ふるさと納税ニッポン!

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彩ちゃん先生が手取り足取り教える

自営業者と年金生活者のための
ふるさと納税丸わかりガイド

彩ちゃん先生が手取り足取り教える

自営業者と年金生活者のためのふるさと納税丸わかりガイド

「やらなきゃ損!」とブームに拍車がかかる、ふるさと納税制度。
会社員には、寄付の目安額一覧表があったり、確定申告が不要になる特例制度ができたりと、同制度に対するハードルは大幅に下がったが、自営業者や年金生活者には、どうなのだろう。
実際、編集部への問い合わせも多い。
そこで、「彩ちゃん先生」としてテレビや雑誌で活躍中の家計のプロ、前野彩さんに話を聞いてみた。

彩ちゃん先生
彩ちゃん先生

前野 彩
(まえの あや)
ファイナンシャル
プランナー

自営業者の寄付金額の目安はこれだ!

 「自己負担が2000円で済む、最もオトクな寄付目安額はいくらですか?」
 ふるさと納税に関するセミナーでよくいただく質問は、これです。
 会社員の目安額は、本サイトの早見表でご確認いただけますが、自営業者の目安額というのは、なかなか見つからないのではないでしょうか。
 そこで、自営業者も、年金生活者も、簡単に「自己負担が2000円で済む、最もオトクな寄付目安額」がわかる方法をお伝えしましょう。
 ふるさと納税は、所得税と住民税がかかわる制度です。
 2016年(平成28年)に行うふるさと納税で得られるメリット(所得税の還付や住民税の減額)は、「2016年の所得」によって決まります。
 でも、残念ながら、「2016年の所得」によって決まる、所得税や住民税の額は、2016年12月31日以降にならないと確定しません。それを待っていたら、年が変わって、2016年分のふるさと納税はできなくなってしまいます。
 そこで、あくまでもこれからお伝えする方法は、
・2015年にふるさと納税をしていない人
・2016年も、2015年と同じぐらいの所得がある人
 と仮定した場合の計算方法です。仮計算ではありますが、自営業者や年金生活者の人が「自己負担が2000円で済む、最もオトクな寄付目安額」として参考にしてみてください。

STEP 1

二つの書類を用意する

 昨年の所得をもとに、今年の「自己負担が2000円で済む、最もオトクな寄付目安額」を知るために必要な書類は二つです。
1.「昨年の確定申告書の控え」
2.「今年の住民税課税決定通知書」
 昨年の確定申告書の控えとは、2015年の所得をもとに、2016年に入ってから税務署に提出したものです。
 ※図表[1]参照

図表[1] 昨年の確定申告の控え

昨年の確定申告の控え

 今年の住民税課税決定通知書とは、2016年6月ごろに市区町村から郵送で届くものです(市町村により様式や文言が異なります)。
 ※図表[2]参照

図表[2] 今年の住民税課税決定通知書

今年の住民税課税決定通知書
STEP 2

見るべきところは三つ

 まず、昨年の確定申告書の控えを見てください。
 見るべきところは、「課税される所得金額(⑨—㉕)又は第三表㉖」という欄です。この数字を、Aとします。
 次に、今年の住民税課税決定通知書を見てください。
 見るべきところは、「都道府県民税の税額控除前所得割額④」と「市民税の税額控除前所得割額④」という欄です。この二つの金額の合計額をBとします。
 AとBの数字がわかれば、「自己負担が2000円で済む、最もオトクな寄付目安額」は簡単にわかるのです。

〈例〉チエ子さんの場合
 自営業者のチエ子さんの場合は、確定申告書の控えにある、「課税される所得金額(⑨—㉕)又は第三表㉖」の金額が、259万1000円です(=A)。
 そして、今年の住民税課税決定通知書にある、「都道府県民税の税額控除前所得割額④」が11万400円、「市民税の税額控除前所得割額④」が16万5600円ということから、二つの合計額は、27万6000円でした(=B)。

