新千歳空港から車で約40分、北海道の南西部に位置する白老町。太平洋に面し、面積の7割以上が森林という自然あふれるこのまちは、「遊歩百選」に選ばれたポロトの森や、全国屈指の透明度を誇る倶多楽湖、朝日も夕日も美しいアヨロ海岸など、絶景スポットが多数ある。また、温泉やアイヌ民族文化継承の地としても有名だ。

夏は涼しく冬は温暖、豊かな緑と水に恵まれた好環境で、生産者が愛情を込めて育てているのが、まち自慢の黒毛和牛だ。1954年、島根県より導入した黒毛和牛から飼育が始まり、今や全国区の北海道ブランド和牛として高い評価を得ている。

白老産黒毛和牛の礎を築いてきた牧場の一つ「タケダ牧場」では、繁殖から肥育までの一貫生産にこだわり、10haもの広大な牧草地で、約280頭の黒毛和牛を放牧飼育している。「家族を愛するように牛と接する」を信条に、毎日手作業で餌をやりながら、一頭一頭をつぶさに観察し、体調の変化に合わせて餌の量や内容を調整するという。「手間はかかりますが、健康に育てたおいしい牛肉を食卓に届けたいです」と社長の大塚雄裕さん。

手塩にかけた和牛は、直営のショップ＆レストラン「牛の里」で提供する。中でも人気は、白老産和牛に道産牛を合わせた牛肉100％の「牛の里ビーフハンバーグ」だ。肉汁があふれ、まろやかなコクと濃厚な旨みが口の中いっぱいに広がる、子どもからお年寄りまで幅広い世代に愛される至福の味わいだ。

特製ソース付きの個包装タイプは、果物と野菜をたっぷり使ったフルーティなソースとのハーモニーをぜひ味わってほしい。「訳あり（ソースなし）」は5枚ずつの簡易パッケージで、煮込みハンバーグやロールキャベツ、肉詰めなどアレンジ料理もおすすめだ。

このまちを代表する特産品といえば、虎杖浜で加工する名物のたらこも外せない。厳選したスケトウダラの卵を丁寧に仕込む、きめ細やかな粒立ちで風味豊かなたらこは、大正時代からこの地区で作られてきた伝統の味だ。

古くから漁業が盛んな虎杖浜エリアは、海岸沿いに海産物を扱う店舗が軒を連ね、周辺に各水産加工会社の加工場が集中する。中でも、ひときわ大きな加工場を有する「竹丸渋谷水産」は、1962年の創業以来、たらこや明太子、数の子、いくらなど、北海道の豊かな海の幸を用いた高品質な水産加工品を提供し続けている。

徹底した衛生管理と品質管理で、北海道HACCP(※)において最高評価レベルである8を取得。安全・安心もお墨付きだ。

※HACCPとは、食品の安全を確保するための衛生管理手法で、北海道では独自の認証制度を設けている。

竹丸渋谷水産のたらこと明太子は贈答品としても人気がある。素材の旨みをぐっと引き出す独自配合の調味液は、倶多楽湖の伏流水を使い、塩や昆布、魚醤などの添加物も天然のものにこだわっている。

上質な味わいをそのままに、食べやすい一口サイズにカットした「切れたらこ」と「切れ明太子」は、解凍後すぐに食べられて100ｇの小分けパックなのも便利だ。製造部の渋谷友玖さんに好みの食べ方を伺うと「炊きたての白いごはんとの相性は抜群です。パスタやジャガイモと和えるのもおいしいですよ」と笑顔で教えてくれた。ぜひご賞味あれ。