焙煎師が技と五感を使い手づくりする炭火焙煎珈琲
日本初の国際貿易港が開港された神戸。西洋文化をいち早く取り入れた異国情緒溢れるまちは、洋食やスイーツ、パンなどのレベルが高く、日本有数の人気店が多いことでも有名だ。
古くからコーヒー文化が根づく神戸において、炭火焙煎の老舗として地元の人たちに親しまれているのが「萩原珈琲」だ。1928年の創業時と変わらない製法で、伝承の味をつくりあげる。代表取締役の萩原英治さんは、「多くの同業者が熱風式ガス焙煎に切り替わるなか、当社は炭火焙煎一筋。遠赤外線効果により、豆の内側まで均一に火が通り、冷めてもおいしいコーヒーができるんです」
同社の焙煎師はわずか3人。火の入り方や釜の温度、豆の繊維が切れる音で焙煎の進み具合を把握し、炭をくべながら品質を安定させる。まさに熟練の技と五感を使った唯一無二の仕事だ。
一方、昔と比べて豆の品質は格段に良くなったという。
「当時は7、8ヵ国の豆をブレンドして味わいをつくりましたが、今は豆本来の味を活かし、その国の個性を楽しむ飲み方が主流です」と萩原さん。今回紹介する返礼品は、当時の製法を再現したクラシックとオリジナルのブレンドコーヒー詰め合わせ。
芳醇な香りに包まれながら、昭和の古き良き時代に想いを馳せてほしい。
師匠である父を唸らせた、魔法の口どけバウム
コーヒーと一緒に味わいたい、おすすめのスイーツを紹介したい。
「リッチフィールド」は、バウムクーヘンを看板商品とする洋菓子店。そこには、父と子の物語があると代表取締役の福原光男さんは思い出を語り始めた。
「修業時代に父から唯一、学びきれなかったんです。独立して店をオープンする際、今までにない、しっとりとした究極のバウムクーヘンをつくり、看板商品にしたいと思いました」
試行錯誤してつくりあげた自家製ローマジパンを加えた生地は、出来たてはもちろん、2,3日経つと熟成してさらにおいしくなるという。「魔法の口どけ」と称されるバウムクーヘンは、瞬く間に人気商品となった。
「一番嬉しかったのは、頑固な父から『旨い……今までに食べたことがない』という言葉を聞いたときです」
そのほか、香ばしさとザクザク食感が特徴の「神戸クッキー」、口の中ですっと消えていくような食感の乳菓子「丹波みるく黒豆萬」は、日持ちがするので、贈り物などいろんな用途に使えそうだ。
フルーツとクリームと相性抜群、サクサク食感のタルト
続いては、タルト専門店として全国一の店舗数を誇る「ア・ラ・カンパーニュ」
ママンがつくる素朴な手作りの味にこだわるお店には、色鮮やかな旬のフルーツをふんだんに使ったタルトが多彩に揃う。フルーツとクリーム、タルトの相性を大切にし、一つひとつパティシエがレシピを調整しているそうだ。
「お取り寄せしたいというお客様の声に応えるため、パティシエが何度も試作品をつくり、サクサク食感のサブレ生地のタルトを開発しました。全国の方々から好評を得ています」と語るのはマネージャーの西村友和さん。
お店でも人気の木苺とチョコレートのタルト、スフレの3種をセットにした返礼品は、日常のおやつタイムや誕生日、大切な人への贈り物におすすめしたい。
明治創業の専門店から極上の神戸ビーフをお届け
日本の牛肉文化発祥の地といわれる神戸に、明治33年に創業して以来、神戸ビーフ専門店として歴史を刻んできた「辰屋」。四代目店主の辰己真一さんは、この道30年の達人である。
「神戸ビーフは人肌で溶けるほど脂の融点が低く、のど越しが良くて胃もたれしない。脂の旨みと香りが特徴です」
