豊かなサンゴ礁を守りながら次世代へ引き継ぐ新たな試み 沖縄本島北部の西海岸に面し、豊かな自然に恵まれた恩納村。「青の洞窟」などのダイビングスポットを有する美しい海を思い浮かべる人も多いだろう。
恩納村の真栄田岬。沖縄本島屈指のダイビングスポットでもある
海中の色とりどりのサンゴは、観光客の目を楽しませてくれるだけではない。サンゴ礁には全世界の海の生き物の約4分の1が生息しており、恩納村の主要な産物である海ぶどう、モズク、アーサなどの海藻をはじめ、多様な生命を育む。また、防波堤として波をさえぎるという重要な役目も果たしている。しかし、サンゴは繊細な生き物で環境変化に弱い。環境保護はそのままサンゴ保全にもつながるのである。
サンゴは、光合成を通して海の生物の多様性を育む役割を果たす
恩納村は、村制施行110周年を迎えた2018年に、サンゴを中心に自然環境に優しい地域づくりを推進する「サンゴの村宣言」を行った。その翌年には、SDGsによる持続可能な地域経済の活性化、地域の振興などを推進する「SDGs未来都市」に選定されている。
2018年に恩納村が「サンゴの村宣言」をした際のイメージキャラクター、Sunna(さんな)ちゃん
「サンゴ保全協会」会長で、恩納村における環境と観光の共生を目指す第一人者である山城正已さんが、近年力を入れているのが、楽しくゲームをしながらSDGsへの理解を深めることだ。
サンゴ保全協会会長・山城正已さん
お礼の品として用意したのは、ゲームそのものとワークショップ体験。それぞれ代表的なものをご紹介しよう。
ゲームの返礼品は「SDGsボードゲーム(Get the point)」。ルールは簡単で、6種類の資源を使ってアイテムを作成する。アイテムごとにポイント数が定められていて、1ゲーム目は、高いポイントを得た個人が勝つルールだが、2ゲーム目は、参加プレイヤーの合計ポイントで高得点を目指すルールにチェンジする。これまで競争していたメンバーと今度は協力する必要が生じるのだ。4名以上であれば小学3年生からプレイ可能。自由研究の良い題材にもなりそうだ。純粋にゲームとして楽しいので、年末年始の新たなレクリエーションとして取り入れてみてはいかがだろうか。
ゲームのプロジェクト完遂には、他のメンバーとの協力が欠かせない
次は「SDGs de 地方創生」ワークショップ。名前の通り「SDGsとまちづくりを両立させるのはどうしたらよいか」をゲームを通して学ぶ。ゲーム終了後のフィードバックで、参加者たちのSDGsへの意識や取り組みを振り返らせる役割を担うファシリテーターが必要となるため、現地ワークショップでの提供となる。
メンバーは全員、地方創生を目指す同じまちの住民という設定で、時間制限の中で配られたプロジェクトカードに必要な資金やメンバーを、他のメンバーと借り物競争のように融通しながらそろえていく。プロジェクトが達成されると、それに応じて資金や人材、新たなプロジェクトがファシリテーターから配られるとともに、まちの環境が変化する……という流れだ。
最終的には、まち全体の税収や人口、暮らしやすさのバランスが取れているかどうかを見られる。また、自分の職業に応じたSDGsの目標が達成できているかどうかも評価ポイントだ。目の前の持ち札を条件に応じてクリアする楽しみもあるが、プロジェクト達成に必要な要件、達成によって得られる結果や、まちへの影響などを見ると、個々の目先の成功を求めても、持続可能な成長にはつながらないということが、振り返りで理解できるという奥深い構成になっている。
カードに書かれた内容はリアル感たっぷり。内容を読むだけも楽しめる
楽しめる人数は中学生以上6名から。修学旅行や学校の授業など子ども向けだけでなく、企業や自治体の研修にも適したゲームである。「SDGs未来都市」ならではの、全国初の返礼品。ぜひ体験してみてほしい。
店頭で人だかりができる逸品 旬のフルーツバター&ジャム 地元農家が直接納品する季節のフルーツや野菜などの特産品が買える産直市場の「おんなの駅 なかゆくい市場」。スーパーではなかなか手に入らない旬の新鮮な食材を求め、地元の人も足を運ぶスポットである。西海岸の海沿いドライブを楽しむ観光客が〝ちょっとひと休み〞で立ち寄ってファンになり、リピートされる人気店も多い。
「なかゆくい」とは沖縄の言葉で「ひと休み」。沖縄らしさを感じさせるローカル感が人気
店内には所狭しとさまざまな商品が並ぶ。新鮮な野菜やフルーツのほか、加工品やその場で食べられる軽食も人気
近年注目されているのが、恩納村でしか買えない、地元産の食材を使ったオリジナルブランド「MEGUMI」だ。恩納村の「恩」は、「めぐみ」とも読む。「この地の豊かなめぐみが、人を結ぶ、大きな魅力となる。」をコンセプトに、地元農家が愛情込めて育てた野菜や果物をはじめ、生産者の思いが詰まったこだわりの素材を使用している。
