温暖な気候から生まれる自慢のメロンとスイカ
紀伊水道に面し、美しい海岸線を持つ御坊市は、黒潮による温暖な気候に恵まれたまちだ。数多くの農作物が作られていることでも知られる。冬から春にかけては、出荷量全国一を誇るスターチスなど花の栽培が盛んだが、春から夏にかけては果物を栽培。これからの季節にオススメなのがメロンとスイカである。生産者の方々の声を交えながら、その特産物を紹介していくことにしよう。
「花や果物のオリジナルブランドを栽培する両親の背中を見て育ちました。人を笑顔にする農作物作りは両親から学びましたね」と語るのは「斎藤農園」の斎藤喜也やさんだ。その言葉通り、同農園では独自ブランドに力を入れており、メロンでは「ビクトリーメロン」、小玉スイカは「ひとりじめプレミアムV」として出荷している。
「メロンは栽培する人の育て方で味も見た目も大きく変わります。常に状態に気を配り、管理を徹底することが大切です。一方のスイカは、糖度を高めて、完熟収穫でお客様に届けるようにしています」と斎藤さん。その結果として、とろけるような甘さで魅了するビクトリーメロンと、抜群のシャリ感と甘さが印象的なひとりじめプレミアムVが生まれるという。どちらを選んでも悔いのない逸品である。
農家のこだわりが感動のおいしさを描き出す
次に紹介するのは「農園紀の国」。もともとメロン栽培からスタートした農園で、おいしいメロン作りのノウハウをしっかりと築き上げてきた。
「土作りにこだわり、水分・温度・湿度は徹底管理。種をまいてから収穫するまでの約120日間、毎日メロンの状態を観察することも欠かしません。アールスメロン(網目の入ったメロン。マスクメロンとも)はとても繊細なので、大切に大切に育てています」と同園の田中正俊さんは熱意を込めて語ってくれた。気品あふれる甘みと香りをぞんぶんに楽しんでいただきたい。なお、同園では夏になるとメロン狩りも実施している。
最後に登場してくれるのは「仮家園芸」の仮家誠さんだ。
「当農園で作っているのはアールスメロンの〝ミラノ〞という品種です。特長は網目の美しさと形の良さ。そのため、ご贈答に喜ばれています」
もちろん魅力は見た目だけではない。さわやかな口当たりとすっきりとした上品な後味に感動を覚える人も少なくない。買っていただく方も増えてきて、「これまで食べたメロンの中で一番おいしかった」との感想を寄せられたこともあるそうだ。
御坊市のこだわり農家がそれぞれに贈る極上のメロンとスイカ。いまのこの時期ならではのおいしさをぜひ楽しんでいただきたい。
人気上昇中の和歌山ラーメンを自宅で!
全国にはさまざまなご当地ラーメンがあるが、近年存在感が増しているのが和歌山ラーメン。豚骨醤油のスープにストレートの細麺が基本で、飽きの来ない味わいが多くのラーメンファンの関心を集めている。
今回ご紹介したいのは御坊市に本店を構える「ら〜めん幕末」の「和歌山ら〜めん」。醤油発祥の地・湯浅町のたまり醤油など三種類の醤油をブレンドし、香り高い味わいに仕上げている。じっくりと煮込んだスープに自家製の熟成ストレート麺、そして秘伝のタレを使った肉厚でとろけるようなチャーシュー。三者が織りなす味のハーモニーに感激することうけあいだ。
地元でも評判のそのおいしさを全国に届けようと、同店では冷凍食品として商品化した。
「こだわりの味をそのまま封じ込めました。ご自宅で本場の和歌山ラーメンをぜひ楽しんでほしいと思います」と語るのはセントラルキッチン工場長の井上圭さん。フライパン(スープ用)と鍋(麺用)を使って約9分でできる気軽さもうれしい。ラーメン好きを自認する人には見逃せない返礼品と言ってもいいだろう。
ほのかに甘い純白の天塩。海の恵みでヘルシーに!
海に面した御坊市には古来より塩作りが盛んだった塩屋地区がある。その歴史は飛鳥時代にまでさかのぼるとのことだ。現在この地で「塩屋の天塩」を作っているのが「太陽福祉会菜の花作業所」。紀伊水道の沖合、黒潮が分岐する海域で汲み上げてきた海水を巨大な釜で焚きあげる。
「海水を煮て塩を作る場合、一般的には一つの釜だけを使いますが、私たちは三つの釜を使っています」と語るのは同作業所の鳥居一也さん。「登りがま」と呼ばれる製法を用いることで石灰分などが除去されて塩の純度が増していくそうだ。
そうしてできた天塩は、さらに手作業で不純物が取り除かれ、最終的には新雪のような姿になる。味も、ほのかに甘みが感じられる優しい仕上がりだ。ヘルシーな食生活を意識している人にぜひ教えたい逸品である。
なお、この天塩の製造過程でできる「にがり」も返礼品に含まれる。ごはんを炊く時や飲み物に数滴たらすといいとのこと。「海の恵みを毎日の暮らしに役立ててください」と鳥居さんは笑顔で語ってくれた。