総力取材記事

八幡浜の絶景で育つ甘いみかんと、活き締めにした新鮮真鯛、みかんの本場の柑橘リキュールを!

八幡浜の絶景で育つ甘いみかんと、活き締めにした新鮮真鯛、みかんの本場の柑橘リキュールを!

四国最西端は自然豊かなみかんと魚のまち

愛媛県の西の端、佐田岬半島の付け根に位置する八幡浜市。

四国の西の玄関口といわれ、大分県と行き来するフェリーが一日20往復している。明治時代には九州や関西地方との海上交易が盛んで、「伊予の大阪」といわれるほど栄えたという。

2022年に移転した八幡浜港の新フェリーターミナル。ここから大分県へのフェリーが発着する

ぐるりと山に囲まれ、海はリアス式海岸が続く。その恵まれた地形と温暖な気候から、八幡浜市では古くからみかん栽培と漁業が盛ん。明治時代の中頃からはじまったみかん栽培は、みかんで有名な愛媛県のなかでも、最大の生産量と出荷額を誇る。

みかん栽培と、漁業が盛んな八幡浜市。みかんの生産量は愛媛県全体の約51.1%、生産額は愛媛県全体の約62.3%を占める(令和2年度)

平地から山の頂上まで続く石垣づくりのみかん畑。秋から冬にかけてのみかんの時期、この段々畑の山が黄金色に染まるという。

「空からの太陽」「海から反射する太陽」「段々畑の石垣から反射する太陽」の3つの太陽を浴びて育つため、甘くおいしいみかんになる
温州みかん2万個で作られるオブジェ。高さ2.8m、直径7mで、毎年年末に設置されるまちのシンボル

絶景を眺めるみかん畑から、甘く新鮮な柑橘が直送

「うちは、園地が山の頂上にあって、海が一望できるんです。夕日が沈むところも見えて、その夕やけが絶景なんですよ」。そう話してくれたのは、「OrangeStoreニノミヤ」の二宮正道さん。夕やけのように赤いみかんを食べてもらいたいという気持ちを込めて、南柑20号など温州みかんを「夕やけみかん」と名づけ、インターネットで販売している。

畑から見える夕日があまりに美しいことから「まるで夕やけのように赤く、ひと口食べればとりこになるようなおいしいみかん」を目指している
「OrangeStoreニノミヤ」の独自ブランドで、手間と労力を惜しまず栽培された温州みかん。甘くて、コクがある

一日中、日が当たる園地で栽培されたみかんは糖度が高い。生産している柑橘の9割はインターネットで販売し、生産が追いつかないほど好評だという。

二宮さんが栽培している柑橘は11種類ほど。人気の「まどんな」は愛媛県だけが栽培できる品種。高級柑橘だが人気は高く、予約でほぼ完売するほどの注文が入るそうだ。

「まどんなは皮が薄くて糖度が高く、ゼリーのよう。手で皮がむけないのでナイフでカットして食べます」

ゼリーのようにぷるぷるした果肉が特徴。手でむけないほど皮が薄いので、カットして食べる。12月上旬から収穫される

根強い人気があるのは「不知火」で、濃厚な甘さと深い味わいがある。収穫してすぐに選別、直送するため、収穫から発送まで24時間ほど。新鮮なまま届けられるので、防腐剤は一切使っていない。

不知火は通称デコポン。2月上旬~3月下旬に収穫される。日持ちがよく、手で簡単に皮がむけ、内袋ごと食べることができる

また、二宮さんは、「カルシウムが単発的ではなく、雨水とともに少しずつ染み込んでいくほうがいいかと思って」と、園地にはカルシウム剤の代わりに牡蠣殻と昆布を与えている。

日当たりや地の深さなど、土地の条件が柑橘の味をほぼ決めると二宮さんは考える。そのため園地は点在させている

みかん農家になって9年目。29歳という若さながら、みかんの木を所有できるオーナー制度や、複数の品種が届く会員制度など、さまざまな取り組みに挑戦する二宮さん。

収穫期ではないときも、作業はたくさんある。シーズンになると睡眠がとれないほど忙しくなる

「ネット販売だと顔が見えないので、コミュニケーションを大事にしています。発送するときは商品にオリジナルの感謝状を同封するんですよ。感謝状にプリントしたQRコードにアクセスして動画を見てもらったり、SNSでプレゼント企画をしたり。SNSでは東京の方を中心に4000人ほどのお客様とつながっています」。直接やりとりすることで、クレームがあってもすぐ対応できる。その分、お客様の満足度は高いという。

