降の樺太とそこに生きた人々の姿を紹介。入場無料
平均気温は夏が20℃前後と涼しく爽やか、冬は零下5℃前後で白い雪が一面を覆う。四季折々の景色や味わいを、多くの方に体験してほしい。
日本夜景遺産では最北となる、稚内公園の夜景。まちの景色、氷雪の門などのライトアップ、蓄光石が光る歩道など、公園全体がファンタジーの世界のよう
市民が太鼓判を押す老舗から、てっぺんの海の幸をお届け
2つの海に面する魚介の宝庫・稚内、その新鮮な海の幸を扱うのが、創業1940年の魚常明田鮮魚店だ。
稚内副港市場の2階から見た魚常明田鮮魚店。おいしい食材を求める稚内市民でにぎわう
2021年4月に稚内副港市場へ移転した。場を移しても70余年変わることなく確かな品を届け続ける実績が、地元の信頼を獲得。自宅用から贈答品まで、良品を求める人で店は連日、大盛況だ。
同店の推しが「タコしゃぶ」。
衝撃のやわらかさ、タコの甘みがたっぷり。幸せのタレ付き2パック
日本一の漁獲量を誇り宗谷のタコとも呼ばれるミズダコを使った、稚内発祥の郷土料理だ。「出汁にサッとくぐらせば、もう食べ頃。加熱し過ぎないのがポイントです」と三代目社長の明田絵美子さんが教えてくれた。
左から魚常明田鮮魚店の明田絵美子社長、常臣会長、富美子副会長。三本の矢のごとく、支え合い、力を発揮しあって店を切り盛り。信頼の海産物を全国へ送り届ける
店内には水族館の水槽のような生簀があり、中には元気な紅ずわいガニの姿も。
目利き職人が仕入れた新鮮なカニなどを、大きな生簀で管理
その生の風味を堪能できる「紅ずわい棒身」は、刺身、丼や握りのネタの他、しゃぶしゃぶでもうまい。
冷蔵庫で解凍するだけで、生のカニの旨さを堪能できる逸品。寿司やしゃぶしゃぶ、天ぷら、混ぜご飯などアレンジは自由自在
「使う分を冷蔵庫で解凍するだけ。手軽ですよ」と富美子副会長。「帆立生貝柱」の解凍方法も、返礼品に同梱された手書きのカードがあるから安心。
宗谷オホーツク海産の天然帆立。海を自由に動いて育った帆立だから、ひき締まった身が厚く歯応えがある
「他にも多種取りそろえております。旬の魚介をぜひお楽しみください」と、常臣会長が自信たっぷりに締めてくれた。
北海道遺産で育つ宗谷黒牛は、安全安心もてっぺん級
肉は宗谷黒牛100%。他の素材もオール北海道のハンバーグ
次に紹介する品は、日本のてっぺんの肉牛・宗谷黒牛。「宗谷岬牧場」で繁殖から肥育まで一貫生産される高品質な和牛で、稚内ブランド認定品だ。
濃厚な赤身の中に淡泊な脂肪のサシが入った宗谷黒牛のサーロインステーキ
同牧場は、徹底した衛生管理と飼養管理の記録化などに取り組み、国際認証規格「SQF認証」を取得している。
宗谷岬牧場は2019年12月、国際認証規格SQF(Safe Quality Food)最高評価のエクセレントを取得。それに先立ち新保社長はSQFプラクティショナーの有資格者となり、基本行動の確認・実践に尽力
同認証には「農場HACCP」も組み込まれている他、さらに「全農安心システム」を国内第一号で取得。全従業員の理解・実践のもと、安全で安心な肉用牛の生産を行なっている。
同時に循環型の畜産経営を実現。牛の堆肥は圃場へ還元され、圃場で生産された自給粗飼料を牛へ給餌する。施設から出る排水は浄化処理して放水するなど、自然環境の保全にも配慮・尽力。これら努力の結果、放水口周辺では雪解けの進む春にエゾサンショウウオも確認できるそう。「ここは三方を海に囲まれているでしょう。この海を守ることも私たちの使命ですから」と、至極当然のように新保潔社長は語る。
宗谷黒牛を飼養する宗谷岬牧場は、北海道遺産の周氷河地形の美しい丘陵にある。2000ha超の牧場内を縫うように走る公道からは、海をバックに黒毛和牛が牧草を食む絶景が望める
こうした好環境で肥育される宗谷黒牛は、ほどよい霜降りで赤身の旨みをしっかり感じられるのが特徴。
きめ細やかな霜降りと赤身のバランスがとれた宗谷黒牛リブロース。口の中でやわらかくとろける
濃くて甘くて飲みやすい稚内牛乳は人気てっぺん
稚内牛乳を使ったソフトクリームも大人気。市内にある公式ショップなどで食べることができる
緑の大地と冷涼な気候の放牧型酪農から生まれる稚内牛乳には、根強いファンが多い。ノンホモ低温殺菌製法で作っているため、生乳本来の風味や甘みを楽しめる一方、大量生産や長期保存が難しい。地元だけで飲める地域に根ざした牛乳として、愛されている。今回は、その稚内牛乳のおいしさを最大限に活かした「のむヨーグルト」と「アイスクリーム」を紹介する。
原料は、稚内産の生乳と北海道産のビート糖のみ。程よい甘さとさっぱりした後味で、ゴクゴク飲める
のむヨーグルトの特徴は、稚内産生乳と北海道産ビート糖だけで作られていること。そして稚内牛乳と同じく脂肪球を均質化していないこと。ほどよく甘く酸味は控えめなので、「小さなお子さんも、『おいしい』とゴクゴク飲んでくれています。クリーム分が浮いてくるので、よく振ってから蓋を開けて飲んでください」と、稚内牛乳公式ショップの佐々木陽一店長。
「稚内の生産者さんが手塩にかけ飼養している牛から生産された、おいしい稚内牛乳。ぜひご賞味ください」と佐々木さん
アイスクリームは「少し溶かして、かき混ぜながら食べるとミルク風味がアップします」とのこと。カップ4種で気に入った味を、大容量の返礼品でリピートする方もいるそう。
濃くて甘い稚内牛乳の魅力が冴えるアイスクリーム。4種とも、ミルクの風味が楽しめる
シェアして食べられる、アイス好きにうれしい大容量パック
てっぺんのまちが誇る品は、おいしさもてっぺんクラス。食べる笑顔も輝き、てっぺん間違いなし。