ふるさと納税ニッポン!

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【ふるさと納税の未来を占う】<「日本一ふるさと納税を活用する男」が吼える!> 盛り上がりに冷や水を浴びせる総務省の「3割」通達

ふるさと納税の未来を占う〜「日本一ふるさと納税を活用する男」が吼える!〜
都市部の自治体はムダばかり
 2017年4月、総務省は「ふるさと納税の返礼品は、寄附額の3割以下の価格に抑えよ」という要請を各地方自治体に行いました。要するに、1万円の寄附に対する返礼品は3000円以下のものが望ましい、という通達です。
 ふるさと納税寄附額上位の自治体にとっては、あの手この手を使って、ようやくまちに活気が出始めた矢先なのに、無念千万の思いでしょう。私も、この盛り上がりに冷や水を浴びせることになる、国のこの方針を支持できません。
 この報道に先んじて、埼玉県所沢市の市長は「返礼品を得るのが目的化している」と自治体間の競争を批判し、返礼品の送付をやめると発表しました。また、埼玉県さいたま市の市長も、「ふるさと納税の制度設計について見直す必要がある」と言及。結局、ふるさと納税を批判しているのは、「住民税が流出すると住民サービスに影響が出る」と声高に不安をあおる自治体、そして「競争力のある特産品がない」「人手もない」と言い訳ばかりする自治体です。
 しかし、少し考えて頂きたい。  そもそも、ふるさと納税制度は、そういう性格の制度なのです。「都市部のお金を地方に」「住民税の2割を上限」として始められたもの。税が流出したと言っても、際限なく出るものではなく、日本人全員がふるさと納税をしたとしても、財源(全人口の住民税)のたった2割が流動化(減るわけではない)するだけなのです。
 地方の小さな自治体は、本当に財政が厳しい。爪に火を灯すようなやりくりをしても、鼻血も出ないほどお金がない。それに対し、都市部の自治体は、昨今の報道で既知の通り、ムダばかり。まだまだ仕分けができると思います。  「競争力のある特産品がない」と嘆くのもおかしい。同じ条件で成功している自治体は山ほどあり、寄附を多く集める自治体は、努力して「支持」を集めているのです。
 人手が足りなければ、臨時職員を雇うなりアウトソーシングするなり、手段はいくらでもあります。多少の投資も必要。お役所とはいえ、そのくらいの起業家精神がなければ、ふるさと納税の是非にかかわらず、行き先は暗いと言わざるを得ないでしょう。

感心した「グルメポイント」、いらない「表彰状」
 ふるさと納税制度は、とても「面白い」制度です。
 こう断言できるのは、私が誰よりもふるさと納税を活用しているからこそ言えること。私は単に「節税」目的だけで参加しているのではありません。普段、自分でお金を出してまで買おうと思わなかった食材、これまであまり興味を持ってこなかった食材でも、ふるさと納税なら思い切ってチャレンジできる。そして、思わぬ気付きや発見を得ることがあるのです。人生に潤いを与えてくれる制度だと思います。
 また、寄附の「使い道」が選べることも、ふるさと納税へのモチベーションになっています。広島県への寄附金で「犬の殺処分ゼロ運動」への支援ができるという取り組みは大変話題になりました。ふるさと納税は、地域が持っている有形無形のさまざまな資産をPRできる絶好のツール。私はマーケティングの専門家でもあるので、ふるさと納税で注目された返礼品や自治体の広告効果というものは、計り知れないものだと考えています。資産がなければ「課題」でもよいのです。神石高原町の場合は、まさに「課題」でした。これを解決する手段を募った好例です。
 返礼品の贈答は、一種の財政出動のようなもので、地域振興・雇用創出・内需拡大・景気刺激策として絶大な効果が見込めます。だからこそ、目先の利く各自治体は先を争うように返礼品の充実に努めているのだと思います。
 ちなみに、私が最近感心したのは、三重県の「グルメポイント」です。ポータルサイトの「ふるなび」と提携し、明和町に寄附するとポイントが付与され、そのポイントは、明和町の食材を使った都内の高級レストランの支払いに使えます。おかげで毎週、松坂牛のランチやディナーを楽しんでいます。こんな返礼品がどんどん増えるとよいと思います。
 では、どんな返礼品がいらないか。私は、自治体から高額寄附者として表彰していただくことが多いのですが、正直言って、あまりうれしくない。むしろ還元率の高い返礼品を用意してもらえるのが一番うれしい。
 ふるさと納税は高所得者優遇だ、という声もよく聞きますが、これもピントがずれています。高所得者は、ふるさと納税の有り無しにかかわらず、さまざまな節税を考えるし、実際に行ってます。ふるさと納税における節税なんて、本当に微々たるものなのです。そんなことを批判するよりも、高所得者のお金を上手に利用することを考えたほうがよい。それには「お得な返礼品」という特典やアイデアが必要なのです。
 だからこそ、返礼品は寄附額の3割以下にせよ、という今回の総務省の通達は残念で仕方がありません。

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