二宮さん一家。第3子も誕生したばかり。「一年かけて大切に育てるので、みかんはわが子のよう」と正道さん

「『来年もここのみかん食べたいから長生きしようかな』とか、『旦那がみかんを食べなかったけど、ニノミヤのみかんを口にしてから食べるようになった』という感想をいただくことがあります。そういう声を聞くことが一番うれしいですね」

活き締めのマダイを、こだわりのだしで茶漬けに

八幡浜市には、四国一の規模の魚市場がある。瀬戸内海と太平洋をつなぐ宇和海は、黒潮が流れ込むため栄養素やミネラルが豊富。魚種も水揚げ量も多く、豊かな漁場となっている。

近年は養殖も盛ん。中でも、マダイの養殖は愛媛県が30年以上連続で生産量日本一を獲得。八幡浜市もマダイ養殖が盛んな地域のひとつだ。

港と魚市場に隣接する、「八幡浜漁業協同組合」が運営するシーフードセンターを訪れた。

西日本有数の規模を誇る、八幡浜市水産物地方卸売市場。年間120種類近くの豊富な魚種が集まることも八幡浜港の特徴
活魚センターでは、魚が傷つかないよう一匹ずつ仕切った箱に入れて水槽で泳がせる

「朝仕入れたマダイを職人が丁寧に手でさばき、加工しています。加工後すぐに急速冷凍することで鮮度と旨みを閉じ込め、マダイの歯ごたえもしっかり感じられます。その鮮度が一番のポイントだと思います」と加工部の清原 健さんが教えてくれた。

加工部の清原 健さん。マダイ養殖生産量は愛媛県が日本一で、全国シェアは50%以上。宇和海は養殖にも適した地形だという
数人の職人が一匹ずつ手でさばく。朝仕入れてから、加工、急速冷凍するまでのスピードが、鮮度と歯ごたえを生み出す

加工品で一番人気なのは「特製胡麻だれ鯛茶漬」。茶漬けといってもお茶は使わず、刺身をご飯にのせ、だしと胡麻だれをかけて食べるスタイルだ。

「配合はシェフに考えてもらい、だしも胡麻だれも丁寧に手作りしています。胡麻が効いていますが、マダイの風味を際立てる上品な味わいです」

冬は温かいだしで、夏は冷やしただしで冷やし茶漬けとして楽しめる。準備するのはご飯だけという手軽さも嬉しい

続いて人気なのは「鯛三昧」。こちらも朝仕入れたマダイを、早い時間帯に一匹ずつ手でさばき、急速冷凍にかける。生食用切り身、焼き物用切り身、カマ、頭、中骨がセットになり、まさに鯛三昧な内容だ。

「隣の活魚センターから生きたままマダイが入ってくるから新鮮です。活き締めのマダイは歯ごたえが違います。八幡浜は海水温が低いので、他の地域と同量の餌を与えても大きくならないのですが、その分マダイの身が締まっているんです」

刺身や塩焼きはもちろん、カルパッチョや鯛めしにも。頭や骨はだしに使えて、鯛をまるごとさまざまな料理で味わえるセット

天然のマダイは産卵後に身がやせているのに対し、養殖のマダイは年中質が安定している利点もあるという。

宇和海の恵みを受けて育った、コリっと歯ごたえのあるマダイ。茶漬けにしても、刺身や塩焼きで食べても、おいしいに違いない。

歴史ある蔵で受け継がれる、日本酒と柑橘リキュール

1916年創業の「梅美人酒造」。正面の壁はタイル張りで、大きな木製の扉が目を引く。和と洋が調和したレトロな雰囲気で、建物を見るだけでも趣を感じられる。五代目の上田英樹さんが案内してくれた。

梅美人酒造では日本酒、リキュール、焼酎、クラフトジン、ウイスキーを造る。ウイスキーの原料である大麦のカスは豚の餌にするなどSDGsにも取り組む
五代目 上田英樹さん。六代目になる長男が修業先から戻り、酒造りの行程を見直したり、詳しい数値をデータ化したりと新たな戦力になっている

