ふるさと納税をした年に引っ越したら、追加手続きが必要か確認しよう!

ふるさと納税は寄付することで返礼品をもらえたり、寄付金控除が受けられたりするなどのメリットがある制度です。
「ふるさと納税をしてから引っ越しをして住所が変わった」という方は、追加で手続きが必要になる場合があります。
この記事では、追加手続きが必要になるケースや手続きの内容について詳しく解説します。
手続きを忘れてしまうと寄付金控除が受けられなくなる可能性があるので、確認してみてください。

目次

ふるさと納税「引っ越し」で必要な手続き

ふるさと納税で好きな自治体に寄付をすると、翌年に所得税還付や住民税控除などの寄付金控除を受けることができます。
寄付金控除を受けるためには、ワンストップ特例制度や確定申告を行う必要がありますが、ふるさと納税をした年に、引っ越しをして住所が変わると追加の手続きが必要になる場合があります。
引っ越しのタイミングや返礼品を受け取っているかどうかなどで追加手続きが必要か不要か、そして手続きが必要な場合はその内容も変わります。
手続きの要・不要は、次のようなケースにわけられます。

引っ越した時期 引っ越しのケース 手続き
ふるさと納税をした年 引っ越し後に返礼品を受け取った→ケース①
返礼品を受け取る前に引っ越した→ケース②
同じ市区町村か海外に引っ越した→ケース③ 不要
ふるさと納税をした年以外 ケース④ 不要

上記の表でご自身がどのケースに当てはまるかを確認してみましょう。
このあと、それぞれのケースについて詳しく解説します。

ケース①
ふるさと納税をした年に引っ越し、返礼品も受け取っている

ワンストップ特例制度を利用した場合

ワンストップ特例制度とは

確定申告を行わずに税金の控除が受けられる制度です。
「1年間に寄付した自治体が5つ以内である」などの適用条件を満たしていれば、確定申告を行わなくて済むといったメリットがあります。ふるさと納税を行った年の翌年1月10日までに、寄付先の自治体に申請書を提出します。

引っ越したタイミングが申請書を提出する前か、それとも申請書を提出した後なのかで必要な手続きが変わります。

申請書の提出前に引っ越し

まだ申請書を提出していない場合は、新しい住所を記載した「申告特例申請書」を寄付先の自治体に提出します。申告特例申請書は引っ越しの有無に関わらず、ワンストップ特例制度を利用する場合は必ず提出しなければならない書類です。

申請書の提出後に引っ越し

すでに申請書を寄付先の自治体に提出していた場合は、翌年の1月10日までにそれぞれの自治体に「寄付金税額控除に係る申告特例申請事項変更届出書」を提出する必要があります。
申請の手順については、後述する申告書変更届の提出方法と手順を解説!で説明します。
なお、手元に引っ越し前の住所が記載された申請書がある場合は、住所に二重線を引いて印を押し、空いているスペースに新しい住所を記載して提出することもできます。
※申請書は、各自治体の公式ホームページやふるさと納税サイトからダウンロードできます

確定申告をする場合

ワンストップ特例制度を利用せず、確定申告をする予定の方は手続きの必要はありません
確定申告では、ふるさと納税の返礼品と一緒に送られてくる「寄付金受領証明書」を添付する必要があります。「寄付金受領証明書」は住所の記載がないため、引っ越し前に行ったふるさと納税でも住所変更の必要はありません。
ただし自治体によっては住所が記載された「寄付金受領証明書」を発行している場合があります。寄付金受領証明書と引っ越し先の住所が異なっていても、確定申告では特に問題はありませんが、旧住所のままでは不安という方は、寄付先の自治体に連絡して新住所で再発行してもらいましょう。

ケース②
ふるさと納税をした年に引っ越し、返礼品はまだ受け取っていない(引っ越し先で受け取る)

自治体に住所変更の連絡をする
ふるさと納税をしてから、まだ返礼品を受け取っていない場合は、すぐに寄付先の自治体に返礼品を新住所に送ってもらうよう連絡をしましょう。
ふるさと納税の返礼品は、それほど日数がかからずに届くものもあれば、季節に合わせて発送したり、人気の返礼品だと企業に発送を任せていたりする場合があります。中には発送までに数ヶ月かかることもあり、ふるさと納税を行ったタイミングと返礼品の受け取りに大きなタイムラグが発生することがあります。この間に引っ越しをすると受け取りが間に合わないということが起こります。
連絡を忘れると旧住所に返礼品が届いてしまう可能性があるので、なるべく早めに自治体に連絡をしましょう。

返礼品の発送先の住所変更と、税金控除の追加手続きは関係がありません。上記の住所変更をした場合でも、次に説明する追加手続きが必要な方は、その手続きも忘れずに行いましょう。

ワンストップ特例制度を利用した場合

ケース①と同様です。
申請書をまだ提出していない場合は、「申告特例申請書」をダウンロードし新しい住所を記載して提出します。
申請書を提出している場合は、「申告特例申請事項変更届出書」をダウンロードし、新しい住所を記載して寄付先の自治体に郵送します。

