ふるさと納税の干物をおいしく焼こう

ふるさと納税の干物をおいしく焼こう

ふるさと納税の返礼品は特産品を取り扱っているため、魚介類の種類も豊富です。

その土地ならではの干物などもあるので、ぜひお試しください。

ここでは、干物とは何か、干物の種類、干物にできる魚など基本的な情報に加え、おいしい焼き方や正しい食べ方・マナーについても詳しく解説します。

干物とは

「干物」とは、魚介類に塩を振る、もしくは塩水に浸け、乾燥させて水分を抜いたものです。似たものに「乾物」がありますが、一般的には「海藻や野菜を乾燥させたものを「乾物」、魚介類を乾燥させたものを「干物」と呼んでいる」(農林水産省ホームページより抜粋)ようです。

乾燥させるとメリットがいっぱい

(1)旨み成分を引き出せる

魚に含まれるたんぱく質が乾燥により分解され、旨み成分である「イノシン酸」と「グルタミン酸」などが作られます。この旨み成分は組み合わせることでさらに旨みを増す「旨みの相乗効果」が起こるため、よりおいしくなるのです。

また、水分の減少により味が濃くなり、味わい深くなります。

(2)栄養価が向上する

干物は基本的に日光に当てて「天日干し」と呼ばれる天日乾燥を行います。

日光を浴びることでカルシウムの吸収を助けるビタミンDの生成が進み、より効率的にカルシウムを摂取できるようになります。

(3)保存期間が長くなる

魚は生魚のままでは冷蔵庫に入れても1~2日で食べなければいけません。

しかし、干物は冷凍すると1か月程度の長期保存が可能です。なお、冷蔵の場合は5日以内に食べきりましょう。

日に干せば干物になる?

生魚を買ってきて、ベランダで干せば干物になるのでしょうか?

答えは「No」です。

干物はやみくもに干せばいいというものではなく、きちんと下処理をしないと腐らせてしまいます。

下処理とは、魚のエラや内臓、うろこを取ったり、10~15%程度の濃度の塩水に浸けたり、などの事前準備のことです。

温度管理も大切です。

あまりに高温だと水分が飛びすぎることに加え、干物になる前に魚が傷んでしまいます。

そのほか、食中毒の心配や、干している間に鳥に食べられてしまうこともあります。

しっかり対策すれば自作できない事はありませんが、おいしく手軽に干物を楽しむならばスーパーで購入したり、ふるさと納税の返礼品で選んだりすることをおすすめします。

干物の種類って知ってる?

「干物」と一口に言っても、製法によっていくつかの種類に分けられます。

それぞれ特徴が異なるので、ぜひお好みの干し方を見つけてください。

 

天日干し

日光と海風に当てて乾燥させる方法です。

太陽からの紫外線とミネラルを豊富に含む海風によって、旨み成分であるイノシン酸やグルタミン酸を含む分厚い膜が作られます。

この膜により、表面はしっかりと身が締まり、中身はふんわりとした食感のおいしい干物になります。

また、太陽光によって独特の飴色になり、見た目もおいしそうに仕上がります。

 

機械干し

機械で乾燥させる方法で、温風乾燥と冷風乾燥の2種類があります。

・温風乾燥:室温~50℃の温かい風をあてて水分を蒸発させる。

・冷風乾燥:15~35℃の除湿した空気を循環させて水分を蒸発させる

現在は、冷風乾燥が干物製造の主流となっています。

機械干しは天候に左右されることがなく、見た目もきれいに仕上がり大量生産が可能だからです。

 

一夜干し

天日干しと反対に、夜、屋外で乾燥させる方法です。

日光に当てないため水分が多く残り、魚の脂が酸化しにくくなります。その分、生魚に近い食感でありながら凝縮した旨みを味わえます。

 

丸干し

魚の内臓を取らずに丸ごと干して乾燥させる方法です。

小型の魚で行われることが多く、内臓の栄養をそのまま摂取できます。

 

開き干し

内臓を取り除き、開きにした状態で乾燥させる方法です。

内臓の苦みがなく、スッキリとした味わいです。

 

みりん干し

下処理を行った魚に醤油、砂糖などを加えたみりんの調味液に浸けてから干す方法で、「桜干し」とも呼ばれます。

みりん干しというと「赤い色の干物」というイメージがあるかもしれませんが、実は、業者がカラメル色素を使って後から色付けしています。

地域によっては、黒っぽい色のみりん干しもあります。

 

煮干し

乾燥させてから味を付けるのではなく、魚を煮て味を付けた後に干す方法です。

主に出汁を取る材料として使われますが、そのまま食べることもできます。

 

灰干し

魚を紙で包み、火山灰を周りに敷き詰めて水分を吸収させる方法です。

他の方法よりも時間をかけて水分を均一に飛ばすため、魚本来の成分変化が少なく、色が変わりにくい干物です。

 

✔文化干しってどんな干物?