「水はお酒の味わいを左右しますが、梅美人では天然水にこだわり、地下30mに流れる井戸水を使用しています」

井戸をのぞくと、こんこんと水が湧き出ていた。井戸の奥に続く貯蔵庫も歴史を感じられる佇まい。梅美人酒造では、創業当初に作られた建物の一部がそのまま残っていて、4ヵ所が国の登録有形文化財に指定されている。

「毎年、酒米の出来が違うので、お酒の味も少しずつ変わります。そこが地酒の楽しみでもあります」と上田さん

そんな蔵の名前がついた「梅美人」は創業当初から造り続けるブランド。「純米大吟醸梅美人」は愛媛県産の良質な酒米「しずく媛」を50%まで磨き込んだぜいたくな一品だ。「華やかな香りを感じられる、すっきりと後味のいい飲み口です」

観梅は良質な酒米を使用した吟醸酒。すっきりと喉ごしが良く、魚料理やあっさり系の料理と相性が良い

「大吟醸鷹雄」は兵庫県産の酒米「山田錦」を使い、特に味にこだわって造ったという。「普通は14〜20日かけて発酵させるところ、鷹雄は30〜35日かけてゆっくり低温発酵しています。フルーティで飲みやすく、食事にも合わせやすいです」

鷹雄は幅広く好まれるフルーティな味わい。梅美人は軟らかくとろけるような旨さ。どちらも魚料理はもちろん、肉や中華料理など、こってりした食事にも合う

そして、日本酒とともに人気なのが、20年ほど前に作りはじめたという柑橘リキュール。「美肌」は八幡浜産みかんを絞った100%果汁と焼酎と合わせたもので、糖類無添加。みかんの甘さだけでしっかりと甘みがある。ほかに河内晩柑や伊予柑のリキュールも造る。柑橘それぞれの味を活かした愛媛県らしいリキュールだ。

八幡浜産みかん果汁100%の本格リキュール。ジュースのような飲みやすさで、よく冷やして飲むのがおすすめ。糖類、香料、着色料無添加

戦前戦後は愛媛一の規模を誇る蔵だったという梅美人酒造。市の観光資源にも選ばれ、見学することができる。

1928年に建設された煉瓦造りの煙突。蒸米を作る際、石炭の煙を逃すために使用していたもので、かつてはランドマーク的存在だった

「見学に『来てよかった』と言ってくれるとうれしいです。社会科見学で来た小学生や中学生に井戸水を飲んでもらい、周りの自然を大切にすることなども伝えています。地元に愛される、あってよかったといわれる蔵を目指します」

八幡浜市のお礼の品のクチコミ

愛媛県八幡浜市

まどんな(10,000円)

2023年12月26日 09:28

たつ子さん

知人から美味しいと聞き、気になっていた『まどんな』みかん!薄皮の中には、むっちりと中身が詰まっていて、ひとくちに食べると「え?これみかんなの?」と思うような、甘みとプルッと食感がします。こんなに美味しいみかんは初めてで、子供も一個じゃ足りないと、続けて3個食べていました(笑)一家大満足でしたので、来年もリピートしたいと思います。

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愛媛県八幡浜市

上杉農園 「 マドンナ 」 3kg(10,000円)

2022年12月6日 09:04

オレンジさん

マドンナと言う品種は初めて食べたのですが、皮が薄く身はプルプルでとっても美味しかったです!みかんともデコポンとも違うのですが食感も良く又食べたいですね。

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愛媛県八幡浜市

長岡農園の「せとか」3キロ(10,000円)

2019年5月7日 08:50

いちごさん

「せとか」と言う蜜柑が美味しいと噂を聞き、こちらにしました。蜜柑より一回りくらい大きいものでした。切ってみると、とてもみずみずしく甘い香りが。そして、蜜柑より味が濃く、舌にガツンとくる甘酸っぱさ、とても美味しかったです。素晴らしい品種だなと思いました。

※現在、受付期間外の恐れがあります(編集部注)

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自治体情報

愛媛県八幡浜市(やわたはまし)

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