熊本県の西部・天草諸島の玄関口に位置し、大小の島々で構成される上天草市。ほぼ全域が雲仙天草国立公園内に含まれ、“日本三大松島"の一つに数えられる天草・松島の風光明媚な景観が多くの人々を魅了してやまない。
有明海、八代海（不知火海）、東シナ海と三方を海に囲まれた上天草市は、動植物性プランクトンやミネラル分など栄養豊富な海域。豊かな漁場に育まれ、多種多様な海の幸が生産される。
中でも注目は、“フグの王様"と称される高級魚・トラフグ。加工、販売まで一貫して行う「天草海産」では、20数万匹のトラフグを養殖している。ここでは、ミネラル豊富な天草の海水をくみ上げ、巨大な水槽で飼育する陸上養殖にこだわっている。時化や赤潮など自然環境の変化による影響を受けにくく、水質を管理できるので、トラフグのストレスが軽減されるためだ。
養殖場の屋根には遮光ネットを張り、紫外線を遮断して日焼けを防止することで、美しい白身に仕上げる。また、ポンプで水流を起こして流れに逆らって泳がせ、トラフグの運動量を増加。引き締まった身を実現する。
餌にも一切の妥協を許さない。10年かけて改良を重ねたオリジナルの餌は、国産の鮮魚に、貝化石やニンニク、乳酸菌など栄養価の高い天然素材を配合したもの。フグの成長に合わせ、配合や与える量を調整している。
さらに毎月、獣医がトラフグの健康状態をチェック。専務の太田雄三さんは「長年の経験をもとに、健康を徹底管理しています」と、力強く語る。稚魚から2年間かけて育てられたトラフグの身は脂質が少なく、引き締まった身の食感と甘みが格別。そのおいしさは、全国の有名ホテルや百貨店、全国展開の寿司店など広く支持されている。返礼品「天草とらふぐてっさ・てっちり贅沢セット」で、トラフグの魅力を存分に堪能してみてほしい。

上天草市でトラフグの養殖を手掛けるもう一社が「むらた」。熊本県適正養殖業者認証を取得している同社でも陸上養殖を行っている。トラフグの成長を左右する餌も徹底して吟味。厳選した鮮魚を贅沢に使用し、魚粉やビタミンなどを配合した餌を与えている。
同社では近年、最新の急速凍結機「プロトン凍結機」を導入。電磁波と磁束の働きを利用し、解凍時に旨みの流出を防ぐ。さばきたての鮮度や風味、食感を保持するため、「白身が美しく、プリプリしている」と、料理のプロの間でも評判。返礼品の「吉宝ふぐ『鍋』セット」は、最高級のトラフグを鍋や雑炊、ヒレ酒などで気軽に味わえるセットだ。

車エビ養殖の発祥地でもある上天草市は、全国屈指の車エビの生産地。返礼品の「活き〆超急速冷凍車えび」は、乳酸菌と海藻から抽出した食物繊維の一種・フコイダンを配合した餌を与えて養殖した上天草産の車エビを、マイナス60度で瞬間冷凍した逸品だ。
鮮度と旨みを素早く閉じ込めているので、プリプリの食感と濃厚な味、上品な甘さが際立つ。刺身をはじめ、天ぷらや塩焼き、ボイルなど、どんな調理法でもおいしくいただける。

熊本が誇る畜産品も見逃せない。日本最大級の大きさを誇るブランド地鶏が「天草大王」。昭和初期に一度絶滅した後、10年の歳月をかけて復活させたことから“幻の地鶏"と呼ばれる。
海を見下ろす山あいにある「姫コッコ倶楽部」では、約1万羽の天草大王を飼育している。餌は天草の自然素材にこだわり、天草近海のイリコやチリメンジャコ、海藻、地元豆腐店のおからなどを配合。雛から120日間かけて飼育した天草大王だけを出荷している。
ストレスの少ない環境で手塩にかけて育てられた天草大王の肉は、艶やかな光沢があり、適度な弾力とジューシーな旨みが秀逸。九州各地の鶏料理が集結するイベント「チキフェス」で、2018年・19年に見事優勝した同社の天草大王は必食だ。返礼品「天草大王精肉セット」は解体後、スピーディに冷凍し、鮮度とおいしさをそのままお届け。水炊きはもちろん、鶏すき焼きや唐揚げなど多彩な調理法で堪能できる。
返礼品の「国産馬刺し（赤身）」は、新鮮な馬刺しの中でも、あっさりとした赤身だけを厳選。やわらかくクセがないので、幅広い世代に好まれること請け合いだ。また、赤身が多く、適度な脂肪分がある「熊本県産くまもとあか牛」もぜひ味わってみてほしい。高タンパク・低カロリーな和牛として全国的に注目されているあか牛は、和牛本来の旨みがたまらない。

温暖な気候に恵まれた上天草市は、太陽の光とミネラル豊富な潮風をいっぱいに浴びて育つ柑橘類も特産品の一つ。完全露地栽培の「みずの果樹園」でも、あまくさ晩柑や温州みかんなど、年間を通してさまざまな品種を栽培している。「柑橘類は甘いだけでなく、程よい酸味とのバランスが大切です」と話すのは代表の水野武晴さん。栽培歴60年の歴史で培った技術や勘をもとに、独自の“みずの基準"をクリアした果実だけを出荷している。
人気№1が「パール柑」。果肉がキラキラと輝くように美しいことから名付けられた熊本の特産品だ。果実の甘さにばらつきが出ないよう、果樹一本一本の糖度を細やかに計測。1月中旬に収穫後、貯蔵庫で数週間じっくり熟成して完熟させる。惜しみない手間と愛情をかけて育てたパール柑は、さっぱりとした上品な甘さと爽やかな酸味のバランスが絶妙。リピーター続出の逸品だ。
もう一つの人気商品が「不知火」。天候の影響を受けやすい品種で、降雨量が少ない場合は果樹1本1本に水を与えるなど細心の注意を払い、品質を管理している。濃厚ながらさっぱりとした後味で、つい1個、また1個と手が伸びてしまうおいしさ。内皮が薄く、皮ごと食べられる手軽さも魅力だ。

“日本三大松島"の一つ、天草・松島の絶景を満喫するなら、リゾートホテル「天草天空の船」へ。有明海に面しており、全室オーシャンビューという贅沢さである。夕暮れ時は、「日本の夕陽百選」の一つに選出されている天草・松島の夕日を眺望。一面が茜色に染まる光景は息をのむ美しさだ。
レストランでは、天草産や熊本県産の食材をふんだんに使った創作イタリアンを堪能できる。特別な日に、絶景を眺めながらラグジュアリーなひとときを過ごしてみてはいかがだろう。