オホーツク海に面し、斜里岳を望む小清水町は初夏から秋にかけて自生する季節の花々が次々と咲き誇る。また渡り鳥を含めると年間を通じて300種類を超える野鳥が観察できることから｢野鳥の楽園｣とも呼ばれ、例年多くの観光客が訪れる。

国内で観察できる野鳥のうち、小清水町ではなんとその約半数が飛来する。豊かな自然を体感できる独自のプログラムやアクティビティが話題を呼び、まちでは寄付のお礼として、夏季限定の貴重なエコツアーを用意している。ガイドと一緒のときのみ入ることが許される濤沸湖でのカヤックによるモニタリングやバードウォッチング、20㎞以上をサイクリングで下る爽快なダウンヒル体験など、国立公園や国定公園でのさまざまな体験が可能。大自然の美しさや刻々と変化する絶景を堪能したい。

濤沸湖とオホーツク海に挟まれた約8㎞に渡る｢小清水原生花園｣も有名なスポット。初夏には、まちの花であるエゾスカシユリや、柔らかな芳香を漂わせるハマナスが美しい。

その景観を維持するため、毎年春に行われるのが｢火入れ(野焼き)｣だ。通常は関係者以外、一切の立ち入りが禁止されているが、まちへの寄付のお礼として、この貴重な体験ができるツアーを開催。早朝、合図とともに枯れた原野が一瞬で熱気に包まれる様子は迫力満点!ここでしか味わえない感動といえよう。

小清水町は、豊かな農産物の宝庫でもある。｢こしみず式耕畜連携循環システム｣という循環型の持続可能な農業に取り組み、特産品のでん粉工場で大量に出てしまう副産物を、長年にわたる研究や試行錯誤を経て有効利用を実現。畑の土壌改良材や牛の飼料として活用できるようになり、耕畜連携を可能にした。改良材を土に撒くことで作物がより深く根を張り、さらに良質な農産物が生まれている。

お礼の品としても人気の玉ネギのほか、特産品であるジャガイモは、ほくほくとした食感と甘みや旨みが強い｢キタアカリ｣をはじめ、多くの品種を栽培。多様な野菜を生産しているが、初夏にぜひ味わいたいのがグリーンアスパラだ。

まち特有の地形により、昼夜の寒暖差が大きく、茎にはたっぷりの糖分を蓄えている。みずみずしくジューシーな味わいが評判だ。

豊富な野菜と一緒に楽しみたいのがハンバーグとステーキの専門店｢黒牛セブン｣によるハンバーグ。まちが育んだ和牛のうち、雌のみを一頭買いし、徹底した品質管理のもと、すべて職人が手作業で超粗挽きにしている。噛むほどに広がるたっぷりの肉汁と、牛肉本来の旨みがぎゅっと詰まっている。まるでステーキのような満足感でリピーターの多い逸品。自宅で気軽に味わえるのはもちろんのこと、これからの季節にはキャンプやバーベキューのおともにもおすすめだ。