総力取材記事

こだわりの逸品！メイド・イン・ツバメの高品質ツールが続々登場

品質の高さで勝負、金属洋食器生産日本一の燕

新潟県の中央部に位置する燕市はものづくりのまち。キッチンツールやカトラリーなどの金属加工が得意なことで知られている。
あなたが使っているナイフやフォークの中にもメイドイン燕の製品があるかもしれない。なぜなら、燕市は金属洋食器生産高で国内シェア第一位。その裏には高い技術を守り続ける燕市の職人たちの地道な努力があるのだ。
長らく、市内の多くの企業がOEMやパーツ供給といった協力企業だったため、社名がユーザーに知られる機会は多くなかった。しかし近年では高い技術力を生かしオリジナル製品を直接市場へ発信する企業が増えてきた。そのどれもが高い評価を獲得している。
燕市では返礼品の品質を守るため、選考委員会で認証された品物を返礼品として採用する。
「最近では企業側からの申し出が増えています。ふるさと納税が企業にとってPRの場として認知されてきたと感じています。コロナ禍が長引き、従来通りの事業展開が厳しくなっている今、企業の助けになれることは嬉しいです」とふるさと納税を担当する燕市総務課の伊藤崇人さんが話してくれた。
集められた寄付金は研磨などのものづくりに携わる後継者の育成や農業従事者のチャレンジを応援する事業、福祉・教育などに使われているという。
「特に今年はコロナ対策事業費として飲食店の継続支援やPCR検査費補助にも寄付金を役立てています」
価格競争に流されることなく、オリジナルを市場へ発信する企業の製品は返礼品としても多くが採用されている。いくつかを紹介していこう。

「高品質なものづくりを支えるのは職人の技術と努力。ぜひ燕クオリティを実感してください。

家が美容室になる、切れ味自慢の髪切りはさみ

「サクッ」と気持ちいい切り心地に驚きだ。この「髪はさみ」なら家庭で髪を切ってみようと思うに違いない。
製造はプロ用理美容はさみ業界のリーディングカンパニーだ。シゲル工業社長の藤田正健さんが話してくれた。

株式会社シゲル工業、藤田正健社長。「きちんと保管していただければ10年以上使えます。ただし、髪の毛以外のものは切らないでくださいね」

「理美容学校の生徒用から、世界中のトップスタイリストも愛用のハイエンドブランドまで、当社が手がける理美容はさみは幅広く、種類も豊富です。その技術を生かして家庭用髪はさみを作りました」

切れ味はもちろん、素材もプロ用と比べて遜色ないが、家庭用を企画した時に注意したことがあったという。
「安全に使える道具であることを大切にしました。プロ用は先が鋭利ですが、この家庭用の先端は尖っていません。また、はさみのケースは小さなお子さんが開けにくく、長年にわたりお使いいただける桐箱をご用意しました」
今回はカット鋏とすき鋏の2本セットでのお届けとなっている。

すき鋏のクシ刃は業界初のオリジナル。独自に開発したクシ形状の刃は切れ味がよく髪を傷めない

「すき鋏は丁度良いすき加減に調整してありますから使いやすいですよ。このはさみでお子さんの髪を切るようになったら、旦那さんからもカットをリクエストされたというお母さんユーザーからの声も届きました。嬉しいですね」と話してくれた。

お好きな色をどうぞ、印影くっきりチタンの印鑑

滑らかな光沢が美しいチタン製の印鑑は朱肉がしっとり馴染み、印影は鮮明で押しやすいと評判だ。
開発したSwing社長の伊藤豊さんはチタンに出合って会社を立ち上げた。

「チタンを使って面白いものができないか、いつも頭の片隅で考えています」という株式会社 Swing の伊藤豊社長

「チタンは触るとほんのりと暖かく感じる不思議な金属です。この金属をどう生かしたら付加価値があるだろうと試行錯誤を繰り返しました。あるとき、印鑑の材料にというお話をいただき、材料を提供するだけでは面白くない、じゃあつくってみよう、と」

3年の開発期間を経て完成したのがこのチタン製の印鑑だ。表面には化学変化を利用した酸化皮膜の結晶により美しい色が生まれる。

触っても指紋がつかず、色あせしにくいため鮮やかな発色が続く。印影はくっきり鮮明だ。

大事な場面にこの印鑑で印を押してみてはいかがだろう。

プロ用鉄板に限りなく近い、家庭用極厚焼肉プレート

「これで焼いた肉は抜群にうまい！」と焼肉ファンを唸らせる極厚の焼肉プレートがある。
「鉄板が厚いほど蓄熱率が高くなり、ジューシーなおいしい肉が焼けます。鉄板焼き店の鉄板は厚さ12㎜ほどだそうです。どこまでプロの鉄板に近づけられるか挑戦してみました」と話すのは若林工業の若林敏孝専務。

できあがった焼肉プレートは厚さ9㎜、重さ約6㎏の横綱級の存在感だ。

厚さ9ミリ。この厚みでおいしい肉が焼ける。さらにプレートの底の中央部分が少し盛り上がっているため、余分な肉汁や煮汁を外側へ逃し、適度な焼き上がりが可能だ

「まずはステーキを焼いてください。US牛も和牛並みに焼けるという人もいるほどです。表面温度が300度で消火し、6分後でも200度をキープする抜群の蓄熱力です。肉にじっくり火が入るのでジューシーに焼き上がります。付属の蓋を使って野菜の蒸し焼き、餃子も美味しく焼けます」。調理の様子はYouTubeの動画を参考にしたい。

一見、繊細なカトラリーは工夫がいっぱいの実用派

「ジャパン・ツバメ・インダストリアルデザインコンクール」は、ハウスウェアなどの金属製品において優れたデザインを評価し、燕ブランドの品質向上に寄与するコンクールだ。
美しいカーブを描くカトラリーは「ソフィー」。2017年の受賞製品だ。

2017年ジャパン・ツバメ・インダストリアルデザインコンクール受賞。スタイリッシュなデザインながら、縦置きするとナイフの先端が卓上につかないなど実用的な工夫がされている

ソフィーはギリシャ神話で知恵を象徴する女神に因んで名付けられた。
持ち手から先端にかけて太くなる雫型のデザインでシンプルながら重厚感があり、スタイリッシュな印象だ。
柄の末端は皿やレストに立てかけた時に安定感を高めるカットが入り機能的。ナイフは縦置きにすると先端が卓上につかないなど、使いやすさにつながるさりげない工夫が嬉しい。

お米とぎに水切りに、3WAYの革新的ボウル

最後に紹介するのは台所で大活躍する水切りボウル。使い勝手の良さにファンが増加中という。
水平部分とその両隣に斜めに加工された面、合計3つの底面がある見たことがない形だ。片側の斜面には水切り用の穴があり、傾けるだけで米とぎ、ボウル、ざると3通りの使い方ができることから、3WAY水切りボウルと名付けられた。