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貧困家庭を救う!ふるさと納税「こども宅食」(東京都文京区)

貧困家庭を救う!ふるさと納税「こども宅食」(東京都文京区)

厚生労働省が発表している日本の子どもの貧困率(2015年時点)は13.9パーセント、およそ7人に1人が貧困状態だという。子どもの貧困世帯へ直接食品を届ける「こども宅食」が2017年10月より文京区でスタートする。東京都文京区といえば、富裕層が住むイメージが強いのではないだろうか。区によると、区内における「児童扶養手当」受給世帯は約700世帯、「就学援助」受給世帯は約1000世帯に上る。華やかなイメージと違い「見えない貧困」が数字では確実に存在している。


「子ども食堂」で見えた課題

貧困層に食を提供する支援活動といえば、「子ども食堂」が全国的に広がり利用者を増やしている。しかし、地域のコミュニケーションの場として利用されることが多く、支援が必要な貧困世帯の利用はほとんどないというのが現状だ。貧困を周囲に知られる不安から利用に踏みとどまったり、「子ども食堂」の活動自体を知らないという問題があるのだと駒崎弘樹氏(認定NPO法人フローレンス代表理事)は言う。

ピンポイントで支援を行なう「こども宅食」

「こども宅食」では世帯情報を持つ行政とノウハウを持つ支援団体が協業することで、貧困世帯へピンポイントで支援を提供できる。支援の現場でこれまでハードルが高かったとされる利用登録は、LINE(ライン)を活用し、アンケートやクチコミで直接保護者とコミュニケーションを図っていく。また、希望者への配送を「周囲にわからない」ようにする配慮は、民間の運輸会社セイノーホールディングス株式会社が協力をする。


支援の内容とは

「こども宅食」は駒崎氏の呼びかけに共鳴した、官民6団体からなるコンソーシアム(※)が中心となり運営される。対象は、文京区内の児童扶養手当受給世帯(約700世帯)、就学援助受給世帯(約1000世帯)。区から対象世帯に対して書面でお知らせし、支援の希望者を募る。届けられる食品は、企業からの寄附と食品ロス(売れ残りや期限切れなど、食べられるのに廃棄されてしまう食品)の活用を軸に、1世帯当たり、米、飲料、調味料、お菓子等の計10kg。食品について、キリン株式会社やアルファー食品株式会社などがパートナー団体として本プロジェクトへ協力する。今年9月には、希望者に対する試験発送が行なわれ、10月から本格的にスタートさせる。

(※)認定NPO法人フローレンス、NPO法人キッズドア、一般社団法人RCF、一般財団法人村上財団、認定NPO法人日本ファンドレイジング協会、文京区


都市型自治体のふるさと納税

 文京区は「こども宅食」における配送料や今後の活動資金の財源として、ふるさと納税制度を活用するという。7月20日より「ふるさとチョイス」から申し込めるクラウドファンディングで、2000万円を目標に掲げ寄附を募っている。文京区はこれまで『姉妹都市カイザースラウテルン市の難民の若者への寄附』といった寄附活動に取り組み、ふるさと納税でも受付けてきた。成澤廣修(ひろのぶ)文京区長は「返礼品競争に一石を投じたい思いもありました」と胸の内を明かす。確かに、ふるさと納税で流出する税について、苦い思いをしてきた都市部の自治体は多い。全国初となる「官民」が協力して取り組む本プロジェクトが、都市型におけるふるさと納税のロールモデルとなるはずだ。イクメン区長として知られる成澤区長。「本プロジェクトの返礼品はない」とするが、なによりのリターンは「こどもたちの笑顔」だろう。文京区の返礼品は、プライスレスなのだ!
(取材・文/ふるさと納税ニッポン!編集部)

命をつなぐ「こども宅食」で、1000人のこどもと家族を救いたい!

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