STEP 3

速算表に当てはめる

 AとBの数字がわかった人は、下記の「速算表」に、それぞれ当てはめてみましょう。
 ※表[3]参照

図表[3]  課税所得からわかる「最もオトクな寄付目安額」速算表

課税所得金額(所得税)=自己負担が2000円で済む「最もオトクな寄付目安額」
〜195万円以下住民税所得割額(=B)×23.559%+2000円
195万円超 〜330万円以下住民税所得割額(=B)×25.066%+2000円
330万円超 〜695万円以下住民税所得割額(=B)×28.744%+2000円
695万円超 〜900万円以下住民税所得割額(=B)×30.068%+2000円
900万円超 〜1800万円以下住民税所得割額(=B)×35.520%+2000円
1800万円超〜4000万円以下住民税所得割額(=B)×40.683%+2000円
4000万円超住民税所得割額(=B)×45.398%+2000円

※表は、ふるさと納税により税率が変わらない人を対象にしています。
※より正確な金額については、お住まいの市区町村の住民税を扱う部署で必ずご確認ください。計算結果により、損失や損害が発生した場合でも、一切の保証はいたしません。

まず、表[3]の「課税所得金額(所得税)」から、Aに該当する欄を探します。
 次に、そのAに該当する欄の右横の計算式を見ます。
 次に、今年の住民税課税決定通知書を見てください。
 その計算式の「住民税所得割額」に、Bを当てはめて計算をしてみましょう。
 それが、自営業者の「自己負担が2000円で済む、最もオトクな寄付目安額」です。

〈例〉チエ子さんの場合
  自営業者のチエ子さんの場合は、Aが259万1000円ですから、表[3]の「課税所得金額(所得税)」欄の、上から2段目「195万円超〜330万円以下」に当てはまります。
そして、その横にある計算式の「住民税所得割額」に、Bの27万6000円を当てはめて計算します。
 式は「27万6000円 × 25.066%+2000円」で、答えは7万1182円。100円単位を切り捨てると、約7万1000円です。
 この金額が、チエ子さんの「自己負担が2000円で済む、最もオトクな寄付目安額」となります。
 つまり、2016年の課税所得は2015年と同じであるとした場合、今年行うふるさと納税の合計金額が7万1000円なら、2017年になってから行う確定申告により、6万9000円分の税金が安くなるというわけです。
 ちなみに、その6万9000円の内訳は、6900円の所得税の「還付」と、2017年に納めるべき6万2100円の住民税の「減額」です。

「年金+給与」「年金+家賃収入」は?

 自営業者と並んで、年金生活者からの質問も多いので、ここで補足しておきます。
 年金生活者のうち、収入が「年金だけ」の人は、本サイトの早見表をご覧いただければ、簡単にわかります。
 ここで解説するのは、収入が「年金+給与」、または「年金+家賃収入」といった、年金以外に副収入がある人の場合です。
 しかし実は、年金以外に副収入がある人の「自己負担が2000円で済む、最もオトクな寄付目安額」の出し方も、自営業者の計算方法と同じなのです。
 自営業者と同様に、必要な書類は二つです。
1.「昨年の確定申告書の控え」
2.「今年の住民税課税決定通知書」
 「昨年の確定申告書の控え」の左側にある「収入金額等」の項目を見ると、年金ならば「雑・公的年金等」、給与ならば「給与」、家賃や地代ならば「不動産」の欄に金額が書かれていると思います。
 しかし、いずれの人も、最終的には「課税される所得金額(⑨—㉕)又は第三表㉖」の額に対して税金が計算されます。
 この数字をAとして、住民税課税決定通知書の「都道府県民税の税額控除前所得割額④」と「市民税の税額控除前所得割額④」の合計金額をBとし、表[3]の速算表に当てはめればいいのです。
 つまり、自営業者も、年金以外に副収入があるという人も、会社員でありつつ不動産収入を得ているという人も、最終的に確認する場所は、前述の三つなのです。
 この基本がわかれば、どんなに所得があっても「自己負担が2000円で済む、最もオトクな寄付目安額」がわかるので、安心して、ふるさと納税ができますね。

前野 彩(まえの・あや)

 株式会社 Cras 代表取締役、FPオフィス will 代表。NPO法人FP協会CFP®認定者、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、住宅ローンアドバイザーなどの資格を持つ。現在は、子育て家庭、女性の家計相談を中心に、ふるさと納税や社会保険制度を活用した「知れば得トク、知らなきゃソンするお金の知恵」を説いている。新刊『家計のプロ直伝!ふるさと納税「(新)」活用術』(マキノ出版)が好評発売中。
監修:備順子税理士事務所・備順子

ふるさと納税新活用術・前野彩
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