兵庫県中西部に位置し、高い山々に囲まれた、豊かな自然と清流が魅力の宍粟市。市内に水源をもつ千種川は、環境省が定める「名水百選」に選ばれ、流域には美しい自然景観が残る。

同じく市内に水源をもつ揖保川は、手延そうめん「揖保乃糸」の名前の由来となっている。その水系には、ミネラル分を多く含み、寿命が延びる水といわれる「延命水」や、千年も前から飲用されてきたといわれる「千年水」などの名水がある。

こうした豊かな水と自然を生かし製造される揖保乃糸は、600年受け継がれる伝統の製法で市内の製造所にて作られている。手延べと熟成を重ねながら、縄状に縒りをかけて延ばす作業を繰り返す工程が特徴。これが揖保乃糸のおいしさの秘密といわれる、茹で伸びしにくく滑らかな舌触りで、コシがある歯切れのよい食感を生み出す。

夏はもちろん、寒い冬も、にゅうめん、あんかけなど、調理方法は無限だ。「にゅうめんにしてもおいしいです。和風だしもおいしいですが、コンソメスープにベーコンやレタスと一緒に入れるとシャキシャキとした食感が揖保乃糸と相性抜群です」と揖保乃糸を取り扱う「マルキ」担当者の八木さん。「揖保乃糸は素麺の中で断トツの品！」とリピーターの声も続々と届いている。

宍粟の豊かな水と昼夜の寒暖差が大きい気候風土は、宍粟の発酵文化を支え、日本酒のおいしさを醸し出している。同市が日本酒発祥の地といわれる由縁は、現存する風土記の中で日本酒について最古の記述がある『播磨国風土記』の一節による。

「播州一献大吟醸」は、精米歩合を40%まで磨いた兵庫県産山田錦を使用し、じっくりと手間ひまかけて造り上げた香り豊かな大吟醸酒だ。

「播州の良質の米・水・環境を使い、地酒本来の持つ良さを大切に醸したお酒を一滴どうぞ、という想いで生まれた大吟醸です」と「山陽盃酒造」の七代目杜氏の壺阪雄一さん。

「老松おもむきセット」の「三笑」は、宍粟市産夢錦を使用した、酸味と旨みがたっぷりの純米吟醸酒。「老松酒造」担当者の前野久美子さんは「三つ笑うと書いて『さんしょう』と読みます。かつて老松酒造三代目が造った幻のお酒『三笑』を復活させました。肉料理や煮物料理によく合います」と話す。

宍粟の天然水（淡水）のみで成魚まで育てた「森林（もり）のサーモン」。内臓を取り除いた状態の真空パックで発送されるうえ、事業者から直接電話で、捌き方を教えてもらうことも可能だ。「一尾丸ごと刺身にすると10人前ほど。おすすめの食べ方は、4、5人で半身を刺身、半身は焼いて食べてください」と「遊ファーム」担当者の石原千春さん。

サーモンをいつでもどこでもおいしく食べられるように開発された缶詰セットには、炊き込みご飯の素とお米も入っている。

日本酒との相性も抜群なので、一緒に食卓に並べてもらいたい。