確定申告をする場合

ケース①と同様、追加の手続きは不要です。
ただし確定申告に必要な「寄付金受領証明書」は返礼品と一緒に送られてくるので、返礼品を新しい住所に送ってもらうよう自治体に連絡し、「寄付金受領書」の受け取りを忘れないようにしましょう。
先述した通り、「寄付金受領証明書」には住所の記載がないのでそのまま提出できます。「寄付金受領証明書」に旧住所が記載されている場合もありますが、特に問題はありません。心配な方は新住所で再発行してもらいましょう。

ケース③
同じ市区町村、あるいは海外に引っ越した

同じ市区町村に引っ越した場合

住民税の計算は市区町村ごとに行われます。 そのため、同じ市区町村内で引っ越しをした場合、住民税の納付先は変わらないためふるさと納税に関する手続きは不要で、税金の控除も行われます。 ただし、返礼品の受け取りがまだの場合は、寄付先の自治体に住所変更の連絡をして、引っ越し先に届けてもらいましょう。

海外へ引っ越した場合

ふるさと納税をした後に、海外へ引っ越した場合も住所変更の手続きは不要です。
ふるさと納税の寄付金控除は、ふるさと納税を行った翌年の1月1日時点の住所の自治体が納税先となります。
例えば、2022年にふるさと納税を行い、その年の12月25日に海外に引っ越した場合、翌年の1月1日時点で日本に在籍していません。そのため納税義務はなくなり、控除を受けることができません。
この場合、ふるさと納税を行っても税金控除のメリットはなくなるので注意しましょう。

一方、例えば2022年にふるさと納税を行って、翌年の1月5日に海外に引っ越した場合は、1月1日時点で日本に在籍していたため住民税の納税義務があり、従って控除を受けることができます。

海外へ引っ越す予定がある年のふるさと納税は、寄付金控除のメリットが受けられなくなる可能性があるので、ふるさと納税は海外への引っ越しがない年に行うといいでしょう。

ケース④
ふるさと納税をしていない年に引っ越した場合は?

ふるさと納税を行った年に引っ越しをしていなければ、ワンストップ特例制度を利用している場合でも、確定申告をする場合でも追加手続きは必要ありません。
先述の【海外へ引っ越した場合】でも説明した通り、ふるさと納税の寄付金控除はふるさと納税を行った翌年の1月1日時点の住所の自治体が納税先となります。
そのため例えば、ふるさと納税を行った年の12月25日に引っ越したとしても「転出・転入届」を翌年の1月5日に提出した場合は、1月1日時点の住所が引っ越し前の住所になるので、引っ越しをしていない場合と同じになり、追加手続きの必要もありません。
ただし、引っ越し後にまだ返礼品を受け取っていない場合は、寄付先の自治体に連絡して新しい住所に送ってもらうよう住所変更をしてもらいましょう。

申告書変更届の提出方法と手順を解説!

ケースでワンストップ特例制度を利用して、申請書の提出後に引っ越した場合に必要な手続きが「申請特例事項変更提出届出書」の提出です。
届出に必要な書類なども合わせてこの手続きの手順と提出方法を紹介します。

ステップ①「申告特例事項変更提出届出書」を入手する

申告特例事項変更提出届出書は各自治体の公式ホームページやふるさと納税サイト、総務省公式サイトからダウンロードすることができます。
寄付先の自治体に依頼して郵送してもらうこともできますが、提出期限である翌年1月10日まで日がない場合はダウンロードで入手しましょう。

ステップ②「申告特例事項変更提出届出書」に必要事項を記入する

申告特例事項変更提出届出書に引っ越し先の住所と申請日、氏名、電話番号、生年月日、性別を記入し、押印します。
申告特例事項変更提出届出書はふるさと納税を行った自治体ごとに提出する必要があるので、複数の自治体に寄付した場合は自治体の数だけ用意し記入しましょう。

ステップ③必要書類を準備する

届出に必要な書類は、マイナンバーを確認する書類と申請者本人が確認できる書類です。
次の3つのうちいずれかの組み合わせでそろえる必要があります。

申告書変更届に必要な書類
パターンA パターンB パターンC
マイナンバーカードのコピー
・表面1枚
・裏面1枚
マイナンバーが記載されている住民票の写し マイナンバーが記載されている住民票の写し
次のうちいずれか1点
・運転免許証のコピー
・パスポートのコピー
次のうちいずれか2点
・健康保険証のコピー
・年金手帳のコピー
・寄付先の自治体が認める公的書類のコピー

【マイナンバーカードを持っている場合】→パターンA
写真付きのマイナンバーカードがあれば、表裏のそれぞれのコピーのみでOKです。
ただし結婚や引っ越しなどで記載事項に変更がある場合は必要書類として使えません。マイナンバーカードを使いたい場合は、先に変更してからコピーをとりましょう。

【マイナンバーカードを持っていない場合】→パターンB、C
マイナンバーの確認書類として、住民票(マイナンバーが記載されているもの)の写しを準備します。

申請者の本人確認書類は、次の写真付の身分証明書があればコピーを1点用意します。(パターンB)
・運転免許証
・運転経歴証明書
・パスポート
・障害者手帳(身体・精神・療育)
・在留カード
・特別永住者証明書
写真、氏名、生年月日、現住所がわかるようにコピーを取ってください。