一般的に霜降りが重宝されるが、「霜降りは血統。味はエサと環境で決まります。当店では、この生産者なら間違いないという神戸ビーフを厳選し、部位や調理方法に合わせて丁寧にカット。これが長年、専門店として培ってきた技であり、確かな品質を提供しています」と自信を持って語る。
初めて神戸ビーフを食べる方には、すき焼きをおすすめしたい。
「濃い味付けですが、肉質の違いが最もわかりやすい料理です。野菜や豆腐もすべておいしくいただけます」
大切な来客へのおもてなしやご贈答用を検討している方は、「焼肉懐石」に注目を。焼肉に適した希少部位4種を厳選し、松花堂をイメージした高級仕様の器に盛りつけた逸品だ。
「ロース芯ステーキは、サーロインの中で最もおいしい芯のみを角切りしたステーキの王様です」(辰巳さん)。
使い勝手のいい切り落としも専門店ならではの品質とボリュームに圧巻。
ぜひ、この機会に神戸ビーフを気軽に味わってほしい。
神戸ビーフやお正月のご馳走にも合う灘の日本酒
「神戸ビーフには赤ワインが定番ですが、神戸のおいしいものを神戸のおいしいお酒と合わせてほしい。『牛と鉄板』は日本酒のペアリングの幅の広さを提案したいと思い、企画しました」
そう語るのは、日本屈指の酒どころ・灘で270年の歴史を誇る「安福又四郎商店」の安福愛さん。灘酒の評価を高めた仕込み水「宮水」は、わずか500㎡の宮水地帯でしか取れないが、今でも手間暇をかけて仕込みに全量使っている酒蔵だ。宮水は熟成させるほど深く、まろやかな味になる「秋上がり」の酒を生む。
神戸ビーフの濃い旨みや脂の甘みに辛口のきりっとした深い味わいが合い、最後まで料理をおいしく食べられるという。
「『牛と鉄板』は常温がおすすめです。燗酒にするとお酒がやわらかくなるので、ぜひ遊んでみてください」
また、お正月などのハレの日には、同社の代表銘柄である大黒正宗の純米大吟醸セットがおすすめ。米違いのユニークな飲み比べが楽しめる。
「山田錦は旨みが強く、華やかでお肉などのメイン料理に合うお酒。一方、その子どもにあたる兵庫錦は、香り高いキレイなお酒で、前菜やお刺身に合います。お正月の前菜からメインまで、この2本があればすべてのお料理をおいしくいただけます」(安福さん)。
今年の年末年始は、家族や友人と日本酒談義に花を咲かせたい。
国産小麦のハードパンは、むぎゅもっちり新食感!
最後に紹介するのは、4年前にオープンした新鋭店「ベーカリーバカンス」。今までにない新食感のハードパンは、メディアに取り上げられて以来、一気に注目を浴びて人気を集めている。
「国産小麦を100%使ったハードパンは、米粉と酒粕を入れて焼き上げることで、外はパリッ、中はしっとりもちもちのパンができました」と語るのは、シェフの村本優馬さん。それが看板商品の「バカンス」だ。国産小麦の芳醇な香りと甘さを最大限活かすため、余分なものを入れずにシンプルに仕上げている。
「当店では自家農園で小麦づくりにも取り組んでいます。生地は水分が多くて扱いにくく、何度も失敗を繰り替えしましたが、ようやく納得のいくものができました」
さらに日常の朝食や昼食にぴったりな食パン、北海道産の発酵バターを贅沢に使ったクロワッサンなど、お店の人気商品を集めた詰め合わせが返礼品として新たに登場した。
「我が家でバカンス気分になれるほどのおいしさ。当店自慢の人気の商品です」と自信たっぷりに語ってくれた。
長年の技術と伝統を活かしつつも、常に新しい挑戦を続けてきた神戸の人たち。ふるさと納税を利用して、レトロモダンな神戸の雰囲気と味わいを心ゆくまで堪能してみよう。