ふるさと納税に係る一時所得の計算方法5個|返礼品価格の見極め方のポイント

ふるさと納税に係る一時所得の計算方法5個|返礼品価格の見極め方のポイント

そもそもふるさと納税とは

「ふるさと納税」とは、端的に言うと「自分が応援したいと思う自治体に寄附ができる仕組み」です。また、その寄附金とほぼ同額が税金から控除されたり、還付を受けられたりすることがメリットでもあります。


各種手続きは必要ですが、控除上限額内の寄附であれば自己負担額は2,000円となります。また、自治体によっては寄附金額に応じて返礼品をもらえるため、寄附した人にとって魅力的な仕組みと言えます。


ただし、控除上限額は、各家庭の家族構成や年収によって異なりますので、控除額シミュレーションなどを利用して、上限額を算出しておきましょう。

一時所得とは

ふるさと納税によって自治体へ寄附した場合の返礼品は、その価格に相当する金額が「一時所得」となります。


一時所得とは利益目的の行為をとらずに得られた臨時的な所得です。たとえば、競馬や競輪による払い戻し金や懸賞金なども一時所得にあたります。


なお、一時所得の場合、50万円までは特別控除が受けられることになっています。

ふるさと納税に係る一時所得の計算方法5個

ふるさと納税の返礼品が一時所得となるのは前述の通りですが、その金額を知るためには計算する必要があります。


ここでは、ふるさと納税の返礼品に係る一時所得の計算方法を5つご紹介します。


一時所得の計算方法を知っておけば、ふるさと納税の返礼品分を調整することも可能になりますので、ぜひ計算方法を覚えておきましょう。

一時所得の計算方法1:一時所得の1/2が総合課税の対象

一時所得の1/2が総合課税対象となることを利用した計算方法です。


総合課税の計算方法は他の給与や年金と同じ方法ですが、一時所得では1/2が課税対象となることから、納税者にとって有利な制度と言えるでしょう。


たとえば、控除分などを差し引いて200万円の一時所得があった場合は、200万円×1/2で100万円が総合課税の対象となります。

一時所得の計算方法2:他の一時所得も合算する

先に触れたように、「一時所得」となるのはふるさと納税の返礼品をはじめ、懸賞金や競馬払戻金、または法人からの贈与による金品、さらには生命保険の一時金などです。


これらをすべて単体で計算するのではなく、ふるさと納税の返礼品の価格とその他の一時所得を合算して算出します。

一時所得の計算方法3:50万円の控除がある

一時所得には、最高限度額で50万円の特別控除があります。ただし、この50万円の特別控除は、それぞれの所得ごとではなく、一時所得全体に対しての金額となります。


たとえば、生命保険の一時受け取り金として、保険Aで300万円の利益があったとします。その際、別の保険Bで50万円の損失があった場合の一時金は「300万円-50万円(損失分)-50万円(特別控除額)=200万円」となり、一時所得は200万円という計算になります。

一時所得の計算方法4:寄附金額ではなく返礼品額が対象

ふるさと納税においては、実際の寄附金額ではなく、返礼品の金額が対象となります。


返礼品による収入と他の一時所得を合算して、そこから支出額と特別控除額(上限50万円)を差し引いた金額が一時所得となります。


つまり、返礼品の金額が50万円を超える場合が課税対象となるため、ふるさと納税だけの一時所得では、ほとんどの方は課税対象額がゼロになるでしょう。

一時所得の計算方法5:返礼品額が50万円を超えると課税対象

ふるさと納税の返礼品額が50万円を超えた場合は課税対象となります。前述したように、ふるさと納税の場合、寄附金額ではなく返礼品の価格が一時所得の対象となり、特別控除として上限50万円までが控除となります。


そのため、返礼品額とそれ以外の一時所得の合算が特別控除の上限50万円を超えてしまうと、課税対象になります。


ふるさと納税の返礼品を選ぶ際は、一時所得の合算が50万円を超えないように価格を抑えることがポイントと言えるでしょう。

ふるさと納税の返礼品価格の見極め方のポイント3つ

ここからは、ふるさと納税の返礼品価格の見極め方のポイントを3つご紹介します。


ここまで読み進めて、「いざ、ふるさと納税をはじめよう!」と考えたとき、たくさんある返礼品をどのように見極めれば良いのか悩む方は多いでしょう。


そんな時に、どのような点に着目して返礼品を選べば良いかなど、以下で詳しく見て行きましょう。

ふるさと納税の見極め方のポイント1:基本は時価

返礼品の金額は、基本的に時価となります。


したがって、税務上の一時所得となる返礼品の額を「寄附額の3割」と単純に計算するのではなく、各自治体に確認するなどして、適正な価格(時価)を出した上で、一時所得額を計算する必要が出てきます。