写真付の身分証明書がない場合は、次のうち2点のコピーが必要です。(パターンC)
・公的医療保険の被保険者証(健康保険証)
・年金手帳
・各自治体が認めている確認書類
ワンストップ特例制度の申請では、住民票以外にマイナンバー通知カードのコピーも利用できますが、引っ越しをすると通知カードに記載されている住所と本人確認書類の住所が一致しないため、変更届の手続きでは利用することができません。
また住民票の写しも、異動手続きをして新しい住所が記載されている住民票の写しを用意しましょう。

ステップ④寄付先の自治体に郵送する

必要書類が準備できたら、記入済みの申告特例事項変更提出届出書とともにふるさと納税を行った自治体に郵送します。
ステップ②でも説明しましたが、申告特例事項変更提出届出書はふるさと納税をした自治体ごとに送る必要があります。複数の自治体に寄付した場合は、自治体ごとに変更届と必要書類を用意して郵送しましょう。
なおメールやファックスで受付けてはいないので、必ず郵送してください。心配な方は簡易書留で送るといいでしょう。

申告特例事項変更提出届出書はダウンロードですぐに入手できますが、提出は自治体に郵送しなければなりません。
郵送後、書類の不備、記載漏れがあると受理されるまでに時間がかかってしまいます。また郵送に時間がかかる可能性もあります。
送る前に
・必要書類はすべてそろっているか
・変更届に記入漏れや間違いはないか
・必要書類と変更届の氏名、住所は一致しているか
・郵送する自治体の住所は正しいか
などをしっかり確認し、申請期限(寄付した翌年1月10日)に間に合うよう余裕を持って提出しましょう。

ふるさと納税をして引っ越した時に注意すべきポイントとは

住民票の異動手続きは早めに行う

住民票の異動は、住民基本台帳法によって「引っ越しから14日以内に行うこと」と定められています。
住民票の異動が年をまたがる場合は、ふるさと納税の追加手続きが変わる可能性があるので注意しましょう。

ワンストップ特例制度を利用した場合は、申請期限までに住所変更を行う

ワンストップ特例制度の申請期限は、ふるさと納税を行った翌年の1月10日(必着)です。
すでに申請を終わらせている(自治体に申請書の送付が済んでいる)場合でも、その後引っ越した場合は、この期限までに住所変更をしておきましょう。
間に合わなかった場合は、ワンストップ特例制度が利用できず、自身で確定申告を行う必要が出てきます。

ふるさと納税の引っ越し手続きQ&A

Q.追加の手続きをしなかったら?

A.返礼品を受け取れない、寄付金控除が受けられない可能性があります
ワンストップ特例制度の申請後、変更の手続きをしないでいると、ふるさと納税をした年の住所と翌年の1月1日時点の住所が異なってしまうため寄付金控除が受けられなくなります。
また申請前に引っ越し、住所変更を伝えないままでいると、申請書が新しい住所に届かず、ワンストップ特例制度が利用できません。いずれの場合も確定申告を行わないと寄付金控除は受けられなくなります。
返礼品が届いていない場合、自治体に住所変更の連絡をしないと受け取れない可能性があります。

Q.ワンストップ特例制度で申請し引っ越したため変更届を提出、その後寄付先の自治体が5つを超えてしまったら??

A.翌年自身で確定申告を行います。取り消しの手続きをする必要はありません。
ワンストップ特例制度の適用条件は、寄付先の自治体が5つまでの場合です。
当初ワンストップ特例制度の申請をしていて、途中で住所が変わって変更届を送っていたとしても、寄付先の自治体が5つを超えた時点でワンストップ特例制度の申請は無効となります。取り消しの手続きをする必要はありません。翌年自身で確定申告を行ってください。

まとめ

ここまで、ふるさと納税をして引っ越した場合にどのような手続きが必要なのかについて解説しました。

追加手続きが必要な場合

・ふるさと納税をした年に引っ越しをして、ワンストップ特例制度を利用していた
→申告特例事項変更提出届出書を提出する
・ふるさと納税をした年に引っ越しをしたが、ワンストップ特例制度の申請はまだしていない
→新しい住所でワンストップ特例の申請をする

追加手続きが不要な場合

・同じ市区町村や海外へ引っ越した
・ふるさと納税をした年以外に引っ越した

住所変更が必要な場合

・返礼品が届いていない
→各自治体に連絡し、新しい住所に届けてもらうよう依頼する

・確定申告をする予定
→返礼品とともに届く「寄付金受領証明書」を受け取っていない場合は、新しい住所に届けてもらうよう依頼する

このようにふるさと納税は、引っ越しのタイミングによって手続きの内容が変わってきます。 必要な手続きを忘れると、ふるさと納税のメリットの一つである寄付金控除を受けることができなくなってしまいます。 引っ越しの予定がある場合は引っ越し後にふるさと納税をするといいでしょう。

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