楽しい×珍しい×美しい、てっぺんのまちは魅力三昧
日本最北端に位置する稚内市。東はオホーツク海、西は日本海に面した国境のまちで、市の北東部に位置する宗谷岬が日本本土のてっぺんにあたる。
海の向こうわずか43㎞先にはサハリンがあり、天候に恵まれればその島影を望める。宗谷岬のすぐ南は小高い宗谷丘陵で、地球が丸く見えるビュースポットだ。独特の波打つような美しい自然景観は、氷河時代に土が凍結と融解を繰り返すことで生まれた周氷河地形で、北海道遺産に選定されている。この丘陵のゆるやかな起伏を歩きながら、風車群や白い道を巡るフットパス・ウォーキングも大人気だ。
市内には、線路、水族館、日本夜景遺産など、日本のてっぺんがオンパレード。
しかもそれぞれ最北というに留まらない、楽しいエピソードや珍しいヒストリー、美しいストーリーを有しているのが大きな魅力。他にも、野鳥などの自然観察、建造物や博物館での歴史文化探訪など、多彩な楽しみ方ができるのも稚内だからこそ。
平均気温は夏が20℃前後と涼しく爽やか、冬は零下5℃前後で白い雪が一面を覆う。四季折々の景色や味わいを、多くの方に体験してほしい。
市民が太鼓判を押す老舗から、てっぺんの海の幸をお届け
2つの海に面する魚介の宝庫・稚内、その新鮮な海の幸を扱うのが、創業1940年の魚常明田鮮魚店だ。
2021年4月に稚内副港市場へ移転した。場を移しても70余年変わることなく確かな品を届け続ける実績が、地元の信頼を獲得。自宅用から贈答品まで、良品を求める人で店は連日、大盛況だ。
同店の推しが「タコしゃぶ」。
日本一の漁獲量を誇り宗谷のタコとも呼ばれるミズダコを使った、稚内発祥の郷土料理だ。「出汁にサッとくぐらせば、もう食べ頃。加熱し過ぎないのがポイントです」と三代目社長の明田絵美子さんが教えてくれた。
店内には水族館の水槽のような生簀があり、中には元気な紅ずわいガニの姿も。
その生の風味を堪能できる「紅ずわい棒身」は、刺身、丼や握りのネタの他、しゃぶしゃぶでもうまい。
「使う分を冷蔵庫で解凍するだけ。手軽ですよ」と富美子副会長。「帆立生貝柱」の解凍方法も、返礼品に同梱された手書きのカードがあるから安心。
「他にも多種取りそろえております。旬の魚介をぜひお楽しみください」と、常臣会長が自信たっぷりに締めてくれた。
北海道遺産で育つ宗谷黒牛は、安全安心もてっぺん級
次に紹介する品は、日本のてっぺんの肉牛・宗谷黒牛。「宗谷岬牧場」で繁殖から肥育まで一貫生産される高品質な和牛で、稚内ブランド認定品だ。
同牧場は、徹底した衛生管理と飼養管理の記録化などに取り組み、国際認証規格「SQF認証」を取得している。
同認証には「農場HACCP」も組み込まれている他、さらに「全農安心システム」を国内第一号で取得。全従業員の理解・実践のもと、安全で安心な肉用牛の生産を行なっている。
同時に循環型の畜産経営を実現。牛の堆肥は圃場へ還元され、圃場で生産された自給粗飼料を牛へ給餌する。施設から出る排水は浄化処理して放水するなど、自然環境の保全にも配慮・尽力。これら努力の結果、放水口周辺では雪解けの進む春にエゾサンショウウオも確認できるそう。「ここは三方を海に囲まれているでしょう。この海を守ることも私たちの使命ですから」と、至極当然のように新保潔社長は語る。
こうした好環境で肥育される宗谷黒牛は、ほどよい霜降りで赤身の旨みをしっかり感じられるのが特徴。
濃くて甘くて飲みやすい稚内牛乳は人気てっぺん
緑の大地と冷涼な気候の放牧型酪農から生まれる稚内牛乳には、根強いファンが多い。ノンホモ低温殺菌製法で作っているため、生乳本来の風味や甘みを楽しめる一方、大量生産や長期保存が難しい。地元だけで飲める地域に根ざした牛乳として、愛されている。今回は、その稚内牛乳のおいしさを最大限に活かした「のむヨーグルト」と「アイスクリーム」を紹介する。
のむヨーグルトの特徴は、稚内産生乳と北海道産ビート糖だけで作られていること。そして稚内牛乳と同じく脂肪球を均質化していないこと。ほどよく甘く酸味は控えめなので、「小さなお子さんも、『おいしい』とゴクゴク飲んでくれています。クリーム分が浮いてくるので、よく振ってから蓋を開けて飲んでください」と、稚内牛乳公式ショップの佐々木陽一店長。
アイスクリームは「少し溶かして、かき混ぜながら食べるとミルク風味がアップします」とのこと。カップ4種で気に入った味を、大容量の返礼品でリピートする方もいるそう。
てっぺんのまちが誇る品は、おいしさもてっぺんクラス。食べる笑顔も輝き、てっぺん間違いなし。