スーパーなどで「サバの文化干し」などの商品を見ることがありますが、文化干しは干物の種類ではなく、梱包方法に名称の由来があると言われています。

昔、新聞紙に包んだり木箱に入れたりした状態で販売していた干物をセロファンに包んで販売したところ、見た目が美しく画期的で時代の先端をいく「文化的」な印象を与えるとされ、セロファンで包んだ干物を「文化干し」と呼ぶようになりました。

なお、現在では機械干しの冷風乾燥した干物を「文化干し」と呼ぶことが多いようです。

干物にできる魚とは

どんな魚でも、新鮮かつ適切な下処理を行えば干物にできます。

中でも、以下の条件を満たす魚は干物に向いていると言えます。

(1)新鮮で身がふっくらとしている

(2)皮に適度な脂分が含まれている

季節に合わせた旬の魚は2条件を満たし、特においしく食べられます。

四季に合わせた旬の魚を紹介しますので、ぜひ食べてみてくださいね。また、干物の種類ごとによく使われる魚も一覧表にしました。

 

春(4~6月):アジや金目鯛

春のアジは脂がのっており、ご飯にも酒のつまみにも合います。

金目鯛は身の中まで脂があり、ふっくらと柔らかく、贅沢な一品です。

 

夏(7~9月):)ゴマサバやホッケ

夏のゴマサバは脂分がたっぷり。身に箸を入れるとじゅわっと脂が染み出し旨みがたっぷりです。

ホッケは脂の乗りの良さもさることながら、骨や皮からの身離れの良さも人気の理由のひとつです。

 

秋(10~12月):サンマやかます

秋のサンマは細い身がまるまると太り、脂分をしっかり蓄えています。

脂がたっぷり乗った白身魚のかますは、干物にすると上品な甘さが増します。

 

冬(1~3月):ブリやカレイ

ブリは干物にすると食感がホクホクになり、凝縮された旨みを感じられます。

カレイは種類によって一夜干しにされるものも多く、身は肉厚で柔らかく食べやすいです。

 

干物の種類別によく使われる魚は以下の通りです。

お好きな干し方でいろいろな魚を試してみるのも楽しいですね。

干物の種類

よく使われる魚

天日干し/機械干し

魚の種類を問わず使われる

一夜干し

カレイ、キンキ、サバ

丸干し

小アジ、めざし、カレイ

開き干し

サンマ、サバ、ホッケ

みりん干し

イワシ、ホッケ、アジ

煮干し

カタクチイワシ、真イワシ、しらす

灰干し

真アジ、イワシ、ニシン

干物のおいしい焼き方

干物は、ちょっとしたコツでとてもおいしく焼きあがります。

ここでは、フライパンを使用する場合とグリルを使用する場合に分けてご紹介します。

なお、冷凍の干物は凍ったままじっくり焼くと、旨みが流れ出さずに本来のおいしさを楽しめます。

 

フライパンで焼く場合のコツ:皮から焼く

フライパンを使用すると、後片付けが簡単でとても楽ですね。

みりん干しなど焦げやすい干物はフライパン調理が特におすすめです。

 

開き干しの焼き方

(1)フライパンにクッキングシートや魚焼き用のアルミシートを敷きます。

(2)魚を乗せる前に火をつけ、フライパンを少し温めておきます。

(3)フライパンが温まったら、必ず皮を下にして焼き始めます。火加減は、弱火~中火程度でじっくり火を通します。

(4)皮面に焦げ目が付き、身の半分程度まで火が通って白っぽくなったら裏返します。

(5)身にも火が通り、焼き色がついたら完成です。

 

小魚の丸干しの焼き方

クッキングシートなどは使わず、直接フライパンに入れて煎るように火を通します。

軽く焦げ目が付いたら完成です。

 

グリルで焼く場合のコツ:両面グリルの場合は「上火」に設定する

グリルで焼くと余計な脂が下に落ちるため、脂質を控えたい方におすすめです。

 

(1)網にサラダ油(もしくは酢)を塗ります。

(2)グリルに火を入れ、十分温めておきます。

(3)グリルの場合は身から焼きます。身を上にし、中火で火を通します。

(4)身の表面に焼き色がついたら裏返し、弱火~中火でじっくり火を通します。

(5)皮に焼き目がついたら完成です。

今更聞けない?!干物の食べ方

「干物はおいしいけれど、食べ方がよくわからない」という方もいると思います。

マナーに則って、正しい手順で食べると美しく、さらにおいしく食べられます。

干物を食べる時のマナー

①家で焼いて食卓に出すときは、頭を左にして出す

日本料理には、「左上位」の考え方があるからです。

②身をひっくり返さない

皮を一気に剥がしてしまおうとして身をひっくり返す方がいますが、やめておきましょう。

③口の中の小骨は箸を使って出す

食べている身の中に骨があった場合、手で口元を隠しながら箸を使って口から出します。出した骨は、お皿の隅に置いておきましょう。

④残った皮や骨はまとめて皿の左上に置く

残った頭や皮、骨は、小さくたたんでお皿の左上にまとめます。

⑤手は使ってOK!

背骨など大きな骨を取る時に頭を押さえるなど、手を使うのはマナー違反ではありません。汚れた手はおしぼりなどで拭きます。

正しい手順

①干物は手前側の身(「上身」と言います)から食べます。身が取りにくい時は、手で頭を押さえましょう。

②上身を食べ終わったら、奥の方の身(「下身」と言います)を食べます。干物の向きを変えたり、裏返したりはしません。

③頭と身を繋ぐ骨を折り、大きな背骨を取り除きます。外した骨は半分以下程度の長さに折り、皿の左上に置きます。

④下身を食べます。お腹の部分の斜めに長い骨がある場所は無理に食べなくても大丈夫ですが、おいしい部分でもあるので家で食べる時はぜひトライしてください。

⑤残った皮や骨を皿の左上に小さくまとめ、上に頭を置きます。

 

マナーや正しい手順にガチガチにこだわる必要はありませんが、知っておくと干物をより美しく、ムダなく、おいしく食べられます。

ふるさと納税の返礼品で干物が届いたら、ぜひ少しだけでも意識してみてくださいね。

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※こちらに掲載している返礼品は2024年3月時点のものです。寄付金額が変更されている可能性がありますので予めご了承ください。

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