ちなみに、時価とはその利益(返礼品)を享受した時点での価格を指しますので、返礼品を受け取った時の金額が対象となります。

ふるさと納税の見極め方のポイント2:商品サイトで調べる

返礼品の価格を知るために、ふるさと納税の商品サイトで調べるのもおすすめです。


もちろん、直接自治体に返礼品の価格を聞くこともできますが、「何となくお金のことを聞きにくい」という方も多いのではないでしょうか。そのような場合は、商品サイトに返礼品の情報や価格などが記載されていることがあるので、確認してみましょう。


ただし、自分が受け取った返礼品と同じ品物だったとしても、各サイトによって寄附金額や返礼品の内容量が異なることもありますので、自分が利用するサイトの情報を確認するようにしましょう。

ふるさと納税の見極め方のポイント3:寄附金額の3割相当額のものを選ぶ

寄附金額の3割相当額の返礼品を選ぶということも、ふるさと納税の見極め方のポイントです。


ふるさと納税の返礼品については、以前は特に上限を設けておらず、各自治体が寄附金を集めようと魅力的な返礼品を提示するなどして豪華な返礼品争いが起きていました。


そのため、2019年6月に法が改定され、現在では税額控除の対象となる返礼品は、ふるさと納税の寄附金の「3割以下」の「地場産品」に限定されています。


しかし、いまだにそのルールが守られず高額になりそうな返礼品を用意している自治体もあります。50万円を超えないためにも、寄附金額の3割相当の返礼品を見極めましょう。

ふるさと納税以外の一時所得例5つ

ふるさと納税の返礼品が一時所得とされるのは、ここまで見て来た通りです。しかしながら、一時所得を全体の合算で出す場合など、他にどのようなものが一時所得に当たるのかを知っておく必要があるでしょう。


ここでは、ふるさと納税以外の一時所得例を5つご紹介しますので、参考にしてください。

一時所得例1:懸賞や福引の賞金品

懸賞や福引の賞金品は、一時所得に当たります。


テレビや雑誌、ネットなど私たちの身近にある色々な懸賞や福引で、現金が賞品になっていることがありますが、その場合は当たった金額がそのまま一時所得に当たります。


また、賞金ではなく賞品が当たった場合も一時所得になります。この場合の計算方法は国税庁のページに記載されていますので、確認しましょう。

一時所得例2:法人から贈与された金品

法人から贈与された金品も、一時所得に当たります。


ただし、法人から贈与された金品であっても、業務に関して受けるものや継続的に受けているものは除きます。業務に関して受け取るものや継続的に受け取るものとは、給与所得や事業所得です。


個人が法人から贈与によって取得した財産は一時所得となるため、贈与税がかからなくなります。贈与税とは相続税を補完するための税金であるため、受け取る側も贈与する側も個人であるとされているからです。

一時所得例3:競馬・競輪の払戻金

競馬や競輪で儲かった場合の払戻金や、競艇やオートレースなどの払戻金も一時所得の対象となります。


ただし、払戻金すべてが一時所得となるわけでなく、収入を得るために使ったお金や特別控除額の上限50万円は差し引くことが可能です。


競馬や競輪などで儲かった場合に課税されることを知らないという方も多いのではないでしょうか。この機会に、しっかりと覚えておきましょう。

一時所得例4:生命保険の一時金等

生命保険の一時金なども、一時所得に当たります。


自分で保険料を支払い、保険満期が来て一時金として受け取った場合、その金額が一時所得になります。


ただし、保険期間が5年以下の一時払いの養老保険や、保険期間が5年超で5年以内に解約されたものの場合は、所得税源泉徴収のみで課税が終了することになります。

一時所得例5:遺失物拾得者が受ける報労金等

遺失物拾得者が受ける報労金なども、一時所得に当たります。


例えば、財布や現金などを拾って交番に届け、一定期間持ち主が出てこなかった場合に「報労金」がもらえますが、この報労金も一時所得となります。


また、埋蔵物や埋蔵金が見つかった場合にも、一時所得としての扱いになります。

ふるさと納税の一時所得について理解を深めよう

本記事では、「ふるさと納税」に係る一時金について見てきました。


応援したい自治体へ寄附することで返礼品がもらえるふるさと納税は、寄附する側にもメリットが多く魅力的な仕組みですが、返礼品価格は一時所得として扱われます。


しかし、返礼品価格がそのまま課税対象となるわけではありません。そこから特別控除を上限50万円まで差し引いたり、残額の1/2が総合課税対象となるなど、納税者に有利な仕組みとなっていることをお分かりいただけたでしょうか。


ふるさと納税に興味のある方は、返礼品を調べるとともに、ふるさと納税の一時所得についての理解を深めましょう。

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