お礼の品は、MEGUMIブランドの新製品。恩納村産のマンゴーとリリコイ(実が黄色い種類のパッションフルーツ)バター、そしてローゼルジャムの3つのセットだ。いずれも目利きが選んだ旬のフルーツを素材として惜しみなく使用した。
MEGUMI マンゴー、パッションフルーツ、リリコイバター3点セット
「特にリリコイバターは、パッションフルーツの種の風味を活かしながらの製品化が難しく、この商品化は社長の悲願でした」と語るのは、おんなの駅で広報部課長を務める水野さん。いずれもバゲットやクラッカーに載せて食べると、沖縄のトロピカルフルーツの味わいが口の中に広がる逸品ぞろい。彩りも鮮やかで、ヨーグルトやアイスなどのトッピングにもぴったり。さまざまな楽しみ方ができそうだ。
家族でもゆったりの広々ルーム!思い思いに楽しめるバカンスを 恩納村の海岸沿いには、その海を楽しもうとリゾートホテルが建ち並ぶ。今回は、ファミリーにもおすすめの広い部屋と多彩なプランの人気ホテルを紹介したい。
1軒目は「リザンシーパークホテル谷茶ベイ」。沖縄海岸国定公園にある谷茶海岸。その800m続く天然の白浜ビーチに面した超大型ホテルである。ロビーのガラス窓一面に広がるビーチの風景は東シナ海を一望でき、壮大な地平線が息をのむ美しさ。部屋数は826あり、沖縄県の中では断トツトップだが、スタンダードルームでも30㎡からと十分な広さだ。
谷茶海岸の天然のロングビーチ
「沖縄県内からもご家族旅行の行き先として好評いただいています」と支配人の北村さん
アクティビティやレストランもバラエティに富んでいるほか、室内プールにサウナ付きスパ、売店やコンビニなど施設も充実しており、ホテル館内だけでリゾートを満喫できる。
サウナ付きの大浴場「浜の湯」。海を見ながらゆったりとくつろげる
支度も後片付けもなく、好きな食材をテラス席で楽しめるバーべキュー
お礼の品の宿泊プランは、夕食・朝食、さらにアロマボディエステをセットした1泊2日ステイ。60分のハンドマッサージでアロマの香りに癒される夢心地のひと時が、日常の疲れを解き放ってくれるだろう。
バラエティに富むレストランは4種類。バイキング形式で好きなものを好きなだけいただける。一部のレストランでは沖縄食材を使ったアラカルトメニューもある
リラクゼーション&マッサージ月桃にて10種類のアロマオイルから選んで行うリラックスマッサージ
2軒目は「沖縄かりゆしリゾートEXES恩納」。高台に位置するラグジュアリー感のあふれるホテルだ。部屋数は90とやや小規模だが、492室を有する同グループの「沖縄かりゆしビーチリゾート・オーシャンスパ」と渡り廊下で隣接しており、プールやレストランなど設備が共用できるようになっている。
お礼の品としてご用意したのは、沖縄かりゆしリゾートEXES恩納のプレミアツインルーム。なんと59㎡の広さを誇る。小上がりとなっている畳スペースは、和洋折衷の旅館のような空気も醸し出していて居心地の良い空間だ。3名以上の利用の場合でも、備え付けの収納式ベッドで快適に過ごせる。
小上がりの畳スペースで寝転んでリラックスできるお部屋
お礼の品は、寄付金額に応じて1〜3泊と選べるが、おすすめは3泊。館内の施設やアクティビティで使えるEカードがセットされており、ホテル滞在の楽しみがより広がるだろう。
セットの朝食は日替わりのビュッフェ形式。自社ファームで収穫された野菜をはじめ、県産食材でつくられたバラエティ豊かなラインナップだ。卵料理はテーブルオーダーでメニューが選べる。
朝食はバイキングでお好きなものを
副総支配人の古庄 泉さんと、マネージャーの豊島千登世さんいわく「エッグベネディクトが特に絶品」とのこと。旅行サイトの朝食ランキング1位を獲得した実力をご賞味あれ。
イチオシのエッグベネディクト。出来立てをいただける
副総支配人の古庄さん(右)と、セールス&マーケティング室マネージャーの豊島さん
恩納ガラス工房オリジナル 多色使いの美しい琉球ガラス 最後にご紹介するのは、現代の名工・宮國次男さんが制作した「琉球ガラス」のペアグラス。50年以上を琉球ガラス製作とともに歩んできた宮國さんは、沖縄ではじめて琉球ガラスの体験工房を構えた人物だ。
現代の名工・宮國さん。ガラスに関する多くの特許を有するだけでなく「現代の名工」「最優秀賞県産品賞」など、その受賞歴は枚挙にいとまがない
陶器のように厚いガラスから、薄張のように軽い飲み口のものまで自在に作りあげる技術と、その手から生み出される多彩な色使いは、宮國さん独自のもの。特に深みのある赤色が特徴で、この色が出せるのは沖縄では宮國さんだけだという。工房に併設された店内には、実用品からアート作品まで所狭しと作品が並び、その多様さは驚嘆に値する。
今回ご用意したのは、恩納村の海のサンゴや泡波を思わせる色とりどりの線が印象的なグラス。
すべての品が手づくりで、一点もの。自分だけの本物の琉球ガラスを持ちたい方に、ぜひ手に取ってほしい。
日に透かせると、まるでステンドグラスのように得もいわれぬ美しい光を放つ。いつまでも眺めていたくなるようなグラスだ