東京都のほぼ中央に位置し、23区と多摩地区を結ぶ東京の〝芯〞となっている武蔵野市は、3つの魅力あふれるエリアで構成されている。井の頭恩賜公園があり、住みたいまちランキングの常連ともいえる吉祥寺と、多くの企業が集まる三鷹、農地などもあり、落ち着いた雰囲気の武蔵境の3つだ。それぞれのエリアには、全国でも指折りの名店が並び、同市の返礼品でもその一端を見ることができる。

なかでも人気の品は、根強いファンを持つ「志乃ざき」の蒲焼き。昭和12年、初代店主が食堂を始めたところ、お客さんから「うなぎが食べたい」との注文があり、天然のうなぎを扱いはじめたのがきっかけ。その後、三代目当主、篠崎賢治さんの代になるまで、うなぎ一筋、老舗名店としての地位を築くまでになった。

志乃ざきでは、鹿児島大隈地区で育った脂の乗ったうなぎを使い、うなぎから出る旨みとふくよかな香りが加わった継ぎ足しの秘伝だれで付け焼きする。うなぎ本来の旨みと甘みが引き立つ洗練された味付けで、宮崎県産の備長炭で焼いた蒲焼きは、皮目が香ばしく、身はふっくらやわらか。一度食べたら、やみつきになる味だ。

「毎朝、生きたうなぎをさばいて、熟練した職人が一つひとつ丁寧に焼き上げていますので、志乃ざきの蒲焼きを存分にご賞味ください」（篠崎さん）