ふるさと納税ニッポン!

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ふるさと納税の自治体担当者が東京に集結!

 2016年8月5日(金)、株式会社トラストバンク主催による『全国アツい!職員大集合会議』が東京・有楽町にある「ふるさとチョイスCafé」で開催され、北海道から九州まで日本全国より50を超える自治体、約70名の職員が集結した。
 会議は主に、質疑応答とグループディスカッションで構成され、最初に、ふるさと納税に関する事務処理について、質疑応答が行なわれた。例えば、マイナンバーなどの添付書類の処理方法や、お礼の品に寄せられる声など、自治体によって対応は全く違うという。ふるさと納税ならではの、実務で起こりうる悩みを持つ担当者からの質問に対し、経験の長い自治体担当者が丁寧に答えていた。次に、「もしもふるさと納税が終わったら……」という議題のもと、グループディスカッションが行なわれ、各担当者がふるさと納税の未来について熱く意見を出し合った。  全国トップクラスの寄付額を維持する長崎県平戸市で5年間ふるさと納税に携わってきたトラストバンクの黒瀬啓介氏(派遣元・長崎県平戸市)は、「ふるさと納税はあくまでツールであり、寄附金集めをゴールにしてはいけません。ふるさと納税を継続させていくためには、地域課題を解決するために集まった寄附金をどう活かすかが課題となるでしょう」と訴えた。
 同氏は、「人の“想い”がカギとなる」と強調する。生産者が商品に込める想いを伝えたり、寄付者の意思を反映した使い道を考えたりすること、つまり「人to人」を大切にすることが、今後のふるさと納税のあり方のカギになるのだという。

 同社が企画・運営するふるさと納税総合サイト「ふるさとチョイス」では、今年になって、家電など転売の畏れのある品の掲載を中止した。「換金性の高いお礼の品を自粛するように」という総務省の意向に同調し、制度の健全化を図る。また、クラウドファンディング(ある目的のため不特定多数から資金を集めるネットサービス)としての側面を強化していくという。同社では、自治体が行なうものを「ガバメントクラウドファンディング」と名付け、寄せられた寄付はふるさと納税の対象となる。
 会議ではガバメントクラウドファンディングを活用した、“起業支援”も紹介された。地方へ移住して、まちおこしを担う「地域おこし協力隊」は、平成27年度には全国で2,625人の隊員が活躍しているが、なかなか定住・定着できないという問題も起こっている。任期満了後の隊員が、定住・定着できるよう、総務省がふるさと納税を活用した寄付を通じて隊員の起業を応援する「クラウドファンディング官民連携事業」を今年4月にスタートさせた。また、長崎県平戸市では、創業支援対策事業として、すでに事例がある。起業者に対し、セミナー・相談会をしたり、ふるさと納税の“通販”に似た側面を、商品を実際に売買する「テストマーケティングの場」として活用したりすることで、BtoCビジネスに対応できる企業へと育てるという。

 災害時における、ふるさと納税の活用法としては、茨城県境町が、平成28年熊本地震の災害支援寄付金の代理受付をした、というニュースが記憶に新しい。2015年9月の台風18号による記録的豪雨で甚大な被害を受けた同町は、「ふるさとチョイス」の災害時緊急寄附申込みフォームから支援を募り、全国から多くの支援を受け取った。同町は、自分たちの経験をもとに「被害にあった自治体は、まず復興に尽力してほしい」と考え、ふるさと納税に関する煩雑な事務作業を被災地に代わって行なう「代理受付」をすると宣言した。約40超の自治体が後に続き、【合計55,069件、14億1千万円】(2016年8月8日時点)を超える善意の寄付が寄せられたという。

 「メディアの一部からは、ふるさと納税は過熱しすぎでは? といった、批判の声も聞こえるようになった。しかし、何をもって『過熱』と判断するのか。まだ実際にふるさと納税をしたことのない人が圧倒的に多いと言われており、全国の自治体と協力して健全に発展させるために醸成させ、ふるさと納税をさらに進化・創造していきたい」
 こう締めくくる、トラストバンクの代表取締役・須永珠代氏の言葉が印象的だった。
 たしかに、昨今のニュースでは「ふるさと納税=お礼の品競争」というイメージだけが強調されることが多い。しかし、自治体担当者が地域をPRする営業マンとなり、頭をひねり、汗をかいて、必死で取り組み、それがしっかりと結実しているということはあまり報道されていないのではないか。ふるさと納税の未来は決して暗いものではない。(写真・文/ふるさと納税ニッポン!